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異世界の無人島と青の守護者
空も広いけど無人島も広い
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異世界無人島生活 十一日目の朝
朝、昨日新たに召喚で加わった仲間を含め全員で食事を取る。
最近はムサシ達が森から持ち帰る食料を含め、海の魚に神力に余裕が出来たので野菜や果物何かを取り寄せて中々に豪華な食事を味わえている。
味のほうも、調味料を充実させたおかげでバリエーションが増えて皆に喜ばれている。
「こったら野菜、オラ初めて食っただよ」
「その野菜は俺が取り寄せた物だけど、それを種の状態で今畑で育ててるから今後はゴードンの活躍次第で取り寄せなくても普通に食べれるようになると思うよ」
「責任重大だがや....じゃが、オラ頑張って皆の為に働くだで」
「そんなに気にしなくても誰も怒ったりしないから楽にやってよ。 あ、エドワードにも何時でも漁に出られるよう船と道具は用意しておくからね」
「おう、助かるぜ大将」
ゴードンとエドワードには、それぞれの職業にあった仕事を与える。
ムサシ達の言っていることは大体は分かるのだが、人間であるゴードンとエドワードが加わった事でマウリ以外とも日常的な会話をするようになったし、会話でコミュニケーションが取れる分何をやるにも指示が楽になった。
さらに、ゴードンは農夫としてエドワードは漁師として、それぞれの分野で専門的な知識を持っているので俺が困ったり分からない事を聞くことが出来るようになった。
「ふぉふぉ、これはまたワシの知識欲をそそる食べ物だのぉ」
そして、クル爺が加わったことで今まで死活していた魔物の素材を使った錬金が可能となったことで各種薬類が充実したことで、うちの衛生面での心配が少なくなった。
クル爺には専用の工房を昨日の用意するつもりでいるし、俺の取り寄せる異世界の品にも興味を持ってくれている。 工房が出来次第、早速異世界の品の研究に入りたいと言っていたのでぜひともクル爺には俺の望む物を作って貰いたいところだ。
朝食を終えると、各自が自分の仕事へと移って行く。
昨日の段階で、皆で話し合って今日やるべきことは決めてある。
ムサシ達ゴブリン部隊は森での食料確保と近場の探索へ。 こちらにはクル爺も素材集めに同行する予定。
ゴーレム君とノーム達は、引き続き精霊の泉への水路作りと住人が増えたのでその手伝いと家作り。
ゴードンは畑の管理とピッグル達の世話。
エドワードは漁具を持って海へ漁に。
スライム達は家の掃除。
セイレーンはゴードンとエドワードの子供の相手。
と、それぞれにあった仕事を与えてある。
「ではアッシュ私達もそろそろ」
「今度の旅はノブオもいるから余計問題はないと思うけど気をつけてね」
「ウム、出きるだけ島の全容を調べたいので帰りは遅くなるかもしれないが心配しないでくれ。 むしろ、私がいないからといってセイレーンに手を出してはダメだぞ。 手を出すなら私を先にしろ」
「出さないから....」
セイレーンもニコニコした顔でこっちに手を振らないでいいからね。
『アニキ! 俺も頑張ってお勤めしてくるっす!』
「頼むぞノブオ。 マウリとウルフをしっかり守ってくれ」
『任せるっす! 姉さん達のことは、俺がしっかりと守るっすから心配いらないっす!』
まぁ、そもそもマウリはノブオよりもレア度が上だし、ノブオ自身もSSR度の強さを持っているわけだからあんまり心配はしてないんだけどね....。
今回、マウリとノブオ、それにマウリに弟子入りしている感じのウルフを含めたメンバーは、海からノブオに乗って島の外円部の探索に出かける。
予定としては、前回マウリが確認した浜辺の端の先がどうなっているのかを確認し、可能であればそちらの陸地の調査も行うことになっている。 帰って来るのは少なくともこないだの探索よりは遅くなるはずなので、4日以上はマウリがまたいないことになる。
その間、またこちらの戦力が減ることになってしまうが、家に周りにはマウリが結界を張ってくれているので弱い魔物は近づけない。 仮に、大王カエルのような上位の魔物が襲ってきたとしても、今のうちにはクル爺を含め戦闘が出来る仲間が増えているのでそこまでの心配はない。
