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第三章
[ 107 ] ゾルダート
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「あ! ゾルダート様! 御助力願います!」
ゾルダートと呼ばる王国騎士団の騎士、その瞳はルーエと同じ。僕らを敵として認識している。
非常にまずい……。ルヴィドさんは魔力切れ、ミルトも無茶は出来ない。ファレンは見た感じ魔法が強く無い本当に下っ端な感じだ戦力には数えられない……。
くそ! カルミールベアの時と同じじゃ無いか! なぜもっとよく考えなかった……! モンスター発生中に飛び込んだら、それを片付ける星食いがいるのは分かりきっていたじゃないか!
「まぁいいや。ファレン……残念だが、お前にはここで死んでもらう。そういう計画だったんでな」
「ゾルダート様?!」
「あばよ。リーゼファウストアルム・オルト・ヴェルト!」
やはり風に相性の良い土属性の星食い! トロイさんが使ってた岩の腕を呼び出す練度★5の魔法だ!
呪文を唱えたゾルダートの前の地面が盛り上がると、巨大な十本の岩の手が現れて、僕らへ襲いかかった。
ダメだ……。やはり練度★6まで習得してる使い手は、戦闘力の次元が違う! 範囲回復で耐えてゾルダートの魔力切れを狙うしか無い!
「グローリ……「ジオグランツ・ツヴァイ・ジオフォルテ・オルト・ヴェルト」
範囲回復を唱えようとした瞬間、どこからともなく重力魔法の呪文詠唱が聞こえて、僕はとっさに重力魔法を唱えた。
「ジオグランツ・ツヴァイ・ジオフォルテ!!」
ズンッ!!!!
次の瞬間、星が潰れるのでは無いかと思うほどの重圧が村全体を襲った。家は瞬く間に押し潰れ、ゾルダートの呼び出した十本の巨大な岩の腕も粉々に、ゾルダートやグリフォンは地面にめり込んでいる。
ジオフォルテの範囲は狭い。強引にファレンとルヴィド、ミルトを引き寄せると限界まで軽くした。
「ぐっ……! ぬぅうううう!」
なんて重さだ! 四倍軽くしてるのに、まったく意味をなしていないほどの重圧!
「うぁ、重いぃい」
「これは、まさか……」
もうダメだ……。と諦めかけたその時、ふっ……と重圧が収まって、僕はすぐに魔法を解除した。
「はぁ! はぁ! な、なんだったんだ今の」
「体が押し潰されて、このまま死ぬかと思いました……」
「ペシャンコこわいー!」
なんとか僕ら三人は耐え切ったが、ファレンは気を失って倒れている。地面にめり込んでいたグリフォンはほぼ全てが魔石となり、ゾルダートの埋まった穴は血溜まりとなっていた。
「ほぉ? あれで生きてるやつがいるとはな。やるじゃねぇか。褒めてやるよ」
ゾルダートの現れたさらに後方から、黒髪に赤いバンダナ。筋肉質でガッチリした一人の男が現れた。
「あれ?! 星食いの奴らじゃない?! すまねぇ! てっきり、星食いのアホ共かと思ってよー。おーい? 生きてるか?」
それが、市長の言っていた重力魔法使いレーラとの初めての出会いだった。
ゾルダートと呼ばる王国騎士団の騎士、その瞳はルーエと同じ。僕らを敵として認識している。
非常にまずい……。ルヴィドさんは魔力切れ、ミルトも無茶は出来ない。ファレンは見た感じ魔法が強く無い本当に下っ端な感じだ戦力には数えられない……。
くそ! カルミールベアの時と同じじゃ無いか! なぜもっとよく考えなかった……! モンスター発生中に飛び込んだら、それを片付ける星食いがいるのは分かりきっていたじゃないか!
「まぁいいや。ファレン……残念だが、お前にはここで死んでもらう。そういう計画だったんでな」
「ゾルダート様?!」
「あばよ。リーゼファウストアルム・オルト・ヴェルト!」
やはり風に相性の良い土属性の星食い! トロイさんが使ってた岩の腕を呼び出す練度★5の魔法だ!
呪文を唱えたゾルダートの前の地面が盛り上がると、巨大な十本の岩の手が現れて、僕らへ襲いかかった。
ダメだ……。やはり練度★6まで習得してる使い手は、戦闘力の次元が違う! 範囲回復で耐えてゾルダートの魔力切れを狙うしか無い!
「グローリ……「ジオグランツ・ツヴァイ・ジオフォルテ・オルト・ヴェルト」
範囲回復を唱えようとした瞬間、どこからともなく重力魔法の呪文詠唱が聞こえて、僕はとっさに重力魔法を唱えた。
「ジオグランツ・ツヴァイ・ジオフォルテ!!」
ズンッ!!!!
次の瞬間、星が潰れるのでは無いかと思うほどの重圧が村全体を襲った。家は瞬く間に押し潰れ、ゾルダートの呼び出した十本の巨大な岩の腕も粉々に、ゾルダートやグリフォンは地面にめり込んでいる。
ジオフォルテの範囲は狭い。強引にファレンとルヴィド、ミルトを引き寄せると限界まで軽くした。
「ぐっ……! ぬぅうううう!」
なんて重さだ! 四倍軽くしてるのに、まったく意味をなしていないほどの重圧!
「うぁ、重いぃい」
「これは、まさか……」
もうダメだ……。と諦めかけたその時、ふっ……と重圧が収まって、僕はすぐに魔法を解除した。
「はぁ! はぁ! な、なんだったんだ今の」
「体が押し潰されて、このまま死ぬかと思いました……」
「ペシャンコこわいー!」
なんとか僕ら三人は耐え切ったが、ファレンは気を失って倒れている。地面にめり込んでいたグリフォンはほぼ全てが魔石となり、ゾルダートの埋まった穴は血溜まりとなっていた。
「ほぉ? あれで生きてるやつがいるとはな。やるじゃねぇか。褒めてやるよ」
ゾルダートの現れたさらに後方から、黒髪に赤いバンダナ。筋肉質でガッチリした一人の男が現れた。
「あれ?! 星食いの奴らじゃない?! すまねぇ! てっきり、星食いのアホ共かと思ってよー。おーい? 生きてるか?」
それが、市長の言っていた重力魔法使いレーラとの初めての出会いだった。
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