求:回復術師 〜絶対見捨てない為に、僕が今できる事〜

猫鈴うみゃ

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第三章

[ 100 ] 目指せ砂漠都市デザント?

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 北門を出るとギルドの用意した馬車が待っていた。荷台にはたくさんの荷物があることから、荷物の輸送も兼ねているらしい。

 彼へのお土産と言われた荷物は、ジオグランツで軽くして馬車の上に乗せて紐で縛っている。

 大きさ的には畳一枚分ほどの大きさで、厚みが50cmほど、中身は開けたらダメって言われてるけど何が入っているのやら。

「ルヴィドさん、砂漠都市デザントまではどのくらいの距離なんですか?」
「すみません。私も行った事ないんですよ」
「デザントまでは三日ほどで到着します。道中はモンスターも出ないし、安全な旅になると思いますよ」

 行者の男性が丁寧に教えてくれた。

「……ふ。モンスターなど俺様が蹴散らしてくれる」
「で、なんでブリュレさんも乗ってるんですか……」

 誰も突っ込まないから連れて来てしまったが、馬車には僕たちよりも先にブリュレさんが乗っていた。

「……この馬車の護衛だ。市長から頼まれたのさ」
「それなら僕たちで十分だと思いますけど……」
「あれ、私は護衛一名のみがデザントまで同行。他の乗客は途中下車と聞いておりますが……」
「え?」
「ロイエ君、市長から貰った手紙を確認した方が良さそうですね」

 慌てて、ポーチから彼の居場所を書いたという紙を取り出すと、中には手書きの地図が記されていた。

「この大きな木がフォレストで、北の先に……これがデザントか。デザントまでの途中にある……これフィクスブルートかな? それの脇道から西へ向かい谷を超えた先の山の上って読み取れますね。へたくそだけど……」
「そうですね。私もそのように解釈しました」

 彼とやらは、てっきり砂漠都市デザントにいるものだとばかり思っていたが、これは難儀な旅になりそうだ……。

「行者さん、デザントに向かう途中のフィクスブルートまではどれくらいですか? そこで降りなきゃいけないみたいで」
「あー、それなら明日の昼前頃ですね」
「他に道中にフィクスブルートは無いと思って良いですか?」
「私の知る限りでは、ないですね」

 一応、地図と行者の話は合っているみたいだ。途中から徒歩か……。この荷物を持って山登り?。

――馬車は順調に進み。夜道は馬が進めないための野宿をする事になった。馬車の中で行者を含めた五人は寝れないため、外にテントを張りテントに三人、馬車に二人と別れる事にした。

 行者の男性は馬車は自分の命なので離れたく無い。ブリュレは「……ふ、護衛任務を受けたのは俺様だ」と馬車を希望したため、ルヴィドとミルト、僕の三人がテントで寝る事になった。

 テントは行者が張ってくれて、簡単に夕飯を済ますと朝早く出るとの事で早々に寝る事になった。

「ミルト、寝るの早いですね……」
「いつも早いんですよ。恐らく脳の疲労が通常の人より多いのかもしれません」

 テントの中で横になりながら、少しルヴィドと話をした。

「ルヴィドさんは……どうして僕によくしてくれるんですか?」
「ロイエ君が封印教団のメンバーだからですよ」

 そういえば、そんなもんに加入してさせられた気がする……。

「というのは冗談です。少し昔話をしましょうか」
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