孤高の英雄は温もりを求め転生する

モモンガ

文字の大きさ
32 / 47

31話 ダンジョン攻略開始

しおりを挟む

 (…で、どうしてお前までいるんだ?)

 ギルドマスターエルフを通じて、アリーに連絡を取ってもらい…言われた通り門の外に行くと、アリーとエルフがいた。

 「いやいや、とてもじゃないけど君達だけで行かせるわけにはいかないでしょ? いったいどんなトラブルを起こさないか不安で不安で…」

 「ほう?」

 (あ?)

 身の危険を感じとったのか、リスナールは吹き出た汗をハンカチで拭いた。

 「やだな~冗談だよ冗談!! アリーさんに何かあったら困るから僕も同行する事にしたんだよ!」

 「(……)」

 「……」

 「ご主人様? どうかしたのかにゃ?」

 その場で止まった俺達を不思議に思ったのか、眼の前で手を左右に振った。

 (命拾いしたな)

 俺はそう言って、エルフから視線を外した。

 しかし…。

 「探索が終わったら覚悟しておけ」

 どうやら、アリーは許さないみたいだ。

 この世の終わりみたいな眼をしたエルフを置いて、俺達はダンジョンがあるらしい森に入っていった。


 €€€€€


 「ここだ」

 アリーの案内で辿り着いたのは、森が1部だけ開けた場所に洞窟だった。

 ふむ…確かに魔力が感じるな。

 ただの洞窟ではないのが、よくわかった。これがダンジョンか…。

 「では行くぞ」

 「了ー解」

 (ああ)

 「行くにゃー!」

 アリー、エルフ、ネロ、俺の順番でダンジョンに入った。


 ダンジョンに入ると、俺の空間支配に引っかかる物があった。

 …罠か。

 それに気づいたのは、どうやら俺だけじゃなかったみたいだ。

 「あっ罠だね、ちょっと待って」

 エルフはそう言うと、アリーの前を通り、床を触る。

 すると…エルフの前を横の壁から、3本の矢が飛び出した。

 「うん、もう大丈夫だよ。ここは踏まないでね」

 床に赤い線を重ねたマークをし、そう言って振り返ったエルフは、何故か顔を硬直させた。

 「罠など破壊して行けばいいではないか。このようになー」

 罠をわざと踏んだアリーは、横から飛び出した3本の矢を切り飛ばした。

 「いやいや、罠の種類や場所が分かっていれば、上位な冒険者なら対応出来るに決まってるでしょ?」

 「なに?」

 アリーは剣の横を叩き、ゆっくりとエルフに近づく…。

 「え…? 何!?」

 思わず後ずさるが、やがて壁に追いやられた。

 「お前は私が罠程度に負傷するとでも? 随分軽く見ているようだな?」

 「いやいやいや、でも毒はどうするのさ!?」

 毒か…確かに、俺なら問題はないが、ネロが万が一にでも受けてしまうとまずいな。

 「毒など慣れれば、対して問題なかろう」

 「うわぁ…」

 「にゃ…にゃ…」

 コイツやべぇな…。

 見ろ。アリーのとんでもない発言で、エルフは引いてるじゃねぇか…。

 ネロに至っては、怯えてるときた。

 「お前達も慣れておけ、特にお前ネロ、これからもパンに同行するというのであれば、これくらいは必要なスキルだぞ」

 「にゃ……にゃ!!」

 何故か急にやる気を出したネロは、眼を大きくし、毒が入った瓶を受け取り…。

 「(あ…)」

 ゴクン…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです

竹桜
ファンタジー
 無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。  だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。  その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

処理中です...