例によって、マウリには通信用のトランシーバーを渡してあるのだが、距離的な問題から今回はトランシーバーの電波が届く距離か外れる可能性があるのでそれだけが唯一の心配と言っていいかもしれない。
兎に角、怪我をしないで無事に帰ってきてくれるように待とう。
「では行って来る」
マウリとウルフはノブオの背中に飛び乗る。
「グギュルガァ!」
ノブオは威嚇するように吼えると、巨大な体を動かして海を進みだしてあっという間に見えなくなってしまった。
「そんじゃ、俺達も行こうか」
「グルゥ」
アッシュはワイバーンの喉を一撫ですると、ワイバーンは体を低くして自らの背にアッシュを乗せて大空へと舞い上がった。
アッシュがやろうとしているのは、ワイバーンに乗って空からの無人島探索である。
海からはノブオが、そして空からはワイバーンが同時に探索を行うことで島の全容をより知ることが出来ると考えてのことだ。
「うーん風が冷たい。 でも、空を飛ぶって気持ちいいな」
空からは下にいる人がゴミのよう....じゃなくて、マメ粒のように小さく見える。
視線を上げれば、手の届きそうな位置にある白くフワフワした雲の塊が風に乗ってゆっくりと流れ、浜辺から見える海は空から見ても果てしなく続いているように見える。
ただ空を飛んでいるというだけなのに、随分と違った感じの景色がつい心をワクワクさせてくれる。
そうして、初めての空に心を弾ませワイバーンとの空中散歩をしばらく楽しんでいたが、何時までもこうして遊んでいるわけにもいかない。
「マウリ達は東周りで探索に向かって行ったから、俺達は西周りで行こう」
「グルゥ」
アッシュの指示にワイバーンは体を旋廻させて向きを変え、浜辺の西側を飛ぶ。
空から確認してみると、アッシュの拠点としている浜辺を島の南とすると南の海岸は浜辺が7割で森が1割、岩場が2割程度で魔物や生物らしき物は見受けられない。
そこからさらに西へと飛んで行くと、ある場所で森の木々がなくなり今度は一面が見渡せるような広い草原に変わった。 場所的には、拠点からちょうど西の辺り。
草原には、空からでも確認出来る大きさの生物の影がちらほらと存在する。
鋭い二本の角を持った牛みたいな奴に、物陰に隠れて鋭い牙と爪で獲物を狙う猫みたいな奴に、Tレックスみたいな恐竜までもが入り混じったカオスなサバンナがそこにはあった。
「こんな奴らが家の周りに来たらと思うとゾッとするな」
アッシュはあまり近づかないようなるべく高度を取って、出来るだけ草原を空から探索する。
その結果、生物と思われるものは多く確認することが出来たが、逆に人が住む土地としては食べられそうな資源が少なそうな上に、肉食で危険な生物が多数生息している場所である以上、生活には適さないと考える。
「でも、食べられそうな奴も結構いるし、こんだけ広い土地を無駄にするのもなぁ......安全が確保出来るなら牧場とか作って、非常食の世話もこっちでするようにしたら面白いかもしれないな」
ピッグルには良い物を食わせているので、順調に非常食として育っている。
だけど、行動範囲がうちの小屋の周りだけなので運動不足のせいか肉がタプンタプンで肉に締りが無い感じがする。 やはり、非常食とはいえ動物には適度な運動が必要であるということなのだろう。
ちなみに、今現在非常食の数は5匹に増えている。 何故か森にはピッグルが結構いるらしく、ムサシが見つけると捕まえてくるので気づけば数が増えてきていた。 まぁ、あいつの肉は美味いからいくらいても困りはしないけどね。
「何にせよ、まだしばらくはこっちの方にはこられそうにないし、来るとしても装備をきっちりと整えてからじゃないととてもこれそうにないけどね」
多分、Tレックスモドキは大王カエルと同じ位かそれ以上に強そうだし、他の生物だってこんな場所で生活している以上森と比べても遥かに個々の戦力は上だろう。
それに対して、うちの装備は武器らしい物は刀だけで、今現在おもちゃのパチンコを弓変わりの遠距離として使っている情況で、防具に関しては俺が取り寄せで出した厚手の服だったり靴を身につけているだけなので、防御力は0にも等しい状態だ。
