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グリュン大森林
妖狐
しおりを挟む「し 喋った !?? 」
片方の男が驚愕の表情で叫ぶ。
「 たりめぇだ バカ ! 」
そいつの頭頂部を上からハタく。
「俺を何だと思ってやがんでぃ ! 」
俯せに潰れて顔面を泥だらけにした密猟者に詰問する。
( コイツの方が少し丈夫そうだ )
もう一人の方は顔を起こす余裕も無さげに吐き続けている。
「・・よ 妖狐 様 ・・ではないので ? 」
「 ”様” 付けする相手を射殺すのかテメェは ! 」
今度は尻を蹴飛ばしてやった。
ホームスチールの姿勢で滑って行く男。
嘔吐いている男の尻も蹴飛ばしてやると ズザーッと滑ってもう一人と並んだ。
俯せに並んだ男達の背から弓と剣を取り上げる。
( ・・やっぱりイイ物を持ってやがる )
「 御免なさい ! 勘弁して下さい ! 」
男が泣きを入れて来た。
( ゴメンデスメバ ケーサツハイラネ―ンダヨ ! )
「 人を殺しかけといて謝って済むと思ってるのか ? 」
「・・・・・・」
( まあ答えようが無いわな )
「いつまで寝てやがる。 起きて正座しろ ! 」
上から怒鳴り付けると二人はモゾモゾと上半身を起こそうとするが安定しない。
フラフラしている。 相当ダメージが残っているようだ。
「 どうして俺を射った? 妖狐って何だ? 筋道立てて説明しろ 」
奪った武器を収納に放り込んで、何とか正座の体制を取った二人に尋ねる。
「嘘や誤魔化しを言うと首を落とすぞ」
ハシムの用心棒の刀を取り出し、鞘から抜いて突き付ける。
威力は”セパレーター” が上だろうが ”首切り”にはこの刀が向いている気がする。
( 本当にやったら ”公儀介錯人” のジョブが付きそうだ )
「 分かりました! 話します!」
正座した男が話し始めた。
その内容を 簡単に纏めると以下のようになる。
** 最近デリドールの街中で妙な事が起きるようになった。
** 食堂や酒場の勘定(売上)が合わない(足りない)事が増えた
** そういう時は何故か銭箱に木の実や石が入っているのだという
** 支払いの時にはそれと分からずに受け取っていたのだ
** ニセ金というより ”幻術”の類だろうと云う者もいた。
** ある店で店員が金を入れた後に店主が銭箱を開けて気付いた
** 店主は店を飛び出して(店員から特徴を聞いた)客を追った
** 大通りに出てみるとその客は西の大門を出るところだった
** 客は草原を西に向かって歩く内、狐に姿を変えて走り去った
** 光り輝くその狐には尾が三本あったという
**
** ”フェイク銭” で飲食された店は皆 繁盛するようになるので
** あまり腹を立てる店はなかった
** 最近は”福を齎す妖狐” と呼ばれ寧ろ来訪は歓迎されるらしい
++ こいつら二人はモンスターも狩れる腕利きのハンターだそうだ
++ その噂を耳にして件の ”妖狐” を捕獲しようと考えた
++ 生きて捉えられれば良し。 仕留めて確保しても金になる、と
++ 遂に今日、森の辺縁部で三尾の狐を発見したのだという
++ 培った技術の粋を尽くして追跡したが見失ってしまった
++ ・・と思ったら其処には俺がいた!
・・・と云う事らしい。
「なんじゃぁ そりゃあああっ !? 」
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