9 / 11
九話 圧倒的強者と対峙する男
しおりを挟む
さっそく階段を昇りつつ、周りを見渡す。だが、どこを見ても氷しかない。ただひたすら階段を昇るだけだから正直病みそうだ。
そんなことを考えながら昇っているとやっと階段を昇りきった。これだけで素早さが上がりそうだ。
「よっし、やっと昇りきった。……けど、何もないし、誰もいない……。」
階段を昇る間に視界に写っていた浮島に辿り着いたが、辺りはピカピカの凍った地面が広がっているだけだった。
とりあえず中心部分に向かおうと足を進めると、いきなり吹雪が竜巻かのように巻き起こる。
『汝、何をもって至らんとす。』
そんな声とともに吹雪が消え去ると、そこにいたのは狼だ。だが、その体長はゾウほどもある。毛並みは真っ白というよりは白銀に近い、この凍り付いた世界に似つかわしい色をしている。
「なんかいきなり吹雪いたと思ったらなんかいきなり強そうなやつが出てきたな。……てかこのゲームってこんな強そうなやつがこんな序盤に出てくるのか!?」
一応人並みにゲームをしてきているからある程度のことは想像がつくが、このゲームのことは一切知らない。だからこそ、このゲームの異常さに戦慄した。
「これって、よくアニメとかゲームに出てくるフェンリルってやつだよな?たしか神の眷属とかって言われてなかったっけ?」
そう思わず呟くと、それに答えるように目の前の魔物が答える。
『然り。我、神の眷属たるフェンリルなり。ここに迷いこむ数奇な者たちの選定者なり。』
「選定者?いったい何を選定するつもりなんだ?」
『力を持つにふさわしいかどうかだ。選定方法はただ一つ。我に一度でも傷をつければ汝を認めてやろう。』
「えっ、ちょっと!?俺まだ戦うとは言ってないんだけど!?!?」
フェンリルは説明が終わると俺の意思とは関係なく臨戦態勢に入った。こうなったらおそらく俺は逃げられないだろう。なぜわかるかって?理由は単純、俺が少しでも逃げようと考えるだけですごい形相で睨んでくるのだ。この状況で逃げられるやつがいるのなら是非コツを教えてもらいたい。
『ウォォオォォォン!!!』
フェンリルの一吠えとともに猛吹雪が起こり、フェンリルの周りには氷の剣山がまばらに形成された。
「………これ、まずどうやって近づけばいいんだよ……。」
そう愚痴をこぼしつつもウォーターカッターを発動する。しかし、本来水の斬撃が飛ぶはずがここの環境のせいで凍りついてしまい、思った以上に飛ばなかった。これは、他の魔法に関しても弊害があるかもしれない。そう思い、他の魔法も一通り試した結果、
「この場で使えそうなのはウォーターソードくらいか。」
ウォーターソードは重さに関係なく生み出してしまえば自在に操れることができ、凍ったおかげで頑丈さが増してむしろ使いやすくなっていた。他に関してはなるべく使わないほうがいいと思ったほどに弱体化してしまっていた。ウォーターアーマーの場合はたしかに凍ることで防御力がさらに上昇したが、そもそもこの試練の間は体力も魔力も減らないらしい。その証拠にどれだけ魔術を使っても、どれだけフェンリルの攻撃を食らっても魔力、体力ともに一切減ることがなかった。逆に言えば、クリアするまではこの空間から出られないということである。
「………あれ?このゲームってこんなにデスマーチを強要するゲームなの?」
トレントに関しては自分で勝手に強いただけだが、気づいたらそう呟いていた。
「黒雷無双」を毎日投稿という形にしようとしたのですが、二日に一度の更新へと変更させていただきます。
理由としては、私のもう一つの作品である、「氷帝と呼ばれた男」のほうが思っていたよりも読んでいただいており、更新が途切れていても読んでいただく方がいるので、「氷帝と呼ばれた男」の更新をもう少し頻繁にし、クオリティを追求するために「黒雷無双」の更新頻度を落としたいと思います。
そんなことを考えながら昇っているとやっと階段を昇りきった。これだけで素早さが上がりそうだ。
「よっし、やっと昇りきった。……けど、何もないし、誰もいない……。」
階段を昇る間に視界に写っていた浮島に辿り着いたが、辺りはピカピカの凍った地面が広がっているだけだった。
とりあえず中心部分に向かおうと足を進めると、いきなり吹雪が竜巻かのように巻き起こる。
『汝、何をもって至らんとす。』
そんな声とともに吹雪が消え去ると、そこにいたのは狼だ。だが、その体長はゾウほどもある。毛並みは真っ白というよりは白銀に近い、この凍り付いた世界に似つかわしい色をしている。
「なんかいきなり吹雪いたと思ったらなんかいきなり強そうなやつが出てきたな。……てかこのゲームってこんな強そうなやつがこんな序盤に出てくるのか!?」
一応人並みにゲームをしてきているからある程度のことは想像がつくが、このゲームのことは一切知らない。だからこそ、このゲームの異常さに戦慄した。
「これって、よくアニメとかゲームに出てくるフェンリルってやつだよな?たしか神の眷属とかって言われてなかったっけ?」
そう思わず呟くと、それに答えるように目の前の魔物が答える。
『然り。我、神の眷属たるフェンリルなり。ここに迷いこむ数奇な者たちの選定者なり。』
「選定者?いったい何を選定するつもりなんだ?」
『力を持つにふさわしいかどうかだ。選定方法はただ一つ。我に一度でも傷をつければ汝を認めてやろう。』
「えっ、ちょっと!?俺まだ戦うとは言ってないんだけど!?!?」
フェンリルは説明が終わると俺の意思とは関係なく臨戦態勢に入った。こうなったらおそらく俺は逃げられないだろう。なぜわかるかって?理由は単純、俺が少しでも逃げようと考えるだけですごい形相で睨んでくるのだ。この状況で逃げられるやつがいるのなら是非コツを教えてもらいたい。
『ウォォオォォォン!!!』
フェンリルの一吠えとともに猛吹雪が起こり、フェンリルの周りには氷の剣山がまばらに形成された。
「………これ、まずどうやって近づけばいいんだよ……。」
そう愚痴をこぼしつつもウォーターカッターを発動する。しかし、本来水の斬撃が飛ぶはずがここの環境のせいで凍りついてしまい、思った以上に飛ばなかった。これは、他の魔法に関しても弊害があるかもしれない。そう思い、他の魔法も一通り試した結果、
「この場で使えそうなのはウォーターソードくらいか。」
ウォーターソードは重さに関係なく生み出してしまえば自在に操れることができ、凍ったおかげで頑丈さが増してむしろ使いやすくなっていた。他に関してはなるべく使わないほうがいいと思ったほどに弱体化してしまっていた。ウォーターアーマーの場合はたしかに凍ることで防御力がさらに上昇したが、そもそもこの試練の間は体力も魔力も減らないらしい。その証拠にどれだけ魔術を使っても、どれだけフェンリルの攻撃を食らっても魔力、体力ともに一切減ることがなかった。逆に言えば、クリアするまではこの空間から出られないということである。
「………あれ?このゲームってこんなにデスマーチを強要するゲームなの?」
トレントに関しては自分で勝手に強いただけだが、気づいたらそう呟いていた。
「黒雷無双」を毎日投稿という形にしようとしたのですが、二日に一度の更新へと変更させていただきます。
理由としては、私のもう一つの作品である、「氷帝と呼ばれた男」のほうが思っていたよりも読んでいただいており、更新が途切れていても読んでいただく方がいるので、「氷帝と呼ばれた男」の更新をもう少し頻繁にし、クオリティを追求するために「黒雷無双」の更新頻度を落としたいと思います。
0
あなたにおすすめの小説
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが
初
ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。
勇者の様子がおかしい
しばたろう
ファンタジー
勇者は、少しおかしい。
そう思ったのは、王宮で出会ったその日からだった。
神に選ばれ、魔王討伐の旅に出た勇者マルク。
線の細い優男で、実力は確かだが、人と距離を取り、馴れ合いを嫌う奇妙な男。
だが、ある夜。
仲間のひとりは、決定的な違和感に気づいてしまう。
――勇者は、男ではなかった。
女であることを隠し、勇者として剣を振るうマルク。
そして、その秘密を知りながら「知らないふり」を選んだ仲間。
正体を隠す者と、真実を抱え込む者。
交わらぬはずの想いを抱えたまま、旅は続いていく。
これは、
「勇者であること」と
「自分であること」のあいだで揺れる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる