バース伯爵夫人の結婚とその後

東 万里央(あずま まりお)

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*5.下僕におなり

※複数プレイの描写や卑猥な言葉があります。地雷な方はブラウザバックをお願いします。



 私は片隅の椅子に腰掛けるエドワードに目を向けた。エドワードは私の視線に気付いたらしく、苦痛を耐えるかのように目を落とす。両の膝に置かれた拳はぶるぶると震えていた。私は思わず目を細めてふふっと笑う。

 エドワードにはこう命令している。

『私がウェインとフレッドに抱かれるのを、何もせずただ座って見ていなさい』

 従わなければ指一本触れさせるつもりはないと告げたのだ。

 兄王以外には頭を下げた経験すらない、プライドの高い王弟にとっては屈辱だっただろう。これまで指の数を全て合わせても足りない女に涙させ、ベッドの上でも泣かせてきたのである。恋愛でもセックスでもリードを取られた経験など一度もないと聞いた。

 エドワードの金の目には嫉妬と葛藤が激しく渦巻いている。けれども、同時に足の間が猛り立つのを私はばっちりと見ていた。

 やがてフレッドとウェインが果ててベッドにうつ伏せになると、私はゆっくりと起き上あがりエドワードに手を差し伸べた。慈愛に満ちた聖母にも似た微笑みを浮かべる。

「さぁ、おいで、エドワード。あなたの番よ」

 エドワードは椅子から立ち上がり、ふらふらとベッドに歩み寄る。糸の切れたマリオネットのようだった。惨めに這い上がり私の胸に顔を埋める。私はよしよしとその頭を抱き締め撫でてやった。

「ユージェニー、ユージェニー……私はどうすればいいんだ?何をすべきなのかが分からなくなった」

 私は「そうねぇ」と呟きエドワードをシーツの上に押し倒した。

「ゆ、ユージェニー?」
「うふふ」

 エドワードのシャツのボタンを見せ付けるように外していく。うーん、怯えたみたいに瞬く目が何とも可愛いわ。

 裸になってしまえばベッドの上では人類皆平等。人類皆兄弟。弱肉強食の仁義なき世界でありヤルかヤラれるかしかない。エドワードは私にとっては可愛いトムソンガゼルのようなものなのだ。

 私はエドワードを産まれたままの姿にすると、優男には似合わない逞しい胸に手を当てた。素早く腰の上にまたがりエドワードの猛りに身を沈める。ぐちゅ、と言う粘り気のある水音とともに、「ああっ」とエドワードが処女のような声を上げた。

「いい子ね、エドワード」

 私は背を屈めエドワードの胸に口付ける。その身体が未知の感覚に大きく震えた。

「このままおとなしくしていなさいな」

 そして、腰を上下に激しく動かし始めた。

 男達が私を抱きながら口々に尋ねる。

「ユージェニー、私を、愛しているか?」
「ユージェニー、僕を、好き?好き?」
「ユージェニー、俺を、どう思う?」
「「「答えてくれユージェニー!!!」」」

 私は軽やかに笑い彼らに答えた。

「ええ、皆を心から愛しているわ」
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