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第1部
27.白雪と薔薇(10)
*無理やりの描写があります。苦手な方はお気を付け下さい。(五行下)
ゆるりと意識が暗闇の中から浮き上がる。わたしは瞼を開けここはどこかと目を凝らした。明りは弱いランプもつけられておらず、窓から月光が差し込んでいるだけだ。
「瑠奈、ここは薔薇の間のままだ」
聞き慣れた声にはっと横を見ると、陽がばさりとシャツを脱ぎ捨て、その裸身を月明かりに晒していた。陽の体は目を見張るほどきれいだった。すらりとしているのに胸や肩は逞しい。長い腕はいつか博物館で見た、ギリシアの軍神の石像を思わせた。けれども、わたしにとってその体はもはや悪魔のものでしかない。これから何をされるのかを悟り、わたしはどうにか逃げようとした。
「い、いや……」
起き上がろうとしたとたん、手首からぎしりと不吉な音がする。わたしは生まれたままの姿で、ベッドに繋がれ動きを封じられていた。
「ひっ……」
陽が震えるわたしの上に伸し掛かる。
「こうなることは初めから決まっていたんだ」
その後の愛していると言う囁きは、呪いとしか取れなかった。
「瑠奈……」
陽はわたしの首筋に顔を埋め赤い痕をひとつつけた。この日から忘れたくても忘れられない夜が始まったのだ。
*
――あれから陽に犯され続け何日目になるのだろうか。
朝と夜を数える気力すらない。誰も助けに来ないことは分かっている。お父さんも、お母さんも、パパも、ママも、一樹君も皆いなくなってしまった。ベッドが激しく軋みわたしの体が上下に揺れる。
「ひっ……やっ……ああっ……」
もう何度体の中に熱を放たれたのか分からない。すでに喉は枯れ絶望と疲労だけがわたしの目に浮かんでいた。それでも突き入れられるたびまだ声が漏れ出る。
「陽、もうやめてぇ……。こんなの、駄目だよぉ……」
ずるりと陽の熱が体から一気に引き出される。白濁と蜜の入り混じりがどろりとシーツに流れた。
「お願い、陽。わたし、も、もう……」
また涙がとめどなく零れてくる。
「駄目だ」
陽は優しい、優しい、優しい声で告げ、わたしの目の端から流れる雫を啜った。
「好きだ、瑠奈。誰よりも愛してる」
わたしの胸もとに形のよい唇を落とし、いくつもの赤い花を散らす。
「あ……」
「このまま永遠に一緒にいよう。俺たちは太陽と月なんだから、決して離れてはいけないんだ」
そして再び楔をわたしの体にずぶりと容赦なく打ち込んだ。
「あああーっ……」
わたしは悲鳴を上げ、限界まで身を仰け反らせた。陽が腰を激しく動かし始める。結合部がぐちゅぐちゅと嫌らしい音を立てた。わたしは体を揺すぶられながらただ喘ぐ。
「あっ……あっ……あっ……」
陽のどこか上ずった声がわたしの耳に届いた。
「瑠奈、きれいだ。俺に抱かれるお前は、誰よりきれいだ……」
どちらのものともつかぬ体液が、繋がる箇所から漏れ出して来る。わたしはその熱さとおぞましさに吐息を洩らした。
「瑠奈……俺だけの瑠奈」
陽は言葉とともにわたしの腰を抱える。ぐい、とその一点に全ての力を込めた。
「あ、う」
身体と身体の繋がる箇所が更に深く重なり、陽はついに私の一番奥へと入り込む。胎内で陽の欲がみるみる膨らみ、わたしの中で弾けるのを感じた。熱い迸りがどくどくと注ぎ込まれる。
「いやあ……」
わたしは喘ぎながらもうつろな目で陽の顔を見上げた。陽は微笑みを浮かべながら、体液を押し込むかのように腰を大きく二度振る。
「あ、あ」
わたしは首を振り必死に訴える。
「陽、こ、このままじゃ、わたし、妊娠しちゃう……」
あるいはもう妊娠しているのかもしれない。それは絶対的で本能的な恐怖であり、是が非でも避けなければならなかった。わたしと陽は双子の姉弟でありこの世で誰よりも血が濃い。そんなわたし達の間に子供ができてしまったら。
ところが、陽は口の端だけで笑いこう言ったのだ。
「俺は俺と瑠奈との子供なら、どんな化け物でも愛せる」
――そうなればお前ももう逃げられないだろう?
わたしは陽の意図を知り恐怖に息を呑んだ。陽は、永遠にわたしを閉じ込めるつもりなのだ。血と狂気と言う二つの逃れられない鎖で。
「瑠奈……」
陽がまたわたしの中に身を沈める。
「……あ」
終わらぬ夜にわたしはぶるりと身を震わせた。
ゆるりと意識が暗闇の中から浮き上がる。わたしは瞼を開けここはどこかと目を凝らした。明りは弱いランプもつけられておらず、窓から月光が差し込んでいるだけだ。
「瑠奈、ここは薔薇の間のままだ」
聞き慣れた声にはっと横を見ると、陽がばさりとシャツを脱ぎ捨て、その裸身を月明かりに晒していた。陽の体は目を見張るほどきれいだった。すらりとしているのに胸や肩は逞しい。長い腕はいつか博物館で見た、ギリシアの軍神の石像を思わせた。けれども、わたしにとってその体はもはや悪魔のものでしかない。これから何をされるのかを悟り、わたしはどうにか逃げようとした。
「い、いや……」
起き上がろうとしたとたん、手首からぎしりと不吉な音がする。わたしは生まれたままの姿で、ベッドに繋がれ動きを封じられていた。
「ひっ……」
陽が震えるわたしの上に伸し掛かる。
「こうなることは初めから決まっていたんだ」
その後の愛していると言う囁きは、呪いとしか取れなかった。
「瑠奈……」
陽はわたしの首筋に顔を埋め赤い痕をひとつつけた。この日から忘れたくても忘れられない夜が始まったのだ。
*
――あれから陽に犯され続け何日目になるのだろうか。
朝と夜を数える気力すらない。誰も助けに来ないことは分かっている。お父さんも、お母さんも、パパも、ママも、一樹君も皆いなくなってしまった。ベッドが激しく軋みわたしの体が上下に揺れる。
「ひっ……やっ……ああっ……」
もう何度体の中に熱を放たれたのか分からない。すでに喉は枯れ絶望と疲労だけがわたしの目に浮かんでいた。それでも突き入れられるたびまだ声が漏れ出る。
「陽、もうやめてぇ……。こんなの、駄目だよぉ……」
ずるりと陽の熱が体から一気に引き出される。白濁と蜜の入り混じりがどろりとシーツに流れた。
「お願い、陽。わたし、も、もう……」
また涙がとめどなく零れてくる。
「駄目だ」
陽は優しい、優しい、優しい声で告げ、わたしの目の端から流れる雫を啜った。
「好きだ、瑠奈。誰よりも愛してる」
わたしの胸もとに形のよい唇を落とし、いくつもの赤い花を散らす。
「あ……」
「このまま永遠に一緒にいよう。俺たちは太陽と月なんだから、決して離れてはいけないんだ」
そして再び楔をわたしの体にずぶりと容赦なく打ち込んだ。
「あああーっ……」
わたしは悲鳴を上げ、限界まで身を仰け反らせた。陽が腰を激しく動かし始める。結合部がぐちゅぐちゅと嫌らしい音を立てた。わたしは体を揺すぶられながらただ喘ぐ。
「あっ……あっ……あっ……」
陽のどこか上ずった声がわたしの耳に届いた。
「瑠奈、きれいだ。俺に抱かれるお前は、誰よりきれいだ……」
どちらのものともつかぬ体液が、繋がる箇所から漏れ出して来る。わたしはその熱さとおぞましさに吐息を洩らした。
「瑠奈……俺だけの瑠奈」
陽は言葉とともにわたしの腰を抱える。ぐい、とその一点に全ての力を込めた。
「あ、う」
身体と身体の繋がる箇所が更に深く重なり、陽はついに私の一番奥へと入り込む。胎内で陽の欲がみるみる膨らみ、わたしの中で弾けるのを感じた。熱い迸りがどくどくと注ぎ込まれる。
「いやあ……」
わたしは喘ぎながらもうつろな目で陽の顔を見上げた。陽は微笑みを浮かべながら、体液を押し込むかのように腰を大きく二度振る。
「あ、あ」
わたしは首を振り必死に訴える。
「陽、こ、このままじゃ、わたし、妊娠しちゃう……」
あるいはもう妊娠しているのかもしれない。それは絶対的で本能的な恐怖であり、是が非でも避けなければならなかった。わたしと陽は双子の姉弟でありこの世で誰よりも血が濃い。そんなわたし達の間に子供ができてしまったら。
ところが、陽は口の端だけで笑いこう言ったのだ。
「俺は俺と瑠奈との子供なら、どんな化け物でも愛せる」
――そうなればお前ももう逃げられないだろう?
わたしは陽の意図を知り恐怖に息を呑んだ。陽は、永遠にわたしを閉じ込めるつもりなのだ。血と狂気と言う二つの逃れられない鎖で。
「瑠奈……」
陽がまたわたしの中に身を沈める。
「……あ」
終わらぬ夜にわたしはぶるりと身を震わせた。
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