蛇好き令嬢、魔界に嫁ぐ

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竜は蛇に非ず

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結婚式まで、後少し。

私は、今何をしているかというと…ナギ旦那様のトグロの中で、子供のように遊んでいます。

お仕事中のナギ様は、難しい書類を見ている。

私を一時も離したくないと駄々をこねて、今の状態です。

「あら?この会計おかしいわ?ナギ様?ここのサインの会計士をお呼びください。予算の隠蔽をしているわ」

「あら?ナギ様?この土地の図面をお見せください。立地がいい良い土地ですわ。大きな川があるので、開発も簡単そうね。良い工業地帯になりそうだわ。近くに産業も無いですし、思い切って鉱山から出る鉄加工を此処でされてはいかが?雇用も増えて、この地域では嬉しい悲鳴でなくて?」

「あら?この報告書の書き方は、他のものと違って、上手ね。この名前を覚えておいたほうが得かもしれないわ。良い人材が手に入るかも」

「あら?地方からの救援の手紙だわ。大変!日付けが一ヶ月も前よ?!救援を急いで手配しなくてはいけないわ」

「あら?もう、おやつの時間ですわ。ナギ様?少し休みませんこと?」

私は、楽しく遊ばせてもらっています。
ナギ様は、終始笑顔で私のする事を見守ってくれます。
旦那様のトグロは、素敵です。
柔らかいところや硬い筋肉や、美しい鱗の感触が…私を癒す。
折角なので、触りながらマッサージをしてナギ様も癒して差し上げます。
私も癒されて、一石二鳥とは、この事を言うのでしょうか?

「ミーシャのお陰で、かなり効率よく仕事が片付いたよ。これに懲りずにまた、一緒に来てくれるかい?」

「あら?宜しいのですか?お邪魔でなければ…いつまでも一緒に居させていただきたいです」

私は我儘ですわね。
旦那様のお仕事の邪魔ばかりして…自重を心がけずにいるなんて…
でも、もう…ナギ様のいない生活などありえませんね。
もう、病み付きです。止められません。旦那様の鱗に…ずっと触れていたいのです。

コンコン

「ナギリス様、ビンセント・ファン・ドラゴン様がお出でです」

「ン?騎士団長殿が?ワザワザ、何しに此処へ?」

不審な顔をするナギ様。
そこで、いきなり扉が勢いよく開かれる。

「ナギリス!結婚式まで奥さんを紹介してくれないなんて!来ているのだろう?紹介してくれよな~!」

青い髪の毛の好青年のイケメンが、現れる。
胸には勲章が幾つも掲げられている。
騎士団の礼服に身を包んでいても、筋肉が見て取れるくらいにマッチョだ。
ただし、暑苦し感じはない。
どちらかというと…爽やかなチャラ男。

「ふん、無礼な男だ。魔王様との挨拶の時、居なかったのは誰だよ?」

「夜の夜会に連れてきてくれよ~!みんな自慢の嫁さんを紹介してもらいたくて、待ってるのによ~!」

「ごきげんよう。私はジモデンズ伯爵令嬢ミーシャです。ナギリス様の婚約者ですわ」

「これは丁寧にどうも、私は、魔王軍騎士団長ビンセント・ファン・ドラゴンと言います。お見知り置きください」

ビシッと挨拶をすれば、それなりに威厳のある騎士団長に見えなくもない。
鱗のついた尾がある。おそらく龍人と呼ばれる種族なのだろう。

「わしも紹介してくれんかの?」

大柄のビンセントさんの後ろから、小柄のおじいさんが顔を出した。

「これはこれは、魔術師長様、こんなところにお越し頂けるとは…」

「ミーシャ嬢。わしは、魔王軍魔術師長のレオ・ダ・ハイエルフと申す。この魔王軍で1番のジジイじゃ」

「ジモデンズ伯爵令嬢ミーシャですわ。よろしくお願いします」

「ミーシャ…レオ魔術師長様は、俺の倍は生きている。賢者…生きる歴史書って、呼ばれている方だ」

「まあ、それは凄い。私なんかは…赤子のようですわね」

「ア!ズリィ!俺もちゃんと紹介してくれよ~!」

「こいつは、戦場の猪ダ…若いから、気をつけろ?2人っきりには絶対なっちゃダメだぞ?」

「ええ~!なんだよ!その紹介!」

ビンセントさんはそれでも200歳らしいです。
私は16の小娘…今更、凄いところに来てしまいましたと思いました。
私の婚約指輪は、ナギ様が付けている魔道具と同じで、体の時止め魔法がされている。
出来るだけ長い時間を、ナギ様と共にしたい私の願いです。
魔界では、時止めは珍しい行為ではないらしいので、目の前のビンセントさんもその類かと思いましたが、種族的に長生きらしいです。
レオ魔術師長様も種族的に長生きらしいので、時止めは基本しないらしいです。

「時止めは、体の成長を止めるから、戦闘職の2人には…不利になる。常に身体を成長させている方たちだ」

「時止めはをしても、恐ろしく強いお前に言われたくないな…」

「俺は突然変異種だ。比べるつもりもない」

ナギ様最高!って、ことですね。



「宰相様!大変です!魔王様の間にお越しください!…騎士団長殿、魔術師長様もお出ででしたか?一緒に来てください。緊急事態です」

「?どうしたのだ?」

ナギ様たちが魔王様の間に連れられて行く。
私もついて行って良いのかな?

「すまない。ミーシャ…神獣様と此処で待っていてくれ」

やっぱり無理でしたか。
良いですよ。待っていますよ。

神獣様は、大蛇。
でも、やっぱり…ナギ様を知ると…物足りない。

「ほう、ナギリスをそんなに好いておるのか?ナギリスは果報者だの」

恥ずかしい。バレていますよ。心の声…

「何があったのでしょうか?」

「うーむ、人間がまた、異世界の者を召喚したようじゃ。今回は、聖女みたいだの」

「聖女?」

「ふむ、浄化の力や治癒の能力の長けた者のようじゃ。貴族が、自分の地位の向上のために…政治に利用するのだろう。聖女にとっては、誘拐地味た犯罪行為で連れてこられているのだ。可哀想に…」

「聖女様は、元の世界に帰れないのですか?」

「召喚したのが神なら…帰せたのだが、人間では…元の世界を特定するのは…不可能だろう」

何ですかそれは?
誘拐?犯罪ですよ?

「どこの家の者でしょうか?」

「うーむ、お主の元婚約者のようじゃ」

「はぁ?!」

大声を上げた私に反応して、扉がバタンと開く。

「どうした?ミーシャ嬢ちゃん!何かあったか?」

目の前にはビンセントさんが現れる。

「あれ?!神獣様?」

ビンセントさんが現れると同時に…神獣様が姿を消した。

「ミーシャ嬢ちゃん?大丈夫?」

「あの?魔王様に会いに行ったのでは?」

「ああ、俺は分身を生み出せる。俺の半身が今会議に参加しているよ。…それより、大丈夫?何かあったか?」

気軽に近づいて来る。
チョット、不快感を感じて、動きを止めるように話をする。

「あの?ナギ様に怒られてしまいます。2人っきりには…その~」

「ああ、大丈夫だよ。君に悪いことはしないよ。だから、安心して?何があったか、教えて?」

チョットだけ…危機感を感じる。

「特に何もありませんよ?気になさらずに…」

「…俺を避けてる?怖がらなくてもいいのに…ああ、そうだ。蛇狂いらしいねミーシャ嬢ちゃん?俺にも蛇の様な尻尾がある。触ってみる?ミーシャ嬢ちゃんなら、触ってもいいよ?」

「…ドラゴンには、興味はないので…しかも、ナギ様で十分満たされていますから、どうか、ほっておいてください」

何だろう?怖いんですけど…
神獣様…守ってくれますよね?

「…防御かたいね。でも、あんなジジイより、俺の方が若くて話が合うんじゃないかなぁ?ねえ、俺にしとかない?俺のテクで、イかせてあげるよ。ネチっこくて、しつこい蛇より…ズッと上手いよ?」

「何の話ですか?大声出しますよ?気持ち悪いです。どっかに行ってください」

「可愛い。怯えているの?魔界には居ないタイプだよね。一回でいいから、試してみない?病みつきになるよ?」

キモい。助けて…ナギ様?!

「キャ…!?」

口を手で塞がれる。
声が出せない。

「…ック!?噛み付いたの?…可愛い。弱いネ?歯型がついただけだね。うんうん、出来そう。地味な癖して、いい匂いだね。俺の側室にしちゃおう。あんな堅物より、いい思いさせてあげるよ。その前に、もう、噛んじゃあダメだよ。人間には…ドラゴンの血は毒だからネ~」

「…モガ…ウー!ゔー!!」

身体を触られる。チョット!キモい!!嫌だよ!?

「…人間って、力弱いネ~?…もしかして…神獣様を待ってるの?残念でした!大蛇の神獣様は、俺のバハムートっていう神獣に止められて出てこれないよ。うちのバハムートは、神獣最強だからネ~しばらく戻ってこれないよ。…ナギリス?あいつは、堅物だからネ~、少しの異変では、仕事を放って来ないよ。残念でした!観念して、俺の番になちゃいなよー!」

アーッと口を開けて、首の裏に噛みつこうとする。
ヤダ!ヤダ!
ナギ様!!

「んが…!?」

「どういうことだ?我が婚約者に手を出しているなんて…」

ナギ様の指が、ビンセントの首に食い込むほど、鷲掴みにしている。
その隙に、ナギ様の尻尾に隠れる。
怖かった。
震えが止まらない。

「じょうだん…だよ…ック!?…離して…くれよ…」

「ふざけるな。一体どう言う了見だ?喧嘩なら買ってやろう。半身なら死んでも平気だろう?このまま死ねばいい」

「んが…!?…言うよ!?…頼まれたんだ!?」

「もう、いい。もう1人に聞く。お前は死ね」

「グギャーーーグギャーー!?」

首を捻り潰されて、ビンセントは力なく倒れたと思うと…姿を消した。

「大丈夫か?遅くなった。会議室でもう1人に阻まれてな…言い訳にはならないか。すまない」

「大丈夫です。落ち着きました。神獣様は大丈夫でしょうか?」

まだ、震える手で、ナギ様の背にしがみつく。
ドラゴンの血は毒らしい。
布で、拭い去った後、丁寧に魔法で浄化しているナギ様。

「やっとで触れられる。私の腕の中にいるといい。ここは1番の安全だよ」

私は頷き、ナギ様の背から、胸に飛びつく。
会議室に私を同伴で行くらしいです。

ビンセントさんは…会議室の隅で伸びていました。
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