83 / 86
神殺しの伝説
しおりを挟む神殺しが始まったのは、ヒロさんやタケルさんが魔王を倒した辺りから始まった。
「勇者や異世界人には、あれ程優しくしろと…ワシは言っていたのだ」
お酒の入ったドラクロアスは、語ってくれた。
ヒロさんやタケルさんが魔王に勝って、邪神がチョッカイをかけた。
魔王は邪神の指揮下だったこともあり、直接信仰心が減った腹いせもあった。
だからこそ、誰もそれを止めなかったが、そのことに手を出した若い神たちがいた。
「妖精族から神になった者たちだ。イタズラが好きでな…」
若い神たちのイタズラのせいで、ヒロさんやタケルさんが異世界に帰ることが出来なくなった。
話がごちゃごちゃになり、フローレンス様でも如何にも出来なくなったある日…
「若い神たちが、遊び心で異世界人召喚を…人族の王家に教えてしまったのだ」
ヒロさんとタケルさんはやがて英雄と呼ばれる人達に追い詰められ、歴史から姿を消した。
「そこで、英雄たちを異世界に返せばよかったのだが、こともあろうに…若い神たちは異世界人を帰還させる魔法を紛失しよった」
「えー!?なくしたの⁇」
「紛失と言っても物を失くすのとは違う。…あやつらは…記憶から、世界から帰還魔法を消去したのだ」
「えっ!?」
「イタズラ好きもここまで来ると悪質な犯罪になる…つまり、新しく帰還方法を編み出さない限り、帰還出来なくなったのじゃ」
「はっ?」
なるほど、俺は新しい属性で新しい帰還魔法を使ったから、英雄を異世界に送り返せたのか?
「英雄たちは責任問題を神たちに求めた。当然の怒りじゃ」
「誰も帰還魔法を編み出せなかったの?」
「希望が空間魔法の応用だと思っているワシらでは、新しい創造は難しくてな。もどかしい神達の対応に英雄が怒りで暴走したのじゃ」
「あー…ダメなやつ」
「この酒美味いの…こうして神殺しは始まったのじゃ」
お見上げに持って来ていたお酒を飲んでいる。
ミュートさんのオススメだ。エルフの好きそうな果樹酒だが…かなり強い。
「イタズラ好きの神たちはわかるけど…他の神さまは関係してないじゃん」
俺はお酌しながら、おつまみを差し出す。
果樹酒なので…甘いものと、少し塩辛いチーズのつまみを食べてもらう。
「コレはうまい…完全にトバッチリじゃ」
「ひえー!可哀想」
「八百万もの神々が…今や十柱となってしまった」
「えっ?」
正直…そんなに残っていたんだと、思ってしまった。
しかも、英雄…めっちゃ殺しているじゃん。
八百万って…日本の神たちみたいに、何にでも宿る神さまだろう?
確かに信仰心さえ有ればいいのだから…ありと言えばアリか?
「ワシのように隠れている小さな神が、何人かおる」
チーズのつまみがお好みのようなので、お見上げに持って帰ってもらおうと思う。
今いるのは、亜空間の狭間。
地上は怖いらしく、出て来てくれなかったので、創ってみました。
「亜空間も心地よい」
「先輩なのですから、いつでも遊びに来てください」
連絡の方法が鏡しか無いらしいので、専用の鏡を創ってあげました。
「簡単に創るノォ…」
「信仰心は関係ないですよ?元々のスキルです」
中学の技術の授業で、鏡つくりをした記憶がある。ひたすら磨いて…磨いて…それを忘れる訳がない。
「そうか…すごいノォ」
「作り方さえわかれば、材料を揃えて工程を進めてあっという間にできますよ?」
「さりげなく、工程を進めるとか言っているが…簡単には出来ないからな?」
「そうですか⁇」
神になってから、力に頼りすぎた?
「ワシは手を出してはいかん相手に手を出してしまったみたいだの」
「そのおかげで会えたのです!先輩に会えて嬉しいですよ?」
家族に手を出したお詫びを実はもらっている。
でないとこんなに友好的に話はしません。
かなり古い時代の魔道具だった。
歴史書?みたいな絵物語の本でした。
これまでの神話が描かれている。
まるで…絵本の漫画みたいなものだ。
俺は代わりに創ってあげました。
絵本をもらったので、スマホなんてどうだろうか?
そう思って…先程創った鏡にメール出来るシステムと、俺の読んだことのある異世界の本を回覧出来るアプリ…後は簡単なボードゲームを内蔵させてあげました。電源はもちろん魔力です。
「次に会う時には、追加機能をあげますね?」
「ワシに使えるかわからんが…有り難く使わせてもらおう」
この後、ドラクロアスは頻繁に遊びに来るようになる。
追加ゲームアプリを欲しがって…
「とにかく…神になるなら歴史から学べ、ワシからの餞別じゃ」
「ありがとうございます」
家に帰ってゆっくり読む。
この本は神力がないと読めないものらしく、デュランドには開けられませんでした。
「横からも覗き読むことが出来ないのですね。残念です」
そんなことで落ち込んでるデュランドをみて、久々にデュランドに勝てた気分がした。
何でも出来る優秀な性格だからねー!
「何かわかったことがありますか?」
ミュートさんが熱心に読む俺に聞いて来た。
「うーん、世界の始まりとかは、異世界の神話とさほど変わらないなぁ…なんて思ってた。聞いたことある神の名前とかが出てくる。神しか見れない理由がわからないよ。異世界人なら知っている物語が沢山ある」
「それは変ですよ…祭の世界とこの世界は別物なのに…」
「異世界人が変なのかもしれないよ。俺がいた異世界には、神話があるけど、本当にいた形跡があるのはごくわずかだ。その実在した神の物語はこの本にはない」
載っていないのは仏教とキリスト教や日本の神…八百万の神(知らない他の神もいるかもしれないが…)でした。
ギリシャ神話やその他地域の神話…は、この本に上手いこと混ぜられ、載っている。
「もしかして、この世界に来たことがある異世界人が、これらの物語を異世界に持って帰ったのかもしれないなぁ」
しみじみ思っていると…
「この本は読めないけど、祭のいた異世界の神話は読めるってこと?」
ミュートさんが落ち込むデュランドのためにそんなことを言った。
嫉妬するよ?
「うーん、そっちで良ければ…ドラクロアス神にあげた電子図書を見せてあげるよ」
俺はデュランドにスマホを創ってあげました。
「え~!いいな…私も欲しいわ!」
ミュートさんの一声で家族全員にスマホを用意する。
…かなり、疲れました。
家族にスマホが行き渡ったおかげで、アプリも充実することになる。
食事中のスマホはダメ!なんて…注意することになるとは…思いませんでした。
まだ話が出来ない息子娘から…メールで色々話が出来るようになり(俺はなんとなくわかるから大丈夫)家族全員でメールを覚えました。
10
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる