デルモニア紀行

富浦伝十郎

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グリュン大森林

求めよ さらば与えられん

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 そうだ。 今ならば理解できるような気がする。
リアルで生きていた時には理解できなかった歴史上の殉教者達の心が。
神(の実在)を信じる者の行動が。

『 捜せ。そうすれば見い出すであろう』

 聖書マタイ伝のあの言葉。
まんまウィーザーズの行動原理じゃないか。
俺はヨーコと二人して進路上の大樹をチェックしつつ森の中を北に向かった。
大森林の全ての樹を調べるのは流石に難しいが二列のライン上の樹は観てゆく。
勿論樹上から地表もチェックするのは怠らない。

 何百本もの大樹を渡った。 いや、数千本を超えたかもしれない。
地上に降りる事無く俺達は梢を吹き渡る風のように樹上を巡って行く。
ヨーコの樹上移動速度はラーニングの効果かもう俺と遜色ないレベルだ。

「マスター。此方へ」
ヨーコが樹上から俺を呼んだ。
「アイテムを発見しました」

「今行く」
俺は今いる大樹からヨーコのいる大樹に "樹間ジャンプ" で移った。
樹幹近くの大枝に立つヨーコが俺に "それ" を示す。
「ご覧下さい」
差し出されたヨーコの手掌には一つのリングが載っていた。

「・・・例のアレか?」
俺は思わずヨーコに尋ねていた。 
( AIに質問する時は主語補語をはっきりしないとな! )

「お待ち下さい」
( 優秀な ) ヨーコは俺の意図を汲んでリングを自分の左環指に嵌める。

「MPドミナント状態を確認」
ヨーコが申告する。
「マスターの御推測通り”エルフのリング” と思われます」
「・・・・」
左手背を俺に向けてリングを示すヨーコ。
その仕草に若干の感銘を抱きながらも俺は考え込んでしまっていた。
( 俺は何て世界に来ちまったんだw )



「・・・そのリングは常にお前が付けておけ」
俺はヨーコにそう指示した。
ゴブリンの俺はこれからずっと、てか益々MP優位になってく訳だからな。

「畏まりました」
ヨーコが答える。
「そうさせて頂きます」
リングでMPドミナントとなったヨーコが魔導士スキルを使用可能になれば
"コンビバトル"  のバリエーションは飛躍的に拡大することだろう。
しかし今の俺はそんなことより 『リングが見つかった』 ことの方が気になる。



・・・俺はこれから ”王道” を捨て "狭き道" を行くべきなのか ?







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