17 / 76
変えられた体
17
しおりを挟む「盛大にイッたな……こんな状況で泡立つくらい愛液垂れ流して、大したもんだ……どうだ? 感想は」
「そっ、そんなもの、無……ひ!」
答える最中に飛び出したままの女芯に軽く触れられて、激しい痛みに近い苛烈な感覚がビリリと走った。
「そこ、触るな……っ」
おかしい、さっきよりも更に敏感になっている。
霞む視界の中で、鏡の中の陰部は濡れて光り、だらしなく開いていた。
ヴァランカの中指と薬指が、再びぬるりと俺の中に入ってくる。
「んくぅ……っ」
全身が弛緩してしまっていた俺の身体に、僅かにまた強張りが戻った。
けれどそれは、さっきのような恐怖と緊張の現れというより、一度手放した興奮に引き戻されていく奇妙な感覚だった。
「ナカもトロトロだ……男の指で乱暴に掻き回されるのがそんなに好きか?」
「んうっ、好きじゃな……っ」
「鏡を見ろ、処女のくせに俺の指にヒクヒク絡み付いてるだろうが。――一見真面目でお堅い副総督殿が、こんな淫乱な名器の持ち主だと知れたら、どうなることやら……」
ヌププ、と音を立てて指が更に根元まで入ってくる。
くぱ、と左右に指を開かれて、白く泡立っている内部を見せ付けられた。
「あ……あっ」
「……気が変わった。あんたが赤銅の肌の赤ん坊を孕むまで、何度も犯すってのはどうだ」
指が抜かれて、開いた両方の太腿を掴まれた。
「!」
気付くと、ヴァランカが俺の下半身を軽々と空中に持ち上げていた。
鏡の中で、蜜を垂らした肉色の果実と、その真下にあてがわれた太く硬くそそり立つ肉色の凶器が近づく。
その行き先を察する時にはもう、俺の割れ目の間が無理矢理こじ開けられ始めていた。
「ひい……っ! 痛い……っ、無理だっ、太いっ、入らない……っ!」
叫んでも、ヴァランカはもう止まってはくれない。
大人の膝に乗せられる子供のような格好で、一番太い部分が花弁の中に無理やりもぐりこんできて――引きつるような凄まじい痛みと体内への圧迫感が生まれる。
「無理……っ、苦しっ、ああああっ! もっ、止まっ……! ア!」
血管の浮いている竿の部分もグブグブと埋め込まれ、ある程度奥の方まで来ると、何故か少しだけ痛みが楽になった。
「……ン……あ……」
でも、その代わり……ヴァランカの脈打つペニスが俺の腹の中を満たしているのを、いっそうに強く感じてしまう。
鏡の中では、男を飲み込んですっかり歪に形を変えた性器が映っている。
全てが入り切っていないことに気付いて恐怖を感じるとともに、激しい不安がよぎった。
本当に、このまま中に子種を出されたら……俺は、この男の子を宿してしまうんだろうか。
俺は男なのに、好きでもなんでもない、帝国人ですらなく、顔すらわからないこの男の子供を……?
(そ、そんなのは嫌だ……っ)
想像しただけでゾッとして、俺はヴァランカの胡座に組まれた膝の上で暴れ出した。
「ぬっ、抜け……っ、中に出すなんて、死んでも許さない……っ!」
足にあたり、鏡がベッドから床に落ち、バリンとヒビが入る。
「――流石は貴族のお姫様だ。中出しにも許可がいるってのか」
つながったまま、ヴァランカが俺の身体を押さえつけ、そのままうつ伏せにするようにベッドの上に押し倒した。
腹の下に手を入れられ、無理矢理腰を高く持ち上げられて、まるで動物の交尾のような体勢になる。
背中に乗る男の重みと肌の熱にうめくと、耳元で嘲笑うように囁かれた。
「もっと色っぽい声を出せよ。好きな男に犯されていると思って気分出せ……」
ズン、と奥を突かれて、ひっと息が止まった。
より密着して根元まで入れられたその瞬間、腹の奥に奇妙な感覚が走る。
「あっ、待っ……! うン……っ!」
「ははっ、さっき確かめた通り、あんたの中はまるで極上の娼婦だな。……しかも俺のチンポの為だけに作られたみたいに、ぴったり俺の形に吸い付いてくる……深くて、狭くて、よく締まる……っ」
違う、違う……!
お前のためなんかにこんなふうになったんじゃない。
俺がずっと愛していたのは……っ。
一瞬オルファンの顔を思い出した。
サンダルウッドの香り……。
坑道で抱き締められた時の温もり。
相手の顔を見ずに犯されているせいだろうか。
それとも、悔しさと恥辱で正気を失ってしまったのか……。
腹の奥をかき回され突かれ続けながら、何故か、オルファンに抱かれているような錯覚を覚え始めた。
後ろからされているので、俺の目に見えるのは、ヴァランカの体重を支えている赤銅色の逞しい片腕だけだ。
俺の背中にこぼれ落ちる長い髪の感触……もしもオルファンが髪を解いたなら、こんな風に俺の四肢に絡みつくのかもしれない……。
想像した途端、身体が痺れるような快楽が駆け巡る。
『少佐殿……』
「ンッ、ハアッ、あっ……!」
「……いい反応するじゃねえか。ナカがキツキツに締まって、早く出せって催促してるぜ……」
腹を支えていた方の腕が下がり、ギチギチに拡げられた俺の雌の部分を撫で回してくる。
露出した花芯に触れられて、ビクッと腰が無意識に上がった。
「ンッ、だめ、だ、はあっ」
小刻みに中を犯される振動が、途端に堪え難い刺激になって、勝手に腰が揺れてしまう。
「何、擦り付けてんだよ……このドスケベ。チンポが好きでたまらねぇのか?」
「ちっ、違う、っ……お、俺が好きなのはぁ……っ」
「そろそろ出すぞ」
背後で熱い息の混じった声が吐き出される。
「ひ……っ! いっ、嫌だ、嫌だそれだけはっ、やめ……ああ、あっ……」
俺の肉の内側をビクビクと揺らしながら、他人の拍動が腹の奥で強く繰り返された。
「あっ……ア……! ……っ」
逃げようとする腰を、しっかりとヴァランカが掴む。
「孕め……」
奥にねじ込まれながら耳に吹き込まれた言葉に、ゾクゾクと背筋に何かが走る。
全てが吐き出され、俺の抵抗が完全に止むのを見計らって、ペニスがゆっくりと抜かれた。
「は……ぅ……っ」
ショックのあまりに呆然としていると、誰かが外から部屋の扉を叩く音が聞こえた。
淡々としたノック音。
誰だろう。あの少年だろうか。
ボンヤリと考えた時、ヴァランカに顎を掴んで振り向かされ、一瞬、唇に軽く口付けられた。
初めて唇に触れた、他人の唇の感触と熱に驚き、声も出ない。
「――もう時間がねえな……続きは、また今度会った時にでもするか……」
13
あなたにおすすめの小説
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
僕と教授の秘密の遊び (終)
325号室の住人
BL
10年前、魔法学園の卒業式でやらかした元第二王子は、父親の魔法で二度と女遊びができない身体にされてしまった。
学生達が校内にいる時間帯には加齢魔法で老人姿の教授に、終業時間から翌朝の始業時間までは本来の容姿で居られるけれど陰茎は短く子種は出せない。
そんな教授の元に通うのは、教授がそんな魔法を掛けられる原因となった《過去のやらかし》である…
婚約破棄→王位継承権剥奪→新しい婚約発表と破局→王立学園(共学)に勤めて生徒の保護者である未亡人と致したのがバレて子種の出せない体にされる→美人局に引っかかって破産→加齢魔法で生徒を相手にしている時間帯のみ老人になり、貴族向けの魔法学院(全寮制男子校)に教授として勤める←今ここ を、全て見てきたと豪語する男爵子息。
卒業後も彼は自分が仕える伯爵家子息に付き添っては教授の元を訪れていた。
そんな彼と教授とのとある午後の話。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
藤吉めぐみ
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる