上流階級はダンジョンマスター!?そんな世界で僕は下克上なんて求めません!!

まったりー

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2章 1年1学期前半

22話 僕たちの6日間攻略その1

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「さてみんな、今日から6日間みっちり強敵と戦うよ」


こんなに早く新しいダンジョンに行けるのは嬉しいけど、僕の使役しているモンスターたちは、なんだか不思議そうな顔です。
生活ダンジョン内はとても静かで、なにが気になっているのか、僕も不思議でみんなと同じにクビを傾げたよ。


「我が主、発言をお許しくだされ」
「何かなスライム騎士のピエール君」


そんな空気を断ち切ったのは、喋れる様になったスライム騎士のピエール君です。と言いますか、今はレベルが上がってみんな喋る事が出来るんだ。


「発言を許して頂きありがとうございます」
「良いんだよ、みんなも遠慮なく意見を頂戴ね」


レベルが200を超えたあたりから、みんなしっかりと喋れるようになって、今ではワイワイ楽しく話しをしていますよ。
ちなみに名前の方はお約束の奴で、僕は気に入ってて、呼ぶ度にニヤニヤです。


「主もご存じの通り、我らの数は200です。例え上位龍数体が相手でも負けませぬぞ、強敵とは誰を指しているのですか?」


ピエール君からの質問にみんなも頷いていますが、その為の新しいダンジョンなんだ。
ピエール君が話したように僕のモンスターは200匹いて、最初のメンバーはそのままだけど、各種5体ずつそろえています。


「うんうん、みんなの気持ちは分かるよ、僕たちは大所帯になったもんね」
「それだけではありませぬ、種族も揃え我らに隙はございません」


ピエールの言う通り、種別にミスリル騎士とゴールド騎士、それとプラチナ騎士がいます。
そして新たな仲間の火龍とゴーレム、リザードマンに鬼神がいて、そのほかに生きてる武器のリビング系モンスターがソードとアックス、ジャベリンにスタッフです。


「更には、単体で戦えませぬが、補佐役として背中に背負う、属性別のエレメンタルクリスタルのモンスターがたち。その強化があれば、どんな敵にも対処できます」
「確かに僕たちには敵はいない。でもそれは、レジェンドでも星の低いモンスターとしか戦かってないからだよ」


ここにいない研究者のモンスターもいて、例えレジェンドと言っても負ける事はない。だからみんなは不思議みたいだよ。


「しかし我が主」
「例えばだよピエール、上位龍ならば7つ星でだろうと複数体だろうと、僕たちは勝利出来る。みんなそれだけ強くなって自信もあるよね」


でもねと僕は注意する。それはあくまでもふつうの上位クラスの話で、星が1つ上がると、たちまち難しくなる。
僕が言ってるドラゴン種は、2つ星の上がった9つ星で、神龍と言われる属性を持ったドラゴンたちがそれにあたるんだ。


「麒麟やタイダルスイリュウ、他にもまだまだいて、今回はそいつらと戦うよ」
「そ、そんなの聞いてないウサ」
「むふふ~みんなには言ってなかったけど、僕が400レベルを超えた時、あるボーナス項目にポイントが使える様になってね。それを馬車で試したら出てくるようになった、それはこれです!」


僕は自分のステータスを開きみんなに見せますが、僕にしか見えませんから反応は薄くて誰もツッコミをくれません。
主従関係だから仕方ないけど、喋る様になってそんな欲が出てる僕は、親密度を上げる為にも挑戦したいんだ。


「あの、我が主?」
「ごめんごめんピエール、みんなには見えないよね」
「そうニャよ、ますたぁも人が悪いニャ」
「あはは、ごめんね。僕の覚えたのは広範囲フロア化って言って、階層を丸ごと部屋に出来るんだ。それを300階分繋げて、膨大な広さの階にしてみた。そこには神と言われる龍が住むようになって、雷を纏ったユニコーンとか、とてつもない大きさの龍とかがいるんだよ」


広範囲フロアには、珍しく説明文があったから分かったんだ。読んで聞かせるとみんなかなり緊張し始め、震えるメンバーまで出て来たね。
今までで一番大きいモンスターは、ロックギガントドラゴンの40mでした。それを遙かに超える龍もいると書かれているんです。


「そ、そんなのに勝てるピョン?」
「それはわからないよラビー・・・僕も時間をかけないと勝てないと思ったから、この機会に戦ってみたい。みんなはどう思う?」


僕は、自分だけでなくみんなの意見を聞きす。みんなは僕が主なので絶対に反対はしませんから、まずは意見を聞かないと言ってくれません。
みんなの表情はバラバラで、これが見たかったと、僕は心の中でニヤリとします。


「怖いピョン・・・でも、主と一緒なら頑張るピョン」
「ありがとラビー」


他のみんなも同じ意見のようで、頑張ろうとみんなから声が上がりました。
しっかりとみんなの気持ちを聞けて、僕は凄く嬉しなって、絶対倒すと宣言しました。
話すようになってみんなの性格も分かって来たけど、とても頼りになる仲間になった感じです。


「それでね、今回作ったダンジョンは6つあるから、みんな覚悟してね」
「主、それってつまり、1日1体を相手にすると言うことでゴザルか?かなりの強敵なのでゴザルよね?」
「そうだよ鬼神レッド君、そう言った神龍は各属性に1体いる。それをこの6日間で倒そうと思ってて、まずはじめは雷の神龍麒麟だね、さぁみんな張り切っていこー!」


僕のかけ声にみんなは引いていたけど、やっぱり抵抗はしないんだ。嫌そうなのに手を挙げてかけ声を揃えてきます。
麒麟は他の神龍に比べれば小さく、50キロ四方のダンジョンになってる。天井も高さが50キロある広範囲フロアだと、探す方が大変だよとみんなに教えました。


「まぁ、僕がいれば居場所はわかるけど、さて勝てるかな」


撤退も考慮しての小型狙いで、果たして9つ星がどれほど違うのか、ドキドキしてダンジョンに入ります。
そこは僕が作った、切り立った山のフロアで、雷雲がピカピカと凄い場所です。


「ここが広範囲フロアでゴザルか・・・ダンジョンとは思えないでゴザル」


鬼神のレッド君がみんなを代表して言ってくれましたが、僕も自分で作ったけど驚いていますよ。
高い崖や山以外にも森や川も作っていて、それが全て一体のモンスターの為にあるんだ。


「そう考えれば、相手がどれほどの力を秘めてるのかが想像できる」


空は雲が掛かり嵐が来そうな雰囲気で、この戦いが激戦になるのを感じさせます。


「雷の龍だからかな?今雷が落ちてる場所にいるから、みんな行くよ」


山の頂上に雷が落ちていて、僕たちはそこに向かったんだ。そして2時間をかけ到着すると、見事なたてがみの馬がいました。


「青白い光を纏った白いユニコーン、あれが目標だよみんな」


僕たちを見ても感心がない相手だけど、僕らには関係ない。相手は神と名の付く格上、気にしないで武器を構え臨戦態勢です。
でも、そのタイミングで麒麟が「ヒヒーン」と鳴くと、辺りに雷が落ちてきたんです。


「感心がなかった訳じゃなく、この為に溜めてたのか」


僕は躱す事が出来たけど、ラビットマンとスライム騎士、それとゴールド騎士とプラチナ騎士がまともに食らい倒れて戻って行った。


「くっ流石と言った感じだ、重傷者は撤退!戦えるメンバーは突撃するよ」


コボルトとリザードマンもかなりのダメージを受けたので、退避して回復を指示した。
残りの火龍・ゴーレム・ウルフ・ニャンコマジシャン・ケットシー・リビングモンスター(ソード・ジャベリン・スタッフ)エレメンタルクリスタル65体で突撃しました。


「まだまだ負けてませんギャン!」
「食らうギャオ!」


指示出しの後、麒麟を引き付ける為に火龍隊5体が麒麟を囲み、一斉に噛みつき攻撃を仕掛けました。引き付けではなく、それで終わっていたと思える攻撃だった。


「やったウサ?」
「どうニャろう?」
「いや、ダメだ!!」


火龍たちの牙は麒麟に届きませんでした。火龍のみんなは麒麟の纏っていた雷に焼かれその場に倒れてしまい、更に悪い事に青白い光は増して言ったんだ。


「あの防御をどうにかしないと・・・ゴレムスっ!ゴーレム部隊で火龍隊を運んでコボルトたちと合流して回復して来て、鬼神は護衛にあたって下がるんだ」


みんな返事を聞き、僕はケットシーと牽制に走った。
ニャンコマジシャン隊はエレメンタル隊を背中に背負って土魔法を準備し、リビング隊は麒麟をそのまま攻撃し始める。


「リビング隊は雷が効かないとは言え、このままだと決定打がない。ウルフ隊僕を乗せて」
「「「「「ワオォォーン」」」」」


ウルフ隊の1体に僕は乗り突撃した。ケットシー隊とリビング隊も後に続き僕たちの反撃が始まった。リビング隊は唯一雷が効かないモンスターで、更には雷のエネルギーを地面に逃がしてくれる。


「このまま行けば、あの光は消せる。今は辛抱の時間だ」


ケットシー隊と遠目からの魔法銃攻撃に切り替えた僕は、銃を乱射した。ニャンコたちの土魔法が突破口になってくれると信じて、闘気も同時に溜め始めます。
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