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8件目 リヴァイアサン倒滅作戦です!

22.リヴァイアサンな件

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甲板に出ると辺りはひどい嵐になっていた。
さすがは水の属性神だ。
高い大波のせいで立つのも大変なくらい船がゆれる。
この船はもともと揺れに強い構造の船だがその船がこれだけ揺れるなんてかなりの大波だろう。

「アリス!奴を抑えるには祖龍の力を使うしかない!船を頼む!俺が奴を攻撃する!」

そういった兄様は本を取り出すと呪文を唱え始めた。
私も盾を取り出して深呼吸をする。
大丈夫。私ならできる。

「虹龍レイヴン・イリスよ、我が声に応えよ!そして我に金剛のごとき守りの力を!イリスの加護!!」

私が叫ぶと空に虹が架かり盾が虹色に輝いた。
それと共に大雨の曇り空に穴が開き光が差し込むと真っ白な龍が舞い降りた。
体躯は50メートルをゆうに超え、純白の鱗で頭には巨体な渦巻き状の黒い角、背中には純白の翼、二足歩行なのか前足は人の手に近い様な感じにも見える。
手足には鋭い黒い爪が生えており赤い瞳をしている。
巨大な純白の龍は私の前に手のひらを出した。
乗れ。
そういっているように思える。
私は頷くとイリスの手のひらに乗る。
すると盾が光輝き空へと舞い上がると50メートル程の巨大な盾になりそれをイリスが左手でつかんだ。

「我が子アリスよ、共に参ろう。」

イリスがそういって私を頭に乗せた。


「祖龍レイヴン・イリスの名において命ずる。属性神リヴァイアサンよ、抵抗を止め直ちに武器へと力を戻せ!」

イリスが言うがそれを無視してリヴァイアサンが攻撃を続けた。

「ふむ・・・我は守りの龍。攻撃は好まぬ。」

「相変わらずよのぉ、イリス。汝の盾は絶対の守り。我も汝の盾を前に何も出来ぬ。そんな汝が力をもったらどれほど強大か。汝が力を持たずにいて我は本当に助かった。」

声がする方を見ると空から真っ黒い龍が飛んできた。
龍はイリスを黒くした様な感じでそっくりだった。
だからこそ、この龍こそがレイヴン・シェンであるとわかった。

「神龍レイヴン・シェンの名の元に命ずる。七ノ大罪リヴァイアサンよ、抵抗を止め直ちに武器へと力を戻せ!さもなくば我は汝に制裁を加えねばならぬ!」

シェンが言うがなおも攻撃を止めない。

「ふむ、では・・・鉄槌を下さねばならぬな。イリスよ、我が攻撃から我が子らを守れ。」

「心得た。久しいな。お主と共に地上に降りるのは。」

「懐かしむ暇があるか。ははは、汝は強者よのぉ。では、ゆくぞ!神龍の名の元に命ずる、そらに浮かびし星々よ、鉄槌を下さんと我が敵に降り注げ!メテオレイン!!」

シェンが言うと空から多くの隕石が降り注いだ。

「我が盾は不滅の盾!イージスよ、我が子らを守れ!」

そういって天に盾を掲げると青いドーム型にバリアが生成された。
隕石はバリアに当たると粉々に砕け散った。
さすがはイリスの盾。リヴァイアサンが一撃でも食らうと身をよじり怯んでいるような隕石をいとも簡単に防いでいる。

「ルナっ!グングニルを!!」

兄様が叫んだ。
それを聞いたルナは咄嗟にグングニルを投げた。
投げたグングニルはリヴァイアサンに突き刺さるとリヴァイアサンの力を奪い取っていく。
すると、リヴァイアサンが身をよじりながら暴れ出した。
最後の抵抗って感じか。

しかし、その抵抗もむなしくリヴァイアサンの力が全て奪い取られるとリヴァイアサンの体が水色の粒子になって空へと昇っていった。

「我らはあやつを天へと封印し直す。」

シェンがそう言うとイリスも頷いて空へと昇って行った。
私たちはそれを見送ると艦橋へと戻った。
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