デルモニア紀行

富浦伝十郎

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ゲルブ平原

ゴブリン・ザ・スナイパー

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 曖昧だった状況認識が(正しいかどうかは置いて)かなりはっきりして来た。

 なんだか気分がイイ。 心持ちが爽やかになったような気がする。
このサーバーに(普通の)ログインプレヤーが居ないのならば遠慮は無用だな。 
よし、 ガンガン行ってみようか!

 新しい獲物を求めて周囲を見渡すが まだ狼は湧いて来ない。
そうだ。 とりま 超長距離(狙撃)スキルを獲得しておくことにしよう。
( なんなら日没までにゲットしてやろうじゃないの ! )

 だが、問題は投石スキルのレンジ設定がどうなってるいるか、だ。
通常の投石は20mでの初弾命中以後60mくらいまで必中支援(?)が付いた。
しかし100mはレンジ外でそれを命中させたら300mまでレンジ内になった。
300mより離れた的は狙って撃って(投げて)いない。
・・・先ずは『レールガン』の最大射程をはっきりさせなければならないだろう。

 600mくらいの距離に一際背の高い岩がある。
デカい岩だから此処から撃って投げても多分当たるだろう。
だが命中判定をはっきりさせるには岩に当てるだけでは十分ではあるまい。
俺はその岩までダッシュした。 
・・・十数秒で着いた。
岩の上に飛び上がると" 収 納 ポケット"から"ゴブリンロック"を取り出して其処に置いた。
( コレに当ててやる )
ダッシュで岩を離れて500m強の距離を取る。
( さあ 始めるか! )
俺は右手にペレットを召喚した。




・・・結論から言うと(予想通り)500mはレールガン遠距離投石のレンジ外だった。
ペレットはゴブリンロックに当たらなかった。

 射程は問題ない。
レールガン自体の性能も良く、ゴブリンロックの近くに着弾が集まっている。
( スキルレベル7に達した投石は必中でこそ無いがこの距離でも十分な火力だ )
焦りはない。   
俺は心を落ち着けてゆっくりと"狙撃"を繰り返す。
殆ど掠めるようなショットも稀ではない。
的が倍の大きさだったら最初から当たっていたかもしれないくらいだ。

 ( これなら行ける )

単なる意気込みが 漠然とした期待に、 次第に確信へと変わって来る。
そして28投目。
岩の上に置かれたゴブリンロックは砂煙を上げて砕け散った。




 夕日を受けて輝く岩の上にはもう 俺の置いたゴブリンロックは無い。
「やった!(ガァウ!)」
一声叫ぶ(吠える)と俺はまた岩までダッシュした。 (移動は常に全力疾走だ)

 風景が流れる。 視界がドローンのカメラ映像のようだ。
20m程手前でジャンプし、風のように岩の上に降り立った。
( 体が軽いな! )

 小高い岩の上は視界が広い。 遠くまで良く見える。
新たな標的として二つ目のゴブリンロックを置こうとした時だった。
視界の隅に狼の群れを捉えた。 1km くらい離れている。
( 三匹、か )

 丁度良い。
ゴブリンロックを出すのは止めて 彼奴らで "お試し" と行くとしようか。
俺は岩の上でゆっくりと振りかぶると最初の一匹を"撃"った。

 俺の撃った狼は吹っ飛んで動かなくなった。 
( 良シ! )
1000mはレンジ内に入ったな !
二匹目を撃つ。  これも吹っ飛ぶ。
( 良シ! )
超長距離投石のスキルは確定されているようだ。
そして三投目。
残った狼はこちらを認識できないまま倒れた。
( 良シ! )

・・・これはもう"戦闘"じゃないな。 一方的な殺戮だ。




  =================================
  【 種族 】  ゴブリン
  【レベル】    7
  【ジョブ】    -
  【スキル】  投石[7***] 対獣格闘[2*] 疾駆[7] 跳躍[3*]
  【 HP 】   240/240
  【 MP 】    23/23
  【 装備 】    -
  =================================


 ステータスを確認すると"投石"に * が増えていた。 
"疾駆" と "跳躍" も上がっている。 ( これは明確に実感できた )

 フィールドの"標準的脅威"である狼には何とか対抗できるようになってきた。
サーバー初日、しかも午後半日でこの状態にまでなれたのは正直意外だった。
モンスターの身はハンデばかりかと思っていたがスキルの上がりが尋常でない。
通常サーバーでのログインプレイと全く違う展開に持って行けるかもしれない。
( いや、必ずそうしてやる! )
しかしこの程度ではまだまだFQ世界で自由勝手が出来るレベルには程遠い。
フル装備のカンストプレヤーが "プレミアム" で参加して来る可能性もある。
( もっと精進しないとな… )


 能力だけではない。 物資 アイテムの貯えも多いに越したことは無い。

 俺は倒した狼達を回収するためにダッシュした。


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