もしも学校の椅子がトイレの椅子だったら

五月萌

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25 大会の前日2

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僕と茂丸は放課後、体育館に収集された。部屋は暖かく、すでに大会の準備はされていた。長く幅のあるレッドカーペットを僕達はファッションショーのように歩いた。もうすでに皆集まっている様子だ。

「えーそれでは不正が行われないようチェックします」

いきなり持ち物検査が行われた。
僕はシャツの胸ポケットに仕込んだ物を指摘されて、仕方無く出した。

(アイ◯ッドでAVを流し、イヤホンでシャツのポケットから袖にまで送り、聞くという作戦は無理か)

「みなさん、明日も仕込んでいたら、退場してもらいますからね」

生徒会員は微笑みながら言葉を投げかける。

「「「はーい」」」
「く……、こうなったら手におっぱいを書くしかない」

茂丸は深刻そうに顔を歪めた。

「早まるな、自殺行為だぞ」

僕は茂丸を止める。

「身体に何かを書いて勃起させるのは不正です。不正行為は即退場です。……じゃあ皆さん、ここで陰茎を出して下さい」
「陰茎ってなんだ?」
「バカ茂丸! ちんこのことだよ!」

僕は茂丸の背中をどつく。そして、ズボンを下げてトランクスを脱いで、下半身を丸出しにした。
皆も同じく、フルチンになる。包茎は南波と僕だけだった。

「はい、ではここで致したと仮定しましょう。もちろん、ズボンとトランクスは事が行われる前の段階に、生徒会が回収します。ここで出し切ったら、振り向いて、体育館の入口にてズボンとトランクスを返します、が、不正が行われないように2階のギャラリーの特別席に案内します。最後まで終わったら再び1階の入口に集合します。10分後、生徒会の厳正なる判断の元、学年別で遠くに飛ばした3人を放送室から発表します。ああ、もう衣類を着て大丈夫です。その3人には、2回目の射精をしていただきます。金賞、銀賞、銅賞で順位を決めていきます。トロフィーの手筈は整っております」

生徒会長らしき人が一旦喋るのをやめた。
皆はもぞもぞとズボンとトランクスを着る。

「双眼鏡の持ち込みは禁止しておりませんので、入口、または2階で観ることはできます。もちろん当事者が大会に出場している際には持ち込みは禁止いたします。何か質問のある方?」
「おかずを見ずにイクことはどうなんだ?」
「はい、それはしていただいても結構です」
「1年1組から3年3組までの順番なんですか?」
「はい、そのとおりです……他に疑問や質問のある方はいらっしゃいますか? いなければ、解散していただきます。明日の大会頑張りましょう! それでは生徒会からでした」

パチパチパチパチ

早々に解散していく僕達。

「あー、鬼が出るか、蛇が出るか」

茂丸は小さく呟く。

「本当だよな」
「精がつく食べ物でも食うか?」
「じゃあ、僕ん家来る? 今から母さんになにか作ってもらうように連絡入れるよ。茂丸の家は姉がいるんだろ、万が一でも勃起したら収めるのに大変だから」
「良い考えだな」
「じゃ、連絡入れとく!」

僕はケータイを取り出して母に電話した。

『はい、もしもし』
『あ、たいだけど。これから茂丸連れてきて良い? なにか精のつく食べ物を用意してほしいんだけど』
『母さん、走ってスーパーで買ってくるよ! 期待してて』
『ありがとう。20分くらいしたら帰るからね』
『分かったわ』
『それじゃ』
『はーい』

ブチッと電話が切れた。

「なんか悪いな」
「いやいいよ、ちょっと遠いからな。今日はチャリ?」
「うん」

茂丸と僕は教室前まで来た。

「明日はどっちが勝っても恨みっこなしだぞ」
「絶対に僕が勝つけどね!」
「俺に負けたら裸踊りだぞ」
「僕が勝ったらお高い寿司だからな!」
「ハックション! ここにいつまでもいないでさっさと行こうぜ」
「おう、風邪で休むなよ」
「お前こそな」

