ダークエルフに愛の手を

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1話 落とし穴

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「おはよう!」

同級生の声が聞こえる。

俺に話しかけている訳ではないので、気にせずに手に持つシャーペンを動かす。

机は、何故か?綺麗に描けるキャンバスだ。

俺、今朝見た夢の

登場人物を思い

ペンを走らせた。



ダークエルフ



肌の色が黒いエルフ族の亜種

森に住むエルフとは違い
木のない高山地帯に住んでいる

精霊と契約して術を行使するが
「自然魔法じゃないところが、カッコいいよなぁ。」
独り言だ・・・
エルフみたいな光・火・水・風・地の自然魔法属性は行使しない。
使うのは、闇・空・重・無・冥の不自然魔法属性。

薬師の能力もあるが、
エルフが植物を薬にするのと違い
鉱物や科学物質を原料とする。
「錬金術に近いよなぁ」
もちろん、独り言だ。

見た目がカッコいい
黒い肌に入れ墨のような魔方陣を描き、
黒い肌とは違い、髪や目は、鮮やかな色。
エルフとは違い、淡い色ではない。

まだ、エルフとは違う点がある。
武器だ。弓を使うエルフとは違い、剣や槍を使う。
たまに、銃のような魔道具も使用する。
そのためか?細マッチョだ。

もちろん、男を描く趣味はない。

机キャンバスには、ボン・キュッ・ボンのお姉様

多少筋肉質ではあるが、俺の好みだ。

露出度の高いローブとビキニアーマー
どちらが、似合うか・・・
悩むところだ。

エルフはドワーフと仲が悪いらしいが、ダークエルフはドワーフと仲がいい。

「ドワーフって、精霊に近いよなぁ。何で仲が悪い。」
ひつこいようだが、独り言だ。
エルフがプライドの高い性格を持つからだとか
ドワーフが、風呂嫌いな不潔な種族だとか?言われている。

「でも、何で?ダークエルフはドワーフ以外の種族から嫌われているのかな?」
言わなくてもわかるだろう?独り言だ。

他の種族と交流していないせいか、ダークエルフはビンボーである。

俺は、高そうなローブやアーマーではなく、貧相な薄着を描いた。



真面目に、描いているが、すべて、今朝の夢の中の設定だ。

実際に存在する生き物ではない。


うまく描けている。

自画自賛。

でも、担任は厳しい人なので、美化委員を使って、この絵は消されてしまうだろう。

残念だ。





そろそろ、自己紹介をしよう。

俺は、ボッチの平凡な15歳になる男子中学生である。

特技になるかはわからないが、絵を描くことしかしてない。

高校も、行ける私立推薦だ。

決して、頭がいい訳でも、金持ちでもない。

たまたま、受け入れてもらえて、推薦が通っただけだ。

奨学金制度もフルに使っている。

どうしたいという夢も希望もない。

志望がないから何となく生きている。

ボッチなのも、イジメという訳ではない。

このクラスの人間は、気のいいやつらばかりだ。表面上は・・・

「なに書いてるの?」

こうやって声をかけてくれるが・・・

「別に・・・見たままだだよ。」

はい、会話終了!

来るなオーラ炸裂!

やったね!同級生を追い払ったよ!

これが、俺の日常。




これまでのは、回想である。

この日俺は、頭がダークエルフの妄想でいっぱいだった。

モチロン、エロい妄想だ。

注意散漫だったことは、わかっている。


交通事故ならまだわかる。

マンホールもない道端で、妄想して歩く俺は、何故か?落とし穴に落ちた。



人生を変える落とし穴だった。

決して、不幸になった訳ではない。


物理的に落ちた。

落ち続けた。


「どこまで落ちるんだよ。」


浮遊感半端じゃない。


「地面に着いたら、死ぬの俺?」


暗い穴を落ちる感覚。

落ちてきた穴は、もう、小さな光になっている。


気絶もできない。

危機感が迫る。

でも、地面につかない。

落ちてきた入り口の光も見えなくなり

闇だけが支配する。

落ちる感覚と共に・・・
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