それを今は、個々の能力であったり集団で戦うことで補い、格上との危険な戦闘を避けて出来る範囲での探索と狩りをしている状態なのだ。
先日、錬金術師のクル爺が加わったことで魔法が使えないムサシ達でも携帯出来て使える回復薬には目処が経ったので、幾分か怪我を承知で格上に挑む事は可能にはなったが、それでも草原の強者に挑むには程遠いだろう。
最低でも、武器と防具の更新が必要であり、その為には材料となる鉱石が必要だし、武器や防具を作れる職人を召喚する必要がある。
流石に、家作り何かと違って俄仕込みの知識だけでは鍛冶までは俺もどうすることも出来ない。 都合よく職人を召喚出来るわけではないので、そっちの事に手を出して勉強して見る必要もあるかもしれないけども、どの道今は他にすることがあるので難しいだろう.....。
「クェー!」
草原の空を考察しながらゆっくりと飛行していたら、こちらを獲物と狙いを定め向かってくる鳥が。
「まったく、ここには好戦的やつしかいないのか...。 ワイバーン、森の方まで逃げてくれ」
「グルゥ」
ワイバーンは俺の指示で草原を離れ、森の方へと向かって飛ぶ。
だが、草原を抜け森の空に差し掛かったというにのに追っての鳥はこちらを追うのをやめてはくれない。
「うーん、草原の外に出ても追いかけて来るってことは草原だけがテリトリーじゃないってことなのかな。 面倒だから狩っちゃおうか?」
「グルッ!」
「そうしよう」とばかりにワイバーンは力強く鳴く。
「よし、行っちゃえワイバーン!」
「グルゥウ!」
ワイバーンは旋廻して追いかけてきた鳥に正面から向かっていく。
追いかけて来た鳥は、ワイバーンよりも小さい鳥だったので見逃してくれるなら狩らずに帰ろうと思っていたが、思いの他相手も力の差を理解出来ていなかったようだ」
「グルゥ」
「クェー!」
二本の足で意図も簡単に相手を捕らえたワイバーンは、足の爪で鳥を突き刺して相手の動きを止める。
ピクリとも動かなくなった鳥を足で掴んだまま、ワイバーンは悠然と旋廻して空を舞う。
「ごくろうさん。 おかげでいいお土産が出来たよ。 さ、お家に帰ろう」
アッシュはワイバーンの首筋をポンポンと叩いて一言かけると、ワイバーンは力強く頷いて我が家に向かって飛び始める。
新しい発見と楽しい空の旅にアッシュの顔は満足気であった。
朝、昨日新たに召喚で加わった仲間を含め全員で食事を取る。
最近はムサシ達が森から持ち帰る食料を含め、海の魚に神力に余裕が出来たので野菜や果物何かを取り寄せて中々に豪華な食事を味わえている。
味のほうも、調味料を充実させたおかげでバリエーションが増えて皆に喜ばれている。
「こったら野菜、オラ初めて食っただよ」
「その野菜は俺が取り寄せた物だけど、それを種の状態で今畑で育ててるから今後はゴードンの活躍次第で取り寄せなくても普通に食べれるようになると思うよ」
「責任重大だがや....じゃが、オラ頑張って皆の為に働くだで」
「そんなに気にしなくても誰も怒ったりしないから楽にやってよ。 あ、エドワードにも何時でも漁に出られるよう船と道具は用意しておくからね」
「おう、助かるぜ大将」
ゴードンとエドワードには、それぞれの職業にあった仕事を与える。
ムサシ達の言っていることは大体は分かるのだが、人間であるゴードンとエドワードが加わった事でマウリ以外とも日常的な会話をするようになったし、会話でコミュニケーションが取れる分何をやるにも指示が楽になった。
さらに、ゴードンは農夫としてエドワードは漁師として、それぞれの分野で専門的な知識を持っているので俺が困ったり分からない事を聞くことが出来るようになった。
「ふぉふぉ、これはまたワシの知識欲をそそる食べ物だのぉ」
そして、クル爺が加わったことで今まで死活していた魔物の素材を使った錬金が可能となったことで各種薬類が充実したことで、うちの衛生面での心配が少なくなった。
クル爺には専用の工房を昨日の用意するつもりでいるし、俺の取り寄せる異世界の品にも興味を持ってくれている。 工房が出来次第、早速異世界の品の研究に入りたいと言っていたのでぜひともクル爺には俺の望む物を作って貰いたいところだ。
朝食を終えると、各自が自分の仕事へと移って行く。
昨日の段階で、皆で話し合って今日やるべきことは決めてある。
ムサシ達ゴブリン部隊は森での食料確保と近場の探索へ。 こちらにはクル爺も素材集めに同行する予定。
ゴーレム君とノーム達は、引き続き精霊の泉への水路作りと住人が増えたのでその手伝いと家作り。
ゴードンは畑の管理とピッグル達の世話。
エドワードは漁具を持って海へ漁に。
スライム達は家の掃除。
セイレーンはゴードンとエドワードの子供の相手。
と、それぞれにあった仕事を与えてある。
「ではアッシュ私達もそろそろ」
「今度の旅はノブオもいるから余計問題はないと思うけど気をつけてね」
「ウム、出きるだけ島の全容を調べたいので帰りは遅くなるかもしれないが心配しないでくれ。 むしろ、私がいないからといってセイレーンに手を出してはダメだぞ。 手を出すなら私を先にしろ」
「出さないから....」
セイレーンもニコニコした顔でこっちに手を振らないでいいからね。
『アニキ! 俺も頑張ってお勤めしてくるっす!』
「頼むぞノブオ。 マウリとウルフをしっかり守ってくれ」
『任せるっす! 姉さん達のことは、俺がしっかりと守るっすから心配いらないっす!』
まぁ、そもそもマウリはノブオよりもレア度が上だし、ノブオ自身もSSR度の強さを持っているわけだからあんまり心配はしてないんだけどね....。
今回、マウリとノブオ、それにマウリに弟子入りしている感じのウルフを含めたメンバーは、海からノブオに乗って島の外円部の探索に出かける。
予定としては、前回マウリが確認した浜辺の端の先がどうなっているのかを確認し、可能であればそちらの陸地の調査も行うことになっている。 帰って来るのは少なくともこないだの探索よりは遅くなるはずなので、4日以上はマウリがまたいないことになる。
その間、またこちらの戦力が減ることになってしまうが、家に周りにはマウリが結界を張ってくれているので弱い魔物は近づけない。 仮に、大王カエルのような上位の魔物が襲ってきたとしても、今のうちにはクル爺を含め戦闘が出来る仲間が増えているのでそこまでの心配はない。
例によって、マウリには通信用のトランシーバーを渡してあるのだが、距離的な問題から今回はトランシーバーの電波が届く距離か外れる可能性があるのでそれだけが唯一の心配と言っていいかもしれない。
兎に角、怪我をしないで無事に帰ってきてくれるように待とう。
「では行って来る」
マウリとウルフはノブオの背中に飛び乗る。
「グギュルガァ!」
ノブオは威嚇するように吼えると、巨大な体を動かして海を進みだしてあっという間に見えなくなってしまった。
「そんじゃ、俺達も行こうか」
「グルゥ」
アッシュはワイバーンの喉を一撫ですると、ワイバーンは体を低くして自らの背にアッシュを乗せて大空へと舞い上がった。
アッシュがやろうとしているのは、ワイバーンに乗って空からの無人島探索である。
海からはノブオが、そして空からはワイバーンが同時に探索を行うことで島の全容をより知ることが出来ると考えてのことだ。
「うーん風が冷たい。 でも、空を飛ぶって気持ちいいな」
空からは下にいる人がゴミのよう....じゃなくて、マメ粒のように小さく見える。
視線を上げれば、手の届きそうな位置にある白くフワフワした雲の塊が風に乗ってゆっくりと流れ、浜辺から見える海は空から見ても果てしなく続いているように見える。
ただ空を飛んでいるというだけなのに、随分と違った感じの景色がつい心をワクワクさせてくれる。
そうして、初めての空に心を弾ませワイバーンとの空中散歩をしばらく楽しんでいたが、何時までもこうして遊んでいるわけにもいかない。
「マウリ達は東周りで探索に向かって行ったから、俺達は西周りで行こう」
「グルゥ」
アッシュの指示にワイバーンは体を旋廻させて向きを変え、浜辺の西側を飛ぶ。
空から確認してみると、アッシュの拠点としている浜辺を島の南とすると南の海岸は浜辺が7割で森が1割、岩場が2割程度で魔物や生物らしき物は見受けられない。
そこからさらに西へと飛んで行くと、ある場所で森の木々がなくなり今度は一面が見渡せるような広い草原に変わった。 場所的には、拠点からちょうど西の辺り。
草原には、空からでも確認出来る大きさの生物の影がちらほらと存在する。
鋭い二本の角を持った牛みたいな奴に、物陰に隠れて鋭い牙と爪で獲物を狙う猫みたいな奴に、Tレックスみたいな恐竜までもが入り混じったカオスなサバンナがそこにはあった。
「こんな奴らが家の周りに来たらと思うとゾッとするな」
アッシュはあまり近づかないようなるべく高度を取って、出来るだけ草原を空から探索する。
その結果、生物と思われるものは多く確認することが出来たが、逆に人が住む土地としては食べられそうな資源が少なそうな上に、肉食で危険な生物が多数生息している場所である以上、生活には適さないと考える。
「でも、食べられそうな奴も結構いるし、こんだけ広い土地を無駄にするのもなぁ......安全が確保出来るなら牧場とか作って、非常食の世話もこっちでするようにしたら面白いかもしれないな」
ピッグルには良い物を食わせているので、順調に非常食として育っている。
だけど、行動範囲がうちの小屋の周りだけなので運動不足のせいか肉がタプンタプンで肉に締りが無い感じがする。 やはり、非常食とはいえ動物には適度な運動が必要であるということなのだろう。
ちなみに、今現在非常食の数は5匹に増えている。 何故か森にはピッグルが結構いるらしく、ムサシが見つけると捕まえてくるので気づけば数が増えてきていた。 まぁ、あいつの肉は美味いからいくらいても困りはしないけどね。
「何にせよ、まだしばらくはこっちの方にはこられそうにないし、来るとしても装備をきっちりと整えてからじゃないととてもこれそうにないけどね」
多分、Tレックスモドキは大王カエルと同じ位かそれ以上に強そうだし、他の生物だってこんな場所で生活している以上森と比べても遥かに個々の戦力は上だろう。
それに対して、うちの装備は武器らしい物は刀だけで、今現在おもちゃのパチンコを弓変わりの遠距離として使っている情況で、防具に関しては俺が取り寄せで出した厚手の服だったり靴を身につけているだけなので、防御力は0にも等しい状態だ。
それを今は、個々の能力であったり集団で戦うことで補い、格上との危険な戦闘を避けて出来る範囲での探索と狩りをしている状態なのだ。
先日、錬金術師のクル爺が加わったことで魔法が使えないムサシ達でも携帯出来て使える回復薬には目処が経ったので、幾分か怪我を承知で格上に挑む事は可能にはなったが、それでも草原の強者に挑むには程遠いだろう。
最低でも、武器と防具の更新が必要であり、その為には材料となる鉱石が必要だし、武器や防具を作れる職人を召喚する必要がある。
流石に、家作り何かと違って俄仕込みの知識だけでは鍛冶までは俺もどうすることも出来ない。 都合よく職人を召喚出来るわけではないので、そっちの事に手を出して勉強して見る必要もあるかもしれないけども、どの道今は他にすることがあるので難しいだろう.....。
「クェー!」
草原の空を考察しながらゆっくりと飛行していたら、こちらを獲物と狙いを定め向かってくる鳥が。
「まったく、ここには好戦的やつしかいないのか...。 ワイバーン、森の方まで逃げてくれ」
「グルゥ」
ワイバーンは俺の指示で草原を離れ、森の方へと向かって飛ぶ。
だが、草原を抜け森の空に差し掛かったというにのに追っての鳥はこちらを追うのをやめてはくれない。
「うーん、草原の外に出ても追いかけて来るってことは草原だけがテリトリーじゃないってことなのかな。 面倒だから狩っちゃおうか?」
「グルッ!」
「そうしよう」とばかりにワイバーンは力強く鳴く。
「よし、行っちゃえワイバーン!」
「グルゥウ!」
ワイバーンは旋廻して追いかけてきた鳥に正面から向かっていく。
追いかけて来た鳥は、ワイバーンよりも小さい鳥だったので見逃してくれるなら狩らずに帰ろうと思っていたが、思いの他相手も力の差を理解出来ていなかったようだ」
「グルゥ」
「クェー!」
二本の足で意図も簡単に相手を捕らえたワイバーンは、足の爪で鳥を突き刺して相手の動きを止める。
ピクリとも動かなくなった鳥を足で掴んだまま、ワイバーンは悠然と旋廻して空を舞う。
「ごくろうさん。 おかげでいいお土産が出来たよ。 さ、お家に帰ろう」
アッシュはワイバーンの首筋をポンポンと叩いて一言かけると、ワイバーンは力強く頷いて我が家に向かって飛び始める。
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