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6件目 卒業しました!
17.ラントに戻った件。
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私達がラントに戻ると廃屋はすっかり綺麗な屋敷になっていた。
半年でここまでとは。
これはいっそう頑張らないとね。
私達は荷物を置いてからラント冒険者ギルドへと向かった。
「あら、アリスさん。お久し振りです。お屋敷はご覧になりましたか?」
「はい。とてもきれいになってました。」
「えぇ、街一番の大工に頼みましたから。あ、そうだ。ギルドマスターがアリスさんが帰ってきたらお会いしたいとおっしゃっていました。今からお会い出来ますか?」
私が頷くとお待ちくださいと一言残してギルドの奥へと向かった。
数分後受付嬢が帰ってきて私達をギルドマスターの部屋へと案内してくれた。
「お久し振りです。アリスさん。」
ロウクさんがそう言って私達をソファにかけるよう案内した。
対面のソファにロウクさんが座った。
「今回呼んだのはとあるお客様のお話でして。」
ロウクさんが静かに切り出した。
「実は、アリスさんが不在の間にアリスさんにお客様がいらしたのです。
オズ・アルヴァスター。
えぇ、アリスさんのお兄様であり、現アトラティア元帥閣下です。」
ロウクさんがなおも静かに言った。
「ぜひアリスさんにお会いしたいと。
私が学園にいる旨をお伝えしたらオズ様はアリスさんに伝言を残されていきました。
それを、お伝えさせて頂きます。」
ロウクさんはそう言ってから一度私を見た。
私が頷くと微笑んでから元の表情に戻った。
「ラントより南西、妖精領ウェンデルキアに付き人を待たせている。彼女の案内でアトラティアへ来て欲しい。
付き人の名はルナ。
セイレーンの女性だ。
彼女に君と共にアトラティアへ来るように指示をしている。
彼女は踊り子としてウェンデルキアに滞在しているからすぐわかるはずだ。
アリス、君と直接会って話さねばならない事がある。
いつになっても構わないから是非来て欲しい。
との事です。」
ロウクさんがそう言ってから私の方を見た。
「そうですか。わかりました。折角お屋敷を頂いたのにまた少しの間空けますね。
すぐにお兄様のいるアトラティアへ向かいます。」
私が言うとロウクさんは静かに頷いた。
「えぇ、えぇ、それがよろしいでしょう。あの屋敷はこちらで管理しておきますから。」
ロウクさんがそう言ってにこやかに微笑んだ。
私はお辞儀をすると静かに部屋を出た。
◆◆◆
「国王陛下、オズ様が動き出しました。彼の国と我らを結ぶものはアリス様のみ。
アトラティアに近づくチャンスでもあります。学園では姫様もパーティーが違い接点がなかったと聞き及びますがどうにかお近づきになれれば姫同士が仲良ければ国交も少しはやり易くなりましょう。
むこうはひどく溺愛されているようでしたから。
なんせ、長自らが迎えに来るほどですからね。」
「ふぅむ。リーシャとアリスを仲良く・・・の。それには妖精族の娘がちと邪魔かのう。
リーシャは療術に長けておるがあの娘はリーシャ以上じゃ。
となればあのパーティーにリーシャが入る余地は無い。」
「そうですね。でしたら、丁度良いかもしれません。あの娘はウェンデルキアへと向かう様ですから。」
「ふむ、そうか。では、妖精女王に話を通してみるかのう。」
「えぇ、えぇ、それがよろしいかと。」
ロウクが静かに念話する。
相手はこの国の王である様だ。
「これはこれは面白い情報を仕入れてしまいました♪アリスお嬢様の護衛のつもりできましたが・・・これは護衛どころではありませんねぇ。」
黒い影が屋根裏を蠢く。
影は静かに消えていった。
◆◆◆
「閣下、ご報告を。」
「カゲロウか。どうした?」
「アリスお嬢様の護衛をしておりましたら面白い話を聞きまして。なんでもとある国の国王がリーシャ様をアリスお嬢様のパーティーに入れ仲良くさせて国交を円滑に進めるために利用すると。
その為に妖精女王にも声をかけるようですよ?」
「そうか。カゲロウ、お前はアリスの護衛を頼む。アリスには見つかるなよ。ティターニアの件は・・・そうだな。レイネシアに頼もうか。彼女の本職は薬師だが王族に顔が利く。ティターニアへの根回しをしておくよ。」
「はーい。では、私は任務に戻ります♪」
そう言って黒い影は念話をやめると再度アリスを追うように移動を始めた。
半年でここまでとは。
これはいっそう頑張らないとね。
私達は荷物を置いてからラント冒険者ギルドへと向かった。
「あら、アリスさん。お久し振りです。お屋敷はご覧になりましたか?」
「はい。とてもきれいになってました。」
「えぇ、街一番の大工に頼みましたから。あ、そうだ。ギルドマスターがアリスさんが帰ってきたらお会いしたいとおっしゃっていました。今からお会い出来ますか?」
私が頷くとお待ちくださいと一言残してギルドの奥へと向かった。
数分後受付嬢が帰ってきて私達をギルドマスターの部屋へと案内してくれた。
「お久し振りです。アリスさん。」
ロウクさんがそう言って私達をソファにかけるよう案内した。
対面のソファにロウクさんが座った。
「今回呼んだのはとあるお客様のお話でして。」
ロウクさんが静かに切り出した。
「実は、アリスさんが不在の間にアリスさんにお客様がいらしたのです。
オズ・アルヴァスター。
えぇ、アリスさんのお兄様であり、現アトラティア元帥閣下です。」
ロウクさんがなおも静かに言った。
「ぜひアリスさんにお会いしたいと。
私が学園にいる旨をお伝えしたらオズ様はアリスさんに伝言を残されていきました。
それを、お伝えさせて頂きます。」
ロウクさんはそう言ってから一度私を見た。
私が頷くと微笑んでから元の表情に戻った。
「ラントより南西、妖精領ウェンデルキアに付き人を待たせている。彼女の案内でアトラティアへ来て欲しい。
付き人の名はルナ。
セイレーンの女性だ。
彼女に君と共にアトラティアへ来るように指示をしている。
彼女は踊り子としてウェンデルキアに滞在しているからすぐわかるはずだ。
アリス、君と直接会って話さねばならない事がある。
いつになっても構わないから是非来て欲しい。
との事です。」
ロウクさんがそう言ってから私の方を見た。
「そうですか。わかりました。折角お屋敷を頂いたのにまた少しの間空けますね。
すぐにお兄様のいるアトラティアへ向かいます。」
私が言うとロウクさんは静かに頷いた。
「えぇ、えぇ、それがよろしいでしょう。あの屋敷はこちらで管理しておきますから。」
ロウクさんがそう言ってにこやかに微笑んだ。
私はお辞儀をすると静かに部屋を出た。
◆◆◆
「国王陛下、オズ様が動き出しました。彼の国と我らを結ぶものはアリス様のみ。
アトラティアに近づくチャンスでもあります。学園では姫様もパーティーが違い接点がなかったと聞き及びますがどうにかお近づきになれれば姫同士が仲良ければ国交も少しはやり易くなりましょう。
むこうはひどく溺愛されているようでしたから。
なんせ、長自らが迎えに来るほどですからね。」
「ふぅむ。リーシャとアリスを仲良く・・・の。それには妖精族の娘がちと邪魔かのう。
リーシャは療術に長けておるがあの娘はリーシャ以上じゃ。
となればあのパーティーにリーシャが入る余地は無い。」
「そうですね。でしたら、丁度良いかもしれません。あの娘はウェンデルキアへと向かう様ですから。」
「ふむ、そうか。では、妖精女王に話を通してみるかのう。」
「えぇ、えぇ、それがよろしいかと。」
ロウクが静かに念話する。
相手はこの国の王である様だ。
「これはこれは面白い情報を仕入れてしまいました♪アリスお嬢様の護衛のつもりできましたが・・・これは護衛どころではありませんねぇ。」
黒い影が屋根裏を蠢く。
影は静かに消えていった。
◆◆◆
「閣下、ご報告を。」
「カゲロウか。どうした?」
「アリスお嬢様の護衛をしておりましたら面白い話を聞きまして。なんでもとある国の国王がリーシャ様をアリスお嬢様のパーティーに入れ仲良くさせて国交を円滑に進めるために利用すると。
その為に妖精女王にも声をかけるようですよ?」
「そうか。カゲロウ、お前はアリスの護衛を頼む。アリスには見つかるなよ。ティターニアの件は・・・そうだな。レイネシアに頼もうか。彼女の本職は薬師だが王族に顔が利く。ティターニアへの根回しをしておくよ。」
「はーい。では、私は任務に戻ります♪」
そう言って黒い影は念話をやめると再度アリスを追うように移動を始めた。
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