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第2章.妖精王
050縫.姿を見せた妖精女王
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アカリは入り口に繋がる踊り場に手を掛けて、うんしょうんしょと両手だけで一生懸命登りました。
プラン……プラン……
そして、踊り場で入り口と向かい合わせでペタンと女の子座りをして、アカリはシクシクと泣く仕草を見せます。
「シクシク……
ごめんなさい、ニックさん。
アナタを犠牲にして、ワタシだけが生き残ってしまいました……」
すると……
アカリの背中越し……踊り場の下の方から何かがゆっくりと競り上がって来ます。
ばっさ……ばっさ……
ばっさ……ばっさ……
「ヨヨヨ……
ニックさんがいなくなっちゃったらワタシ、明日からどんな顔をして生きていけばイイんですか……?」
ばっさ……ばっさ……
ばっさ……ばっさ……
「ニックさん、もし生きているんなら教えて下さい……チラッ。
ワタシも “ おニクちゃん ” って呼んで……イイですか?」
「それはダメー!!!」
ニックの怒りの嘴サクッ!が、久し振りにアカリのおでこに炸裂したんです。
もう、その反応の早いコト早いコト!
「ニックさぁん!
生きていてくれたんですねっ!」
アカリの言葉に、感情が伴ってないなーって思ったニックは……
「それにしてもお姉ちゃんったら、演技ヘタ過ぎー!
やっぱりお姉ちゃんさ、何となく分かってたんじゃないのー?」
ニックは、返答を待たずとも分かってしまいました。
何故なら、アカリがテヘッて顔をしてペロッとカワイイ舌を出していたからです。
「イエイエ……ニックサン、アナタ空飛ベルカラ心配ナイデショー?」
アカリは、おどけた口調でニックにカクカク聞いてみました。
「いやー、飛べるから問題無いって思ったんだけどねー。
まさか、れっぷーりゅーが落ち際に『ダウンバースト』を叩き付けるなんて夢にも思わなくてねー。
ダウンバーストの巻き添えを喰らって、浮上出来なくて焦ったよー!」
あれ……ワタシ、ニックの頭を踏んで2段飛びした時にダウンバーストどころかそよ風程度の風しか感じなかったんですけど……
それもそのハズ、烈風龍が口から “ 衝撃波 ” をブッ放した後にダウンバースト……
その名の通り、尻尾でバースト波を叩きつけたのが下向きだったので烈風龍の頭部にいたアカリは何も感じなかったんです。
そしてニックはその烈風龍の尻尾の一撃の煽りをモロに食らって、烈風龍と共に落ちてしまったんです。
ふと何かの気配に気が付いたアカリは、踊り場から少し身を乗り出して眼下を覗いてみました。
すると、そこには……
アカリの “ ダブル頭♡ポンポン ” を喰らって、フラフラ状態のまま奈落の底に墜ちたハズの烈風龍が下の方でとぐろを巻く様に丸くフヨフヨと漂っています。
しかし、意識は今だに朦朧としているみたいです。
そして、踊り場の下から何かの擦れ合う様な回転音が聞こえて来ます。
シュルンシュルンシュルン……
シュルンシュルンシュルン……
何と3つの “ ハンドスピナー ” が烈風龍を三角に囲んで、これ以上落ちない様に下から支えているんです!
そして、巻いたとぐろの中心に佇んで、烈風竜に頬擦りしている様に見えるネコ耳姿の少女の姿が……
まるで、ネコ耳少女と3つのハンドスピナーで「ピラミッドパワー」を作り出して烈風龍を癒しているみたいです。
「さすが、あの者は強い……!
ここまで打ち負かされたのは、そなた以外では2人目だな。
しかも、あの者の目は無垢で澄んでおる。
我は、信じるに値すると思う。」
よくよく見てみると、ネコ耳少女は烈風龍の言葉にコクンと頷き……
こちらの方を向いて、にこやかに笑ってフリフリ手を振っています。
あ……、烈風龍はもう大丈夫そうです。
ネコ耳少女だけが、こちらへ近付いて来たみたいです。
「あっ、ニックちゃーん!
久し振りに会えたね、『天界』以来じゃない?」
そして、ネコ耳少女がフヨフヨとアカリの前に来て……
アカリへとスッと片手を伸ばして、まるで天女の様に手を差し出しながら言いました。
「あなたがアカリちゃんね!
しかし、またハデにやってくれたわね。
アタシの配下の巨龍がボコられてるトコ、初めて見たよ!
アタシは『妖精女王』のレイラ、“ 7世界の王 ” のひとりよ。
アカリちゃん、ヨロシクねっ!」
アカリは喜んで、レイラの伸ばしてくれた手を取ります。
フワァァァ……
すると、レイラは体躯の回りに陽だまりの様な暖かい風を纏いながら……
手を繋げたままのアカリとニックの目の前に、ストンと軽やかに舞い降りました。
初めて見ました、会う事が非常に難しいって前にニックが言っていたネコ耳少女、もとい “ 7世界の王 ” っ!
やっぱりワタシ、何か「持ってる」のかも♡
しかも、『王』なのに実は女の子っ!
だから、妖精『女王』なんですね!
「何だか、急に親近感が……
宜しくお願いします、レイラ様!」
「そんな堅くならなくてもイイからさぁ!
ね?ね?」
しかも、とってもフレンドリー!
長くお付き合い出来そうな方です……
しかもこの女王様、どうやらアカリのお母さんとも深いつながりがあるみたいで……
それはまた、別のお話。
プラン……プラン……
そして、踊り場で入り口と向かい合わせでペタンと女の子座りをして、アカリはシクシクと泣く仕草を見せます。
「シクシク……
ごめんなさい、ニックさん。
アナタを犠牲にして、ワタシだけが生き残ってしまいました……」
すると……
アカリの背中越し……踊り場の下の方から何かがゆっくりと競り上がって来ます。
ばっさ……ばっさ……
ばっさ……ばっさ……
「ヨヨヨ……
ニックさんがいなくなっちゃったらワタシ、明日からどんな顔をして生きていけばイイんですか……?」
ばっさ……ばっさ……
ばっさ……ばっさ……
「ニックさん、もし生きているんなら教えて下さい……チラッ。
ワタシも “ おニクちゃん ” って呼んで……イイですか?」
「それはダメー!!!」
ニックの怒りの嘴サクッ!が、久し振りにアカリのおでこに炸裂したんです。
もう、その反応の早いコト早いコト!
「ニックさぁん!
生きていてくれたんですねっ!」
アカリの言葉に、感情が伴ってないなーって思ったニックは……
「それにしてもお姉ちゃんったら、演技ヘタ過ぎー!
やっぱりお姉ちゃんさ、何となく分かってたんじゃないのー?」
ニックは、返答を待たずとも分かってしまいました。
何故なら、アカリがテヘッて顔をしてペロッとカワイイ舌を出していたからです。
「イエイエ……ニックサン、アナタ空飛ベルカラ心配ナイデショー?」
アカリは、おどけた口調でニックにカクカク聞いてみました。
「いやー、飛べるから問題無いって思ったんだけどねー。
まさか、れっぷーりゅーが落ち際に『ダウンバースト』を叩き付けるなんて夢にも思わなくてねー。
ダウンバーストの巻き添えを喰らって、浮上出来なくて焦ったよー!」
あれ……ワタシ、ニックの頭を踏んで2段飛びした時にダウンバーストどころかそよ風程度の風しか感じなかったんですけど……
それもそのハズ、烈風龍が口から “ 衝撃波 ” をブッ放した後にダウンバースト……
その名の通り、尻尾でバースト波を叩きつけたのが下向きだったので烈風龍の頭部にいたアカリは何も感じなかったんです。
そしてニックはその烈風龍の尻尾の一撃の煽りをモロに食らって、烈風龍と共に落ちてしまったんです。
ふと何かの気配に気が付いたアカリは、踊り場から少し身を乗り出して眼下を覗いてみました。
すると、そこには……
アカリの “ ダブル頭♡ポンポン ” を喰らって、フラフラ状態のまま奈落の底に墜ちたハズの烈風龍が下の方でとぐろを巻く様に丸くフヨフヨと漂っています。
しかし、意識は今だに朦朧としているみたいです。
そして、踊り場の下から何かの擦れ合う様な回転音が聞こえて来ます。
シュルンシュルンシュルン……
シュルンシュルンシュルン……
何と3つの “ ハンドスピナー ” が烈風龍を三角に囲んで、これ以上落ちない様に下から支えているんです!
そして、巻いたとぐろの中心に佇んで、烈風竜に頬擦りしている様に見えるネコ耳姿の少女の姿が……
まるで、ネコ耳少女と3つのハンドスピナーで「ピラミッドパワー」を作り出して烈風龍を癒しているみたいです。
「さすが、あの者は強い……!
ここまで打ち負かされたのは、そなた以外では2人目だな。
しかも、あの者の目は無垢で澄んでおる。
我は、信じるに値すると思う。」
よくよく見てみると、ネコ耳少女は烈風龍の言葉にコクンと頷き……
こちらの方を向いて、にこやかに笑ってフリフリ手を振っています。
あ……、烈風龍はもう大丈夫そうです。
ネコ耳少女だけが、こちらへ近付いて来たみたいです。
「あっ、ニックちゃーん!
久し振りに会えたね、『天界』以来じゃない?」
そして、ネコ耳少女がフヨフヨとアカリの前に来て……
アカリへとスッと片手を伸ばして、まるで天女の様に手を差し出しながら言いました。
「あなたがアカリちゃんね!
しかし、またハデにやってくれたわね。
アタシの配下の巨龍がボコられてるトコ、初めて見たよ!
アタシは『妖精女王』のレイラ、“ 7世界の王 ” のひとりよ。
アカリちゃん、ヨロシクねっ!」
アカリは喜んで、レイラの伸ばしてくれた手を取ります。
フワァァァ……
すると、レイラは体躯の回りに陽だまりの様な暖かい風を纏いながら……
手を繋げたままのアカリとニックの目の前に、ストンと軽やかに舞い降りました。
初めて見ました、会う事が非常に難しいって前にニックが言っていたネコ耳少女、もとい “ 7世界の王 ” っ!
やっぱりワタシ、何か「持ってる」のかも♡
しかも、『王』なのに実は女の子っ!
だから、妖精『女王』なんですね!
「何だか、急に親近感が……
宜しくお願いします、レイラ様!」
「そんな堅くならなくてもイイからさぁ!
ね?ね?」
しかも、とってもフレンドリー!
長くお付き合い出来そうな方です……
しかもこの女王様、どうやらアカリのお母さんとも深いつながりがあるみたいで……
それはまた、別のお話。
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