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1章 誕生

17話 強敵チャレンジ

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「みんな行くよ、いいね」


ここにきて、もう直ぐ1年になる記念にと、僕は使役したモンスターたちと共に、今日はある挑戦に向かいます。異世界と言えばそいつら、そう言える世間で最大の5つ星モンスターである、ドラゴンさんに挑戦するんです。


「とは言っても、僕たちにとってはそれほどでもないんだよね」


使役したみんなものんびりとしてる。ダリアたちが厳しくなった指輪事件が懐かしく思える程の時間が経った今、僕たちは強くなり過ぎていると、使役しているモンスターたちを見て思うんだ。
僕たちにとって、今回のこれは挑戦と言うよりも確認の様な物で、とても余裕な足取りで300階あるダンジョンを200階から進みます。


「さて、本物のドラゴンは、ワイバーンとどれくらい違うのか、見せてもらうよ」


最初の分岐には、10m級の4足歩行で移動する普通のドラゴンがいました。そいつは僕たちにとって、ちょっと大きなトカゲ程度の強さで、初めて戦う危険だけが問題としてあるだけなんだ。
なにせ僕のレベルは200で、使役しているモンスターたちは100を超えてる。全員で戦ったら余裕で倒せちゃうから、僕たちはローテーションを組んで戦ってるんだよ。
ちなみにステータスはこんな感じだよ。


【ステータス】
〈名前〉アレシャス
〈レベル〉200
〈HP〉40000〈MP〉152000
〈STR〉23000〈DEF〉40050〈AGI〉55000〈MND〉75000
〈スキル〉剣術レベル6・短期集中睡眠・交渉術・ネコかぶり・格闘レベル4・盾レベル3・細工レベル6・鍛冶レベル6・錬金レベル6・製薬レベル6・木工レベル5・革加工レベル5・採取レベル6・調理レベル6
〈魔法〉火・水・風・土・氷・雷・光(各レベル4)
〈ユニークスキル〉
・ダンジョン製作


どうして最初の頃は同じ数値だったSTRやDEFが、こんなに差が生ませているかと言いますと、なんと上がる数値にはある法則があったんだ。何もしなくても、レベルアップ時100上がるのは誰もが知っている事で、それ以上上げる方法は、ステータスに影響がある身体の筋肉を鍛える事だったんだ。
腕立てをしたらSTR、スクワットをSPGでMNDはランニングで上がったんだよ。それに気づいた僕のステータスは、それから劇的に上がるようになり、それはモンスターたちも同じで、みんなで頑張って強くなった。


「気づかれないようにゆっくりとだよ。そんで、今だっ!!」


最初なので正面からは攻めずに回り込み、後ろからゆっくりとドラゴンに近づいて、みんなが配置に着いた事を確認すると、僕は刀を振り上げ合図をしました。それを見て、僕の反対側の腹部の攻撃担当であるスライム騎士3体が、剣を同時に振り下ろして攻撃を始めます。


「ギャオォォーーー!!」
「まだだよ、みんな追撃っ!」


急な攻撃を受け悲鳴を上げるドラゴンに、追撃とばかりに他の方向から攻撃が襲います。
激しく動くドラゴンの尻尾に、コボルトとウルフたち6体がかみつき攻撃を浴びせ切断し、更にケットシーたち3体は右後ろ脚を狙って斧で切りつけ、ネコマジシャン3体は、遠くからアイスアローを放ってドラゴンの頭を凍らせ、その氷はドラゴンの全体広がり、ドラゴンは雄叫びを上げた形のままで氷漬けになり、氷と共に消滅していきましたよ。


「うんうん、やっぱり装備が良いとダメージも通るね、鍛冶スキルを上げて正解だったよ」


みんなで万歳をしながら僕は喜びました。あらゆる素材が沢山摂れる素材ダンジョンを作り、ラビットやスライムに収集を命じて集め、作業場所として生産ダンジョンを作りドラキュラやモグラ大将など、知性の高いモンスターに生産を任せています。


「みんなの装備も、そろそろ新調次期かな」


最強と言われているドラゴンの皮膚にも負けない、最強と言えるほどの武器が完成してて、僕たちはどんどん強くなって敵なしです。
僕の出る幕は無かったと、圧勝出来てスゴく嬉しくなってみんなを撫でて回り、僕がダンジョンに入るようになった頃を思い返します。スライムに苦戦した時から1年、とても長かったと涙が出そうです。


「この名刀クサナギも、僕が自分で強化して強くなったし、みんなの装備も充実した。さぁドラゴンは僕たちの敵じゃない、どんどん行くよー」


僕のかけ声に、スライム騎士たちは「ラジャラジャ」と飛び跳ねて応え、コボルトとウルフたちは「ワオーン」って雄叫びを上げます。ネコマジシャンたちは「ニャンニャン」って、肉球を合わせてハイタッチをしてて、ケットシーたちは「ニャニャー」ってピョンピョン飛び跳ねていました。
みんなとても可愛い僕の大切な仲間で、後でブラッシングをしようと見てました。


「グロロォォ~」


そんな僕たちに、少し苦戦する相手が現れます。中部屋の中にいた名前の分からない奴が対象で、体長20mはある身の丈10mのゴツゴツした岩を付けたドラゴンです。
そいつはダリアに教わった世界の3大ドラゴンで、ロックドラゴンと言います。後の2体は水龍と火龍で、こいつは通常のドラゴンと同じ四足歩行で行動し、体はとても大きく4倍の強さがある、とても堅いドラゴンです。


「ここで出て来たね、行くよみんなっ!!」


戦い甲斐のある相手だと、僕たちは武器を抜きグループに別れて陣形を取ります。
ここで、あれれ?おかしいぞっと思うかもしれませんがご安心下さい。10mだったダンジョンの天井は、階層強化で500mにしてあります。更に20m四方の中部屋も、強化して200m四方に広く出来る様になっていて、これは全てダンジョンボーナスポイントを使ったから出来た事です。上位のモンスターたちは、そうしないと出現しない事が分かったんですよ。


〈ダンジョンボーナスポイント〉87
・所持ダンジョン数30
・モンスター出現率2
・モンスター覚醒率2
・ドロップ率10(MAX)
・宝箱出現率10 (MAX)
・アイテム交換録10 (MAX)
・モンスター使役10 (MAX)
・モンスター融合10 (MAX)
・通路強化5
・部屋強化5
・移動設備強化6
・階層強化10 (MAX)
・ログ機能1
・調教機能10 (MAX)
・時圧縮1
・採取率10 (MAX)
・救済1
・警告念話1
・???
・???
・???
etc


ポイントを沢山使い、階層を高くしたり部屋を幾つもくっつけ試した結果、色々な事が分かって来て、ダンジョンで出来る事の幅が広がったんだ。名称が小部屋そのままなのに、50m四方の大部屋以上の広さに出来たり、通路とくっつけて部屋の雰囲気のある変わった通路にも出来た。こうすると小部屋で出現する弱いモンスターを大量に出現させたり、天井が高くなるから空を飛ぶモンスターも出現する様になった。


「グロ、グロロオォォ~~」
「倒したんだね、さすがみんな強くなったよ」


喜ぶみんなに拍手をしてレベルを上げて良かったと、融合のありがたみを噛みしめます。使役するモンスターを大漁に仲間にし、融合させる事でレベルの上限値を上げる事が出来るようになった。それをしないとモンスターたちは10レベルまでしか上がらず、僕が苦労していた事だった。


「ダンジョンもそうだけど、ほんとボーナスポイントはありがたいね」


通路にポイントを振ると、特殊な効果のある通路が作れる様になって、階層に至ってはマックスにした事で、天井を高くするだけで無く繋げる事も可能になったんだ。
2階層繋げると天井が1000mと倍になったり、モンスターが200体召喚出来たりする。そうしないと出てこないモンスターもいたから、これで納得と僕は沢山の検証をして、色々なモンスターを出現させたんだ。


「まぁドラゴンを設置したのに、ワイバーンだったのが原因だけどね」


はははっと笑った後、はぁ~っとため息を付いてガッカリした僕だけど、あの時の落ち込み様は凄かったんだ。何せ10億Pで階層召喚にしたドラゴン種だったのに、出て来るのは80万Pのワイバーンだけで、これは弱体化してしまっていると答えを出してガッカリしてた。


「モンスターの弱体化、まさかそんなことまで起きるとは思わなかった」


あの時のダンジョンの現状では、本物のドラゴンは出てこないと、対策を検討しその時点では5階層分を繋げていたけど、階層を更に繋げてドラゴンがちゃんと召喚する50階層分まで進めたんだ。
より大きく広くしないといけないんだと理解して、僕はダンジョンを大きくして行った。それが分かってからは、僕は嬉しくてダンジョンを走り周って戦ったんだ。


「その過程でキメラ階層も作れたし、ほんとに勉強になったね」


ドラゴンは空の帝王と呼ばれていますから、きっと飛べるくらい天井が高くないとダメだった。それを理解してやっと召喚に成功したけど、今出現しているのは地を這う者たちだけ、もしかしたらもっと階層を繋げないと火龍は出てこないかもしれない。


「天井をもっと高くして見るのも良いかもね。どう思うみんな」
「ニャン、ニャンニャン」
「ははは、分からないよ。でもきっと解決出来るよね」


問題は少しずつ解決していこうと、みんなと手を掲げて気合を入れます。出来ればモンスターのみんなともお喋りをしたいんだけど、言葉が分からないと少しだけ不満を口にしたね。


「まぁ、今の状態でもニャンニャンって声が聞けるから、喋れないけど意思疎通は出来るし、みんな可愛いんだけどね」


横を歩いていたケットシーを撫でて僕はそう思っています。みんなは僕の声掛けにジェスチャーで答えてくれて、それがまた可愛いんだ、会話が出来る様になるとそれは無くなってしまうから、それはちょっと寂しい。
そんな気持ちの中、ロックドラゴンに遭遇すると1組(3体)で対処していった。戦う1組をみんなで応援するのは、会話が出来なくても楽しいモノで、1人だった時とは違うからか、僕はとても嬉しかった。


「これなら、まだまだ上を目指せるかな?」


ロックドラゴンは、強さが16億でポイントは2億が貰えます。
僕は計算して、余裕だとその時は思ったんだ。まさかその後、全滅し掛かるとは思いもしませんでしたね。
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