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5.アビリティと一般魔法の違い
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間もなく僕とオリヴィアは、森の中を歩いていた。
「あと2時間ほど歩けば、街道にたどり着けます」
「本当に君は凄いな。僕の目には同じような場所が続いているようにしか見えない」
もう少し歩いたところで、僕たちは休憩を取ることにした。
野イチゴを沢の水で洗いながら食べてみると、何というか味がなくスカスカで美味しくはなかった。
「……微妙だね」
「ちょっと貸してください」
オリヴィアは摘み取った野イチゴに大地のオーラを送ると、僕に差し出してきた。
「食べてみてください」
「うん……」
口に含んでみるとイチゴの甘みが出ていた。
ここまで味が違うと品種が違うのではないかとさえ思えてしまう。
「美味しい……!」
正直な感想を言うと、オリヴィアは嬉しそうに顔を赤らめていた。
「これってもしかして、君のアビリティかい?」
そう聞くと、彼女は首を横に振った。
「いいえ、これは大地魔法の応用です」
「そもそもアビリティとは、どういうものなんだい? 普通に使っている魔法との違いは?」
オリヴィアは視線を上げて少し考えこんだ。
「まずアビリティは、神が人間に送ってくださった固有の特殊能力です。多い人で3つ、少ない人でも1つは持っていると言われています」
それは僕が知っている通りか。では魔法との違いは何なのだろう。
「次に魔法ですが、これはアビリティを簡略化して誰でも使えるようにしたもの……とお考え下さい」
「なるほど……じゃあ、ファイアーショットやアンロック。それにさっきの植物に甘みを付けたのも、元は誰かのアビリティだったというワケかい?」
オリヴィアは頷いた。
「そうなりますね。ただ、オリジナルの固有特殊能力に比べて……簡略化した魔法はいわばレプリカに過ぎません」
「つまり本家本元の特殊能力には及ばない……と考えていいのかな?」
「状況や術者の体調、使い手の熟練度にもよりますが……普通の状態ならレプリカはオリジナルに勝つのは難しいです」
「ということは、僕の固有特殊能力も、汎用化されるかもしれないということかい?」
そう質問すると、オリヴィアは難しい顔をした。
「センス系の特技は、汎用化が進んでいない分野です。特にあなたのアビリティは初めて聞いたモノなので、まず汎用は出来ないと思います」
「ちなみに……オリヴィアはどんなアビリティを持っているんだい?」
そう質問すると、オリヴィアは心配そうな顔をした。
「あなたなら喜んで答えますが、他の方……特に異性には、このような質問はしないでくださいね」
どうやら、この世界の人間にアビリティを聞くというのは、日本で言えばスリーサイズや年収を聞くようなもののようだ。
オリヴィアは耳を少し動かした。恐らく周囲に聞き耳を立てている敵はいないかを警戒したのだろう。
「……ヒーリングです」
「それって……ケガとか病気を治す魔法のことかい?」
オリヴィアは真顔で頷いた。
「その通りです。この能力は奴隷商人から逃げた後、毒草を食べてしまったことで発現しました」
僕は驚きながら話を聞いていた。
固有特殊能力……つまりアビリティは、生まれながらに備わっている力とばかり思っていたが、生死の境を彷徨うことによっても目覚めることがあるようだ。
「……ん、そういえば」
「いかがなさいましたか?」
「僕って、剣を出す能力もあるけど、これもアビリティなのかな?」
オリヴィアの前でナイフを出してみると、彼女はじっと僕を眺めながら答えた。
「間違いなくアビリティですね。武器を出す魔法も確かに存在しますが……もっと時間がかかりますし、威力のわりに消費メンタルポイントも多いです」
「そうなのか……」
「ちなみに、伝説の勇者も……剣を出す能力だったそうです」
伝説の勇者と同じ能力か。だけど、僕と伝説となる勇者じゃ、性能は天と地ほどの差があるのだろうな。
「どんなモノも切り裂く剣……とかかな?」
「詳しいことはわたしもわかりませんが、上位魔法でも歯が立たない魔族を一刀両断するほどのアビリティだったと言われています」
「な、なるほど……」
間もなく僕たちは移動を再開し、2時間後には街道の側までついていた。
「そろそろ街道です」
「ここから先はどっちに行けばいいんだい?」
オリヴィアは街道を眺めると言った。
「こちら……西側ですね。これから目指す場所はフロンティア冒険者街です。あそこには金鉱山や遺跡……人を寄せ付けない魔境などが多くあります」
なるほど。頷くとオリヴィアは更に言った。
「到着までには、まだ数日かかりますので宿屋に泊まりながら行きましょう」
「そうだね」
すでに太陽も西に傾きかけていたので、3キロメートルほど進んでから宿屋で休むことにした。
そこは、1階部分が酒場になっている宿屋だったが、少し変わった店らしく婚活業務もしていた。
「いらっしゃい。ご用件は……宿のほうですか?」
カウンターにいた女性が声をかけてくると、オリヴィアは頷いて答えた。
「そうです。1部屋お願いします」
「ツインルームだね。小銀貨3枚になるよ」
支払いを終えると、すぐにマスターはカギを差し出してきた。
「チェックアウトは10時だよ」
「わかりました」
こうして僕は初日から、屋根の下で寝泊まりできる生活ができたわけだが、本当に運が良かったと思う。
もしオリヴィアと出逢えていなかったり、好みのタイプではないとフラれていたら、魔女の洞窟の中か、樹海の中をさ迷い歩くことになっていただろう。
指定された部屋に入ってみると、部屋自体は小さかったが大きめのベッドに枕が2つ並んでいた。
そうか。僕には妻ができたわけだから、今日から一緒に寝るんだよな。
何だかまだ実感がわかない僕とは違い、オリヴィアは荷物を置いたり、持ち込んだ食事を机に置いたりと慣れた様子で宿泊する準備を進めていた。
いけない。僕もボーっとしてないで何かしないと。
横で食事の準備を手伝おうとしたら、オリヴィアは申し訳なさそうな顔をした。
「こういう雑事は妻の仕事です。あなたは亭主としてくつろいでください……すぐに足も洗って差し上げますので」
「いや、僕の国では男女平等……」
「ここはツーノッパ地域ですよ」
そう言いながら、彼女は僕を椅子に座らせたので、何だか……申し訳ない気持ちになってきた……
【この世界のアビリティ】
ヒーリング
レア度 A ★★★★
需要 S ★★★★★
習得難易度 A ★★★★
攻撃力 D ★
防御力 C ★★
ケガ、病気、精神病などを治療する能力。
使い手によって、怪我の治療が得意だったり、病の治療が得意だったりと個人差はあるが、優秀な人材になると複数の分野に精通していることも多い。
ちなみに、200人以上が在籍する冒険者ギルドでも、1~2人のヒーラーが常駐していれば幸せと言われるくらい人数は少ない(ただし、魔法使いや教会関係のギルドだと、もう少し多いこともある)。
エンチャントメント
レア度 A ★★★★
需要 A ★★★★
習得難易度 S ★★★★★
攻撃力 B ★★★
防御力 B ★★★
武器や防具に魔法コーティングを施す技術。
熟練者になると、普通の鉄製のナイフでも、ゴーストや魔族と言った相手にもダメージを与えられる武器を作り出すことができる。
ちなみに、未熟な人間がエンチャントを施すと、かえって武器の性能が劣化したり、相手を斬りつけるたびに、エンチャントコーティングが剥がれる駄作となってしまう。
リード
レア度 S ★★★★★
需要 B ★★★
習得難易度 A ★★★★
攻撃力 D ★
防御力 B ★★★(※回避率を考慮)
相手の心を読むのが一般的だが、場合によっては未来さえも見通す能力。
軍師になったり、占い師になったり、宗教団体の教祖となったり、裏社会の大物となったりと、どの世界に潜んでいるかわからない存在でもある。
このアビリティを持っている人物は、ミステリアスな雰囲気を持っていることが多く、言葉には説得力があることも多い。
「あと2時間ほど歩けば、街道にたどり着けます」
「本当に君は凄いな。僕の目には同じような場所が続いているようにしか見えない」
もう少し歩いたところで、僕たちは休憩を取ることにした。
野イチゴを沢の水で洗いながら食べてみると、何というか味がなくスカスカで美味しくはなかった。
「……微妙だね」
「ちょっと貸してください」
オリヴィアは摘み取った野イチゴに大地のオーラを送ると、僕に差し出してきた。
「食べてみてください」
「うん……」
口に含んでみるとイチゴの甘みが出ていた。
ここまで味が違うと品種が違うのではないかとさえ思えてしまう。
「美味しい……!」
正直な感想を言うと、オリヴィアは嬉しそうに顔を赤らめていた。
「これってもしかして、君のアビリティかい?」
そう聞くと、彼女は首を横に振った。
「いいえ、これは大地魔法の応用です」
「そもそもアビリティとは、どういうものなんだい? 普通に使っている魔法との違いは?」
オリヴィアは視線を上げて少し考えこんだ。
「まずアビリティは、神が人間に送ってくださった固有の特殊能力です。多い人で3つ、少ない人でも1つは持っていると言われています」
それは僕が知っている通りか。では魔法との違いは何なのだろう。
「次に魔法ですが、これはアビリティを簡略化して誰でも使えるようにしたもの……とお考え下さい」
「なるほど……じゃあ、ファイアーショットやアンロック。それにさっきの植物に甘みