バース伯爵夫人の結婚とその後

東 万里央(あずま まりお)

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6.不倫が文化

――朝の光が眩しい。

 私は素っ裸で窓辺に佇み腰に手を当てていた。

「……ふう」

 ヤリ遂げたと言う達成感で胸が一杯である。

 超能力や魔法が存在しないこの世界では、いわゆる転生チートはないのだろうと思い込んでいた。が、最近どうやらこの美貌と肉体と無尽蔵の体力がそれらしいと分かった。

 ちょうどよいバランスのまま痩せなければ太りもせず、何をやろうがスタイルはボン・キュ・ボンを維持し崩れない。風邪ひとつ引かず怪我も翌日には治ってしまう。稀に見る健康体以前の化け物だと医師に絶句された。

 うん、どの世界でも人間身体が資本だものね。下手にわけの分からない能力があっても使いこなせるわけでもなし、私にはぴったりの特典である。

 ただ、このダイナマイト・チートボディには問題がひとつだけあった。

……三人とヤッてもまだ物足りない。

 私はベッドに死屍累累と横たわる三人の男を振り返る。全員真っ白に燃え尽き、半透明のタマシイ的な何かが口から抜け出てお空に飛び立とうとしていた。

 二十一世紀の日本ならば私のこの行いは不倫だ・調停だ・慰謝料だと既婚の皆様から非難ごうごうだっただろう。しかし、ところ変わればしな変わる。こちらの貴族の世界では不倫も恋愛である。と言うか、不倫こそが恋愛だ。

 貴族の世界では結婚は政略が当然である。家と家との結び付きを強めて財産の分散を防ぐ、あるいは血筋を守るための契約でしかない。義務として双方の実家のための子どもをもうけた後には、好きにしてもいいよというのが暗黙の了解だった。
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