僕らは教室で荷物を持って、学校から出た。
外は優しく太陽で照らされているが寒いものは寒い。
僕は僕の家まで先導した。

「ここがお前ん家か! 風流があるな」
「僕の家来たことなかった?」
「……」

茂丸は庭で鯉が泳ぐのを見ている。
鹿威しの音が鳴った。

「……どうせなら、鯛にしておけばよかったのに」
「そうそう、そういうこと言われるから、あんまり友達を呼ばないんだった。母さん出かけてるのか」

僕はキーケースから家の鍵を取り出した。
家の中は温かい。

「お邪魔しマンモス」
「どうぞうさん」
「お前、俺のギャグに返せるようになったんだな」
「いや、前々から返せるけど?」

僕は2階に案内した。

「まあ、いいや、早速、エロ本探すぞ!」
「やめろ、エロ本なんてないよ」
「さては動画派か? 現代っ子だな。早速パソコンを……」
「ロックされてんだろ」
「パスを教えろ」
「嫌に決まってんだろ」
「しょうがねえな、別に今、エロい気分になっても抜けないしな、ゲームでもして気を紛らわそう」
「勝手にさわんなよ」

僕は茂丸に部屋を荒らされるのを固唾をのんで見守った。
がらら

母が帰ってくる音がした。

「こんちは! お邪魔してます! 僕、園恋茂丸と言います。いつもたい君にお世話になってます」

茂丸は威勢よく、部屋から出て、階下の母に挨拶をした。

「あらあら、たいちゃん、学校のこと全然教えてくれないから心配していたのよ。今からご飯作るから、15分くらい待っててね~」
「はい、ありがとうございます。あれ? お母さん、綺麗ですね」
「僕の母を口説くんじゃねえ!」

パコン!
僕は丸めた新聞紙で茂丸の頭をぶっ叩く。

「やあねー。料理ができるまであめちゃんでも食べる?」
「ありがとうございます」

茂丸と僕はいちごミルク味の飴をもらった。

「たい、今度また合コン行くけど来る?」
「しばらくはいいや」
「クリボッチの割にはだな。例のあの人でも誘ってみたら?」
「うるせえ。ダメ元で誘うかな」

僕と茂丸は雑談して時間を潰した。

「たいちゃん、茂丸君! 出来たよ!」

「「はーい」」
「お前たいちゃんって呼ばれてるんだな」
「……」

僕は無視して1階に降りる。

料理は、うなぎの蒲焼丼とアサリの味噌汁、佃煮だった。

「おお! 美味そう!」
「うなぎなんて高いもの」
「いいの。明日の大会にかかってるんだから」
「そう? いただきます!」
「「いただきます」」

皆無言で食べ進める。もちもちしたご飯に絡んだタレが絶妙な甘さを出している。うなぎ自体も厚みがあって美味しい。全て、ものの5分で完食した。

「「「ご馳走様でした」」」
「お粗末様でした」

母が茂丸の方を見て、何か言いたそうだ。

「たいちゃん、学校ではどんな感じなの?」

ついに口を開いた。

「えっと。委員長らしく真面目ですよ」
「そう、何か悪さしてない?」
「してないですねー。感謝されることはしてますけど」
「母さん、変なことを聞くな! 茂丸も食ったらそろそろ帰れよ」
「変じゃないわよ」
「せーの」
「「ねー!」」
「10秒以内に用意しないと、茂丸の荷物外に投げるぞ」
「分かったって」

茂丸は上着にマフラーに手袋を着て、玄関のあたりに留まる。

「お母さんありがとうございました。とても美味しかったです。また来ます」
「お口にあって何より! 気をつけて帰ってねー」
「お邪魔しました」
「はーい」
「じゃな!」
「うぃ!」

茂丸は出ていった。
次に僕は風呂に入ることにした。湯船は熱いくらいのようだ。服を洗面所の横で脱ぐと、一気に湯船に浸かった。

「あっちー」

風呂で温まり、さっと出ると、ジャージに着替えた。
そして、2階に行き、勉強を始めた。

「明日は頑張るぞ!」

その日は早めに寝ることにした。
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