捨てられ世界の国造り~3つの力で頑張ります~

マメ太郎

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異世界の無人島と青の守護者

ダンジョンキーパー

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 ダンジョンの二層、広い大部屋で戦闘音が響き渡る。 アッシュ達は二層のボス部屋で絶賛戦闘中であった。

「また子カエルが増えたぞ! ムサシとゴブちゃん達はそっちの対応を!」

「ゴブー!」

 アッシュが指示を送るとムサシは刀を上げてそれに答える。
 ここまで来るのに何度も戦闘を重ねたおかげで、集団での連携もいい感じにとれるようになってきた。
 二層に入ってからは一層と出てくる魔物に変化もなく、クル爺のネズミホムンクルスのおかげでマッピングもほぼ完璧で、迷うことなくサクサクと進んであっという間に二層のボス部屋に到着した。
 そこでボス部屋の扉を開けて中を確認すると、二層のボスはなんと前に精霊の泉で戦った大王カエルであった。
 以前との違いを挙げると、頭に王冠のようなキラキラした冠をのせて赤いマントをしていることと、大王の後ろにこちらも派手な冠を頭にのせた大王よりも一回り小さな大きさのカエルがいること。 
 大王の奥さんであろうか? ならば、女王とでも呼ぶことにしよう。

 二層のボスは二体。
 戦い方が以前と変わっていなければ、一度倒しているし相手の特徴も把握出来ている相手だ。
 クル爺はまた、ボス部屋の外から爆弾を投げて倒そうと提案してきたけど、それはやめて今回は個々のレベルアップを含め正攻法でのボス部屋攻略に挑むことにした。
 問題があるとすれば大王の隣にいる女王が果たしてどんな動きをとるのかだが、こればかりは戦って見ないと分からない。
 が、その答えは戦闘が始まってすぐに見られた。

「ゲコ.....ゲコー!」

 女王は大王の後ろに一歩下がって隠れると、苦しそうな声をあげ無数の卵を地面に産み落とした。

「ゲコゲコ」

 産み落とされた卵は即座に孵化して小さな子カエルが大量に生産される。
 確かにカエルは卵で産卵するが、おたまじゃくしの過程を越えていきなりカエルとして出てくるあたり魔物の進化は特殊だ。 加えて、女王は何度でも卵を産み落とすことが出きるらしく再び苦しそうな声をあげて子カエルの卵を量産はじめる。 少子化の時代にはビックリな程の子宝だが、こと戦闘においてこれほど数のごり押しは面倒なことはない。

「ゴブー!」

 ゴブちゃん達が弓で子カエルを狙い打つ。
 弓に当たった子カエルはあっさりと倒れる。 子カエルは一匹一匹はそうたいしたことはないが、如何せん数が多くて倒せど倒せど女王が産み落としてまた数が増えてしまう。
 ならば、子カエルを産み出す女王を先に倒そうとすると子カエルを巧みに操って壁にして、さらには大王の後ろに隠れることで上手くその身を隠している。 おそらく、女王には戦うちからがないのだろうが子カエルを無数に産み出すこの力は実に厄介だ。

「ゴケェェ!」

 大王は大王で、以前と同じく腐食の礫を口から放出してくるので、子カエルばかりに気をとられると避けるのが遅くなってしまう。 以前にもまして実に厄介極まりない相手だ。

「大王は私に任せろ」

 だが、戦い方は分かっているので大王の相手はマウリが引き受ける。
 マウリは大王の近くで動き回り、大王の気を引くため剣で足を斬って攻撃を行う。
 すると、それに釣られた大王はアッシュ達を無視してマウリに礫の攻撃を集中させる。
 マウリなら相手の攻撃を万が一にも当たることがない上に、こちらも以前とは違いクル爺という魔法を使える者が増えているので攻撃の手段はある。

「クル爺、マウリの援護を。 あいつ魔法じゃないとダメージ入らないから」

「ほぉほぉ、爺使いの荒い主殿じゃのぉ」

 などと言いながらもクル爺はマウリの援護を始める。 その顔は新しいおもちゃを見つけた顔で実にいい顔をしていた。
 
 向こうは向こうで任せて問題ないだろう。
 こちらはこちらで女王狩りに専念だ。

「ゴブーゴブ!」

 ムサシがゴブリン隊を指揮して子カエルを寄せ付けないように倒し、自らも刀を抜いて子カエルと斬り合う。
 その隙間を風のような何かが駆け抜け、子カエルがパタリパタリと次々に倒れる。
 ハッシュだ。
 マウリに弟子入りして、日々マウリに鍛えられ強くなったハッシュはウルフだった頃とは見違えるように素早い動きで立ち回って相手を混乱させている。
 しかし、流石に子カエルの数が多く無傷とはいかにようでゴブリン隊にもハッシュにもダメージが出ているが、

「♪♪」

 ゴブリン隊の後ろからセイレーンの回復魔法が飛んで来て、傷ついた者達を癒す。
 
「ゴゴォ」

 子カエルはセイレーンを狙おうとするが、セイレーンの前には斧を構えたゴーレム君がセイレーンを守るように立ちふさがり、その横からは弓持ちゴブリンが子カエルを近づく子カエルを狙い撃って近づかせない。

 うん。 ナイスコンビネーションだね。

 ただ、如何せん数が多い分このまま行けば矢も尽きてこちらがジリ貧になるのは目に見ている。

「ゴブ、ゴブゴブ!」

 ムサシが自分が道を開くから女王を討ち取れと叫ぶ。
 ムサシは刀をアッシュの前で刀を振って走りながら、次々と子カエルを切り捨て女王へと道を開く。 アッシュもムサシの後をついて走りながら近づく子カエルを横薙ぎに斬って倒す。

「ゴケェェ!」

「おっと、お前の相手は私たちだ」

 大王は女王に近づこうとするアッシュ達を邪魔しようとするが、そこにマウリが間に入って大王を阻止する。

「ほぉほぉ、隙だらけじゃぞい。 ウィンドランス!」

「ゴケェェェ!」

 クル爺の魔法が決まり大王は苦しみの声をあげ、忌々しげにクル爺に顔を向ける。

「ウム、やはり隙だらけだぞ。 ファイヤランス!」

 今度はマウリの魔法が大王に決まり、やはり大王は苦しみの声をあげマウリに顔を向ける。
 魔法を使える者が一人増えただけで、あれだけ苦労した大王が今回はそうは見えない。
 アッシュとムサシは大王の脇をすり抜け女王へと迫る。

「ゲ、ゲコー!」

 女王は慌てて近くの子カエルに指示して二人を止めようとするが、近づいた二人を止めることは出来ず自らは逃げようとしたことで子カエルの量産も止まる。

「はぁ! 一刀両断!」

 神力で体をフルブーストして人間を遥かに超えたあらん限りのスピードで高く飛び上がり、女王の真上から振り下ろすように刀を振る。
 女王の体は真ん中から綺麗に二つにわかれて事切れる。

「ゴケェェエェ!」

 女王を倒されて怒った大王は我を忘れたように暴れ回るが、そんな状態の相手にマウリが苦戦するはずもなくあっけなく大王も倒されてしまった。 残された子カエルだけでは当然何も出来ず、ボス部屋には大量の子カエルの死体が転がっていた。

「ほれ、何をしているかお前達。 早よう剥ぎ取りをせんか。 折角の素材が消えてしまうじゃろうが」

 クル爺は相変わらず剥ぎ取りに熱心だ。

「ウム、やはり一度戦った相手ということもあってさほどの苦労はなかったな」

「前はあんなに苦労したのにねぇ」

「それだけ私達もそれぞれに成長したということだろう。 アッシュも随分逞しくなったしな」

「あぁ.....あの時の俺は、森に入るだけでもやっとだったし魔物を見てビクビクしてたからねぇ。 それに比べれば、確かに斬った張ったが出来るようになったんだから俺も成長してるってことか」

「ウム、だがまだまだ一人前には程遠いなアッシュ。 早く私の助けなどなくても私を守れるよう強くなってくれよ?」

「....努力します」

 その答えにマウリは満足そうに笑顔を見せる。
 果たしてそこまで行くのにどれぐらいの時間がかかることやら.....。
 
 そうこうしているうちにクル爺の剥ぎ取りも終わり先に進むことに。
 二層のボス部屋の先には下に通じる階段が。
 例によってネズミホムンクルスを使って先の階層を調べるが、

「むっ!」

 クル爺が突然に難しい声をあげる。

「どうしたのクル爺?」

「ほぉほぉ、先に行かせたワシのホムンクルスが下に下りた瞬間やられてしもうたわい」

「えっ、それって....」

「ほぉほぉ、どうやらあれを感知出来るだけの奴が下にはいるということじゃの。 それに、一瞬だけ見えたがどうやら次の階層はボス部屋のみのようじゃ。 階段を下りた瞬間から大部屋じゃったからおそらく間違いないじゃろう」

 クル爺の創ったネズミのホムンクルスは実に優秀だ。
 体は小さくて発見されにくく、例え敵に見つかってもその小ささを生かしていくらでも逃げることができるのだら。
 加えた言えば、見た目はただのネズミなのでこれが人に使役されたものだと気づける魔物なの普通はいないはずだ。
 それを、事も無げに気づいて始末するとは......。

「ウム、となると次の階層でここのダンジョンも終わりということか。 最終階層は、ダンジョンを守護するダンジョンキーパーしかいないはずだからな」

「ダンジョンキーパー?」

「ウム、このダンジョンの生みの親とでも言えばいいのか.....ダンジョンにおいて一番強い魔物、それがダンジョンキーパーだ。 当然、その力は他のボスよりも上であり、ダンジョンの規模にもよるが凡そダンジョンキーパーのつよさはSR以上のものがあると思っていい。 ちなみに、ダンジョンキーパーを倒すと以降はそのダンジョンで魔物が湧かなくなるし宝も出なくなる。 ここを修行場として使いたいならダンジョンキーパーを倒さず残しておくのもありだぞ。 ま、ダンジョンキーパーの素材は希少な物が多いし、ダンジョンの最奥には必ず宝が置いてあるらしいから大抵は挑む者がほとんどだがな」

 そうなんだ。 SRクラスっていったら、クル爺と同じってことか....。
 さてどうするべきか....。

「ほぉほぉ、当然行くじゃろ。 希少な魔物素材とあれば、わしの研究の役に立つことは間違いないのじゃからな」

 クル爺は当然行くことを押す。

「ゴブゴブ!」

 ムサシももっと強くなりたいということで強敵との戦闘を希望する。

「ワフッ!」

 ハッシュも同様だ。

「.....フム。 なら先に進んでダンジョンキーパーを倒そうか」

 みんな先に進みたいようだ。
 マウリだけはアッシュに任せると言ってくれるが、別段先に進むことを拒む理由はないのでアッシュも先に進むことを決める。
 ここまで、ダンジョン探索を始めてたったの2日でこれたのは一重にみんなの力が大きいのは分かっている。
 だが、この旅の日程を考えればまったく焦ることはないと思う。

「ただし、相手の正体が分からないのは怖いから出来るなら少しでも相手の情報が欲しい。 それと、ダンジョンキーパーを倒したら魔物もお宝もなくなるって言うならお宝も探しておきたいかな。 ここまで下を目指すので一直線でダンジョンの探索も碌に出来てないからね」

 これには余分な素材を確保しておきたいということでクル爺も賛成してくれた。
 ダンジョンキーパーの確認の方も、クル爺が新しくホムンクルスを創り直して調べて見てくれることになったけど、小さなネズミを感知出来るだけの力を持った相手にどれだけの情報を持ち帰れるかは怪しいところだそうだ。 
 ムサシ達も同様に、レベルアップに魔物との戦闘をしておきたいらしく異論はなかった。
 と言うことで、一層と二層のボス部屋以外の探索をしてからダンジョンキーパーに挑むことになった。
 幸い、ボスも時間でまた復活するらしいが、ボスの復活には時間がかかるらしのでしばらくは一層と二層を自由に行きき出来る。 まぁ、復活したら復活したでまた倒せばいいことだ。 特に、一層のボスとはまともに戦ってないから戦って見るのも悪くないかもしれない。

 アッシュ達はダンジョンキーパーの情報があるがまで素材の確保にお宝の捜索に励むことにした。
 


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