きぐるみ♡女神伝

きぐるみんZ

文字の大きさ
20 / 50
第1章.母 Ⅱ

020縫.バレちゃった……♡

しおりを挟む
 ガーゴイルには打撃技でも、投げ技や極め技でも通用しません。
つまり、物理攻撃が無効なんです。
本当は怖くて、逃げ出しちゃいたい!
でも、ワタシがここで踏ん張らないとお母さんとニックが……!

 えぇいっ、ここでフリーズしている場合じゃありません!
 
 物理攻撃が無効なモンスターとどうにか闘おうと、自分の脳内から『胸キュン♡流格闘術』の引き出しを開けて、あらゆる可能性を探り……

「あっ、コレだ……!」

 たったひとつだけ、まだ試していない『系統技』がある事に気付いたんです!
ガーゴイルにビッと指差します。

「ガーゴイル、この技で勝負です!
この技が通用すればワタシの勝ち、通用しなかったらワタシ達を好きにしなさい!」


ギギッ……!ギギッ……!


 朱璃自身、自ら追い込んで奮い立たせるハズのひと言だったんですけど……
ガーゴイルはその言葉の意味が分かったのか分からないのか、空に向かって咆哮を繰り返します!
そしてその後、ギン!とこちらを睨みます。


 ふぇ~、どーやら意味が分かっているみたーい……


 泣き言ばかり言ってはいられません!
猛るガーゴイルが、かざした手をもう一度横に振ると……
グニャリとした空間に阻まれた追加攻撃の石が、まるで跳弾の様に一斉に朱璃の方へと投げ返って来ます!

「うわっとっと……!」

 元は自分がブン投げた石が、同じスピードで戻って来るんです。
朱璃は、何とか全ての石を避け切りました。


 すると、投げ返った石のかけらがコロッコロッと跳ねて来て……ナルト目になっていた京子とニックの頭にコツン。

『う……う~ん……』×2

 あっ、どうやら2人とも目を醒ましたみたいです。
しかも2人の目の前で朱璃とガーゴイルが互角に闘い合うという、とんでもない光景が繰り広げられるオマケ付きで!
2人とも、今度は目が点になったままぽかーんと口が開いたまま閉じる事を忘れてしまっています!


 「怖い思い」を勇気に変えて、朱璃はガーゴイルへと駆け出します!
すると、今まで朱璃がいた場所に雷が落ちます!
ガーゴイルの雷属性魔法を避けつつ、朱璃はガーゴイルの左側面に回り込みます。
ガーゴイルが雷属性魔法を右前脚で放っていたのを見て、左に回り込めば攻撃は届かないと考えたんです。

 常にガーゴイルとは少し距離を取る位置取りを意識し、ミドルレンジから飛び込み攻撃をして来るタイミングを見計らいます。
ガーゴイルの飛び込み攻撃が来たら、朱璃はスライディングで股抜きして背後に回り込みます!
背後に回り込むと、くっ付かれるのを嫌がるガーゴイルは条件反射で尻尾で朱璃を跳ね上げて距離を空けようとします。
朱璃は、跳ね上げた尻尾の根元を踏み台にしてガーゴイルの首に肩車になりました。
その状態のまま、朱璃はガーゴイルのたてがみを優しく擦って言いました。

「まさか、ガーゴイルを相手に肩車が出来るなんて思いもしませんでしたよ。
でも、ダンスはもう終わりです。
静かに、眠って下さい…… “ 頭ポンポン♡ ” !」

 今までの格闘を “ ダンス ” と表現した朱璃は、自分の右手のひらをガーゴイルの頭に当てました。
そう、「胸キュン♡流格闘術」唯一の物理攻撃無効に対応出来る『発勁技』、頭ポンポン♡です。
体中の全神力をかき集めたので、一発きりが限界です!
その手のひらを通して、無数のシャンパンゴールドの “ 帯 ” がガーゴイルの体内を蹂躙して行き……

パリ……ン……

と粉々に粉砕してしまったんです!

「朱璃、スゴい……
こんな事、いつの間に……」

「お姉ちゃん、スゴーイスゴーイ♪」

 京子はただ呆気に取られ、ニックは花吹雪を撒き扇で舞って自分の事の様に大喜びしています。

 朱璃は、バラバラになったガーゴイルの残骸を背にして辺りをキョロキョロ見回します。

「さて……ガーゴイルがいなくなった所で、と……
“ 次元の歪み ” は一体、どこにあるんでしょう?」

「あ、お姉ちゃーん、あそこー!」

 ニックが見つめる先、巨大な岩の表面に黒い瘴気が滲み出るヒビが……

 一方、ガーゴイルの残骸から数10m離れている京子も、足を引き摺って引きながらゆっくりと朱璃とニックが向かう巨大な岩へと歩いていました。

「あ……朱璃っ!」

 その時、京子は信じられないモノを見てしまったんです!
先ほど粉々に粉砕したハズのガーゴイルの欠片が、独りでにズズズ……と一点に集まって来ているではありませんか!

「朱璃、今すぐそこから離れるのよっ!」

「お姉ちゃん、危なーい!」

 朱璃も後ろを振り向き急いでその場から離れて、巨大な岩へと駆け出しました。
その時には、ガーゴイルの欠片も全て一点に集まり元のガーゴイル姿に戻りました。
そして、元の姿に戻ったガーゴイルは空高く舞い上がり、一本松の枝に停まりました。

ギギ……ギギッ!


















 京子は、己の持てる知識を総動員してガーゴイルの攻略法を模索します。
その時の京子は、決まって親指の爪を噛むクセがあるんです。

 それにしても、何であの一撃でガーゴイルを完全粉砕したにも関わらず、また復活出来たのよ?
こんな何度も復活するヤツを相手に、どうやって闘えばイイっていうのよ?




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

さようならの定型文~身勝手なあなたへ

宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」 ――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。 額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。 涙すら出なかった。 なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。 ……よりによって、元・男の人生を。 夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。 「さようなら」 だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。 慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。 別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。 だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい? 「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」 はい、あります。盛りだくさんで。 元・男、今・女。 “白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。 -----『白い結婚の行方』シリーズ ----- 『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...