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第2章.妖精王
039縫.フィリルの願いです
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フィリルが自己紹介を済ませた後、先程から気になっていたんでしょう……
突然、くるっとアカリの背中に回り込んだんです!
そこで、ニックと初めて目が合います。
その途端……
『あ~~~っ!!!』×2
「久しぶりね、おニクちゃん!
“ スナッサ峠 ” の神経沼で、キョウコ様とおニクちゃんに助けて貰って以来ですね。」
「『おニクちゃん』はやめてー!
フェンリルウルフの血が入ってるだけに、ジョーダンに聞こえなーい!」
イヤーっ!イヤーっ!
ニックは、フィリルの周りでバタバタと羽根を全力で振り乱して右往左往。
アカリは、そんなフィリルとニックとのやり取りを唖然として見ています。
「ニックさん、フィリルさんと知り合いだったんですか……?
道理で、さっきからずっとワタシの背中に隠れていたんですね……!」
フィリルは、そんなニックにニコッと微笑みました。
「大丈夫ですよ、おニクちゃん!
私、フェンリルウルフの血もうすーくしか受け継いでいませんから、『捕って喰ったり』なんて出来ませんよ!」
そして、フィリルは長老さんに深く敬礼する事で感謝の意を示してこう言いました。
「キュルムの町の長老ジョセフ様、こうして無事にターゲットの確保について協力頂き、誠に有難うございました。
この者達に関しては……
キュルムの町に被害が出る前から、他の町村から同様の処罰依頼が来ておりました。
昔の栄華が忘れられないんでしょう……それ故の現当主の暴挙、憐れなものです。
いくつもの領域を跨ぐ為、5大陸を股に駆ける私達『ミントセキュリティサービス』が代理で処罰を与えたいのですが……
もちろん、被害に会われた町村が全て等しく満足頂ける結果になる様に最大限の努力を致します。
宜しいでしょうか?」
長老さんは一礼をしてどうぞ、どうぞ、とリボンを付けるかの如く、フィリルに丁重にお願いしました。
長老さんとの話し合いも終わり、『グランプス』の一味は隊長のシルクさんを始めミントセキュリティサービスの男達に連行されて行きました。
「ありがとう、恩に着ます。
貴方が話の分かる方で大変助かります。」
代表者同士の対談って、要はどこで話に折り合いをつけるかっていう『相手の腹の探り合い』だから……
いつも以上に神経がすり減って、大変なんでしょうね。
コレを毎日続けている様なモノですから、長老さんもフィリルさんも、ホントご苦労さまです。
「さてと、堅苦しい事務的な会話はここまでにしましょうか……」
フィリルが深くお辞儀をしながらその言葉を発して、ストレートを後ろでポニーテールに縛ってもう1つのモードである『にゃんモード』に変わりました。
そして、ふうっとひと息ついたその途端……
ニッコリ笑った彼女の目が一本筋になり、ふにゃんと緩んだ口元はちっちゃい犬歯がキュートな “ にゃんスマイル ” になったんです!
……!!!
その “ にゃんスマイル ” を見た瞬間……
「あ~~~っ!」
アカリは思わず、大声を張り上げてしまったんです!
「えっと、アカリさんには取り合えず『初めまして!』って言えばイイかなぁ~?
それとも、『久し振りだね!』っていうべきなのかなぁ~?」
そうなんです、実はフィリルの『にゃんモード』こそ……
先程の “ 深い闇 ” の底で、アカリのココロを救ってくれた「ネコ耳少女」だったんです!
「へぇ~、貴女が私の敬愛する英雄キョウコ様の娘さんだねぇ~。
確かに面影ある……っていうか、瓜二つじゃ~ん!」
さっきまでのフィリルとのあまりの変わり様に、アカリは思わず胸がドキッとしてパチクリ目を丸くしてしまいました。
か……可愛いです……
さっき見た凛とした立ち姿と比べると、あまりにギャップ有り過ぎで……
さすがのワタシも、萌えちゃいますよ!
ニックは、フェンリルウルフの外見を知っているだけにフィリルの “ にゃんスマイル ” を見て思わずククッと笑ってしまいます。
いくら人間らしい優しい顔つきでもー、こういう所でフェンリルウルフの “ 素 ” が出ちゃうんですねー。
恐らく本人は気付いてないんでしょうけどー。
「んっ、このニオイ!忘れもしないわぁ~!
……コレって、キョウコ様がお召しになった伝説のきぐるみじゃないのぉ~!」
フィリルは、もふもふ尻尾をフリフリしています。
そんなフィリルの様子を見てアカリはうわぁ、と感心してしまいました。
フィリルさん、ニオイで分かっちゃうんですね!
って言うか、1度ふにゃんってなるとココまで変わっちゃうんですか、このヒト……
「ねぇ、ひとつ私のお願いを聞いて欲しいんだけどぉ~。
私を……アカリさんの仲間に入れて貰えないかしらぁ~?」
うん、フィリルならまさに『渡りに舟』!
でも……
ミントセキュリティサービスの “ チーフマネージャー ” の肩書きは、どうするんですか?
「でも、今は待っててぇ~!
ミントセキュリティサービスに掛け合って、アカリさんに全面的に協力させるからぁ~!
モチロン、その時のパイプ役は私ねっ!」
確かに、フィリルと一緒なら……
これから先、ミントセキュリティサービスに護られながら冒険が格段に進めやすくなりますね……
でも……
突然、くるっとアカリの背中に回り込んだんです!
そこで、ニックと初めて目が合います。
その途端……
『あ~~~っ!!!』×2
「久しぶりね、おニクちゃん!
“ スナッサ峠 ” の神経沼で、キョウコ様とおニクちゃんに助けて貰って以来ですね。」
「『おニクちゃん』はやめてー!
フェンリルウルフの血が入ってるだけに、ジョーダンに聞こえなーい!」
イヤーっ!イヤーっ!
ニックは、フィリルの周りでバタバタと羽根を全力で振り乱して右往左往。
アカリは、そんなフィリルとニックとのやり取りを唖然として見ています。
「ニックさん、フィリルさんと知り合いだったんですか……?
道理で、さっきからずっとワタシの背中に隠れていたんですね……!」
フィリルは、そんなニックにニコッと微笑みました。
「大丈夫ですよ、おニクちゃん!
私、フェンリルウルフの血もうすーくしか受け継いでいませんから、『捕って喰ったり』なんて出来ませんよ!」
そして、フィリルは長老さんに深く敬礼する事で感謝の意を示してこう言いました。
「キュルムの町の長老ジョセフ様、こうして無事にターゲットの確保について協力頂き、誠に有難うございました。
この者達に関しては……
キュルムの町に被害が出る前から、他の町村から同様の処罰依頼が来ておりました。
昔の栄華が忘れられないんでしょう……それ故の現当主の暴挙、憐れなものです。
いくつもの領域を跨ぐ為、5大陸を股に駆ける私達『ミントセキュリティサービス』が代理で処罰を与えたいのですが……
もちろん、被害に会われた町村が全て等しく満足頂ける結果になる様に最大限の努力を致します。
宜しいでしょうか?」
長老さんは一礼をしてどうぞ、どうぞ、とリボンを付けるかの如く、フィリルに丁重にお願いしました。
長老さんとの話し合いも終わり、『グランプス』の一味は隊長のシルクさんを始めミントセキュリティサービスの男達に連行されて行きました。
「ありがとう、恩に着ます。
貴方が話の分かる方で大変助かります。」
代表者同士の対談って、要はどこで話に折り合いをつけるかっていう『相手の腹の探り合い』だから……
いつも以上に神経がすり減って、大変なんでしょうね。
コレを毎日続けている様なモノですから、長老さんもフィリルさんも、ホントご苦労さまです。
「さてと、堅苦しい事務的な会話はここまでにしましょうか……」
フィリルが深くお辞儀をしながらその言葉を発して、ストレートを後ろでポニーテールに縛ってもう1つのモードである『にゃんモード』に変わりました。
そして、ふうっとひと息ついたその途端……
ニッコリ笑った彼女の目が一本筋になり、ふにゃんと緩んだ口元はちっちゃい犬歯がキュートな “ にゃんスマイル ” になったんです!
……!!!
その “ にゃんスマイル ” を見た瞬間……
「あ~~~っ!」
アカリは思わず、大声を張り上げてしまったんです!
「えっと、アカリさんには取り合えず『初めまして!』って言えばイイかなぁ~?
それとも、『久し振りだね!』っていうべきなのかなぁ~?」
そうなんです、実はフィリルの『にゃんモード』こそ……
先程の “ 深い闇 ” の底で、アカリのココロを救ってくれた「ネコ耳少女」だったんです!
「へぇ~、貴女が私の敬愛する英雄キョウコ様の娘さんだねぇ~。
確かに面影ある……っていうか、瓜二つじゃ~ん!」
さっきまでのフィリルとのあまりの変わり様に、アカリは思わず胸がドキッとしてパチクリ目を丸くしてしまいました。
か……可愛いです……
さっき見た凛とした立ち姿と比べると、あまりにギャップ有り過ぎで……
さすがのワタシも、萌えちゃいますよ!
ニックは、フェンリルウルフの外見を知っているだけにフィリルの “ にゃんスマイル ” を見て思わずククッと笑ってしまいます。
いくら人間らしい優しい顔つきでもー、こういう所でフェンリルウルフの “ 素 ” が出ちゃうんですねー。
恐らく本人は気付いてないんでしょうけどー。
「んっ、このニオイ!忘れもしないわぁ~!
……コレって、キョウコ様がお召しになった伝説のきぐるみじゃないのぉ~!」
フィリルは、もふもふ尻尾をフリフリしています。
そんなフィリルの様子を見てアカリはうわぁ、と感心してしまいました。
フィリルさん、ニオイで分かっちゃうんですね!
って言うか、1度ふにゃんってなるとココまで変わっちゃうんですか、このヒト……
「ねぇ、ひとつ私のお願いを聞いて欲しいんだけどぉ~。
私を……アカリさんの仲間に入れて貰えないかしらぁ~?」
うん、フィリルならまさに『渡りに舟』!
でも……
ミントセキュリティサービスの “ チーフマネージャー ” の肩書きは、どうするんですか?
「でも、今は待っててぇ~!
ミントセキュリティサービスに掛け合って、アカリさんに全面的に協力させるからぁ~!
モチロン、その時のパイプ役は私ねっ!」
確かに、フィリルと一緒なら……
これから先、ミントセキュリティサービスに護られながら冒険が格段に進めやすくなりますね……
でも……
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