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5件目 休日です!

14.休日な件。

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昼の刻1時になったので私達はマーケットへ行ってみた。
ちなみに、昼の刻1時は12時だ。

「わぁ、太陽の加護日だけあって凄い賑わいだねぇ。」

エリシアが目をキラキラさせて言った。
エリシアも買い物は好きみたい。
あ、太陽の加護日って言うのは日曜日の事ね。

「うむ、流石は王都。1日では回れないな。」

「どこみるー?」

アカツキとラーナが言った。
皆格好こそ同じだが武器は置いてきた。
まぁ、アカツキは懐刀忍ばせてるみたいだし私も武器は召喚だから武器持ってるけどね。

「あ、私アクセサリーみたいなぁ。この前リボンが切れちゃって。」

エリシアが言った。
私達はアクセサリーの屋台へ行ってみる。

「いらっしゃい。」

若いお姉さんが店主の店だ。
マーケットでは屋台のみの出店の代わりに誰でもお店を出せる。
土地代さえ払えばどんな商売も自由だ。

「あ、この黄緑のリボン素敵。」

「うむ、私はこの赤い紐を頂こう。髪を結うのに使えそうだ。」

「私は髪縛らないからなぁ。てか、髪長すぎて縛るのめんどいし。」

「アリスの髪は綺麗だからなぁ。地面に付きそうでヒヤヒヤするよ。」

「あはは、一応つかない程度には切ってるよ。まぁ、座ればバッチリつくけどね。」

「アリスって外だと座らないけどそれが理由?」

「まぁね。外では基本座らないね。座るときは髪を前に持ってきて膝に乗せて座るかな。」

私とラーナが話をしていると2人の会計もすんだようだ。

「アリスってなんでそんな髪長いんだ?」

「ん?あー、これね。」

私は髪を1本抜くと指でつまんで目の高さで静かに放した。
その時にコウモリの姿を思い浮かべる。
すると、髪がコウモリの姿になって飛び立った。

「これが理由かな。髪をコウモリにするとき短いと変身するコウモリも小さいのよ。だからギリギリまで髪伸ばしてできるだけ大きなコウモリを呼べるようにしてるの。」

私がそう言って飛んでいるコウモリを小鳥のように指にとめた。

「そのコウモリ戻るの?」

「戻るよ?」

ラーナが聞いたので私が言うと頭の上にコウモリがとまって消えていった。
正確には私の髪に戻ったんだけどね。

「うお、すげー。」

「ヴァンパイアって人とかけ離れてるからほんとに同種とは思えないよ。」

エリシアが言った。
人種魔人族吸血鬼科。
ヴァンパイアはそう呼ばれる。

「なぁな、次は武器屋見に行こーぜ。」

ラーナが言った。
んー、武器屋は店舗だから少し遠いけど・・・まぁ、いっか。
2人を見ると2人も頷いた。
全員OKだし行こっか。

私たちが次に向かったのはこの街では小さめの武器屋。
けど、この武器屋は普通とは違う。
この武器屋の武器は全部この店で作っている。
それもあり信用性が高く良い店だ。

「らっしゃい。おや、オーガルクの嬢ちゃんか。剣が折れたか?」

「あはは、おやっさんの剣が折れたことないって。見に来ただけだよ。なんか良いのある?」

おやっさんと呼ばれる店主は赤い肌に額には角がある。
彼はオーガ。
その中でもレッドオーガと呼ばれる炎の扱いに長けたオーガだ。

「うーん、そんだなぁ。バスタードソードかデュランダルあたりかねぇ。」

そう言って指差した剣はどちらも大剣だった。
片方は片刃の大剣でもう片方は両刃の大剣だ。

「大剣かぁ。大剣は流石に二刀流できないしなぁ・・・」

ラーナがバスタードソードの方を手にとって言った。
オーガの力なら二刀流出来るだろうがラーナが言っているのは二刀流で今と同じ戦闘が出来るかどうかだろう。

「すまねぇな。後は短剣しかねぇかなぁ。」

おやっさんがそう言って出した短剣は刀に近かった。

「おぉ、これは八咫烏やたがらすか。」

「お、嬢ちゃんわかるかい?そうだ。これは八咫烏型の短刀だよ。」

流石はアカツキ。
刀には詳しいみたいだなぁ。

「八咫烏は極東で作られた刀でな。私の持つ薬研よりも太く、短い刀身が特徴的な刀なんだ。」

アカツキが言った。
刀を見ただけでわかるのは凄いなぁ。

「こいつはそれを見まねで作ったものでな。八咫白烏やたのしらからすって名付けた。本来の物より刀身も白いし鞘も白木だからな。」

「主人よ、試し斬りをさせては貰えないだろうか?」

「あぁ、構わんよ。」

アカツキが八咫白烏を手に取るとすぅっと静かに鞘から抜いて刀身を指でなぞった。
そして頷いてから振るう。
するとストレージから円柱状の黄緑色の棒を取り出した。
取り出した棒を放り投げると刀を振るった。
すると、棒が真っ二つに切れた。
アニメやドラマで良く見る練習用の棒なのかな?

「ふむ、中々の切れ味。本物にも負けぬ良い刀だ。」

「ほう、嬢ちゃん本物を見たことがあるのかい?」

「あぁ、私は極東出身だからな。数多くの刀を見てきたし、数多くの刀を所持している。家が刀鍛冶の家だったものでな。指で触るだけでもある程度の出来を見れる程度には詳しい。」

アカツキが言った。
へぇ、極東の出身なんだ。
確か極東って日本みたいな国だよね。
私も本で読んだ記憶しかないけど。

「そうか、道理で刀を見ただけでわかると思ったぜ。」

おやっさんとアカツキもすっかり意気投合した様だ。

「おーいアリス~こっちに大盾あるよー」

ラーナが言ったので見てみるとそっちには大盾が並んでいた。

「んー、残念だけど私はイージスがあるから。」

「なっ!?嬢ちゃんイージスを持ってんのかい!?」

おやっさんが驚いて言った。

「え?そんなに凄い盾なの?」

「うん。世界最強の盾。如何なる攻撃をも完全に防ぐと呼ばれる盾だよ。正式名称は機巧大盾イージスだよ。」

私がそう言ってイージスを出した。

「前から思ってたけど傷1つない盾だよな。」

「まぁ、どんな攻撃をも完全に防ぐからね。傷ついても自動修復されるし。」

私がそうって軽々と振り回してからしまった。

「なぁ、腹へったしどっか食べいかね?」

ラーナが言った。
ラーナはコロコロ変わるなぁ。

「確かにお腹空いたかも。」

エリシアが言った。
私達はご飯を食べに行くことにして店を出た。
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