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グリュン大森林
樹上の授剣式
しおりを挟む俺は収納からマルグリッドのペネトレーターを取り出した。
ロックゴーレムの魔核をも貫くというこのレイピアは自撮り棒程の重さもない。
ヨーコの武器としては最適だろう。
「昨日マスターが入手されたものですね」
俺の全行動記録を把握しているヨーコがいう。
「ああ。イイ物なんだけど俺の好みじゃなくてな。 お前が使え」
( フェンサーの皆さんゴメンナサイ )
主君が騎士に授けるようにヨーコに渡す。
「謹んで」
両手を捧げるようにして受け取るヨーコ。
他に誰もいない森の中。 樹上での短い儀式だった。
「俺は”ぶった斬る”のが性に合ってるんだよ」
俺はヨーコに収納から取り出したセパレーターを構えて見せる。
ドラゴンの首をも落とすと言われるブロードソードの重さはT定規くらいだ。
「それにこの剣でも”突き”は出せるからな」
「お似合いです」
ヨーコが相槌?を打つ。
「マスターのスタイルにマッチするのはそちらだと思っていました」
( 分かってるじゃないの♪ )
レイピアは その な、イメージが湧かんのよ。自分でも。
「 ”デュランダル” を此方にお持ち出来れば良かったのですが・・」
しおらしい顔でヨーコが言う。
「 あぁ アレか 」
そんな剣があったな。
久し振りにその名を聞いた。
オンラインで俺が振っていた大剣だ。
FQ世界の全武器中最大のATKを持つその刀身は2メートル近い。
禍々しいオーラを纏い戦場にいる全ての敵のヘイトを引き付けて離さない。
数多のヒーラーの加護を受けて俺がデュランダルを振るい続けている限り、
数多のDPS戦士達は只管攻撃に専念できた。
・・・・・
そしてデルモニアの昼夜さえ覆す程のヨッシーの超絶魔法。
( あれは最後までどういう仕組みなのか分からなかったなぁ )
大規模戦闘に明け暮れた日々。
懐かしいな。 もう随分と昔の事のような気がする。
悪くなかった。 楽しかった。
もうあの日々は帰って来ない。 そして帰りたいとも思わない。
今の俺はタンクじゃない。
そうだ。 此処での俺はNPCを率いる ”会長” なんだからな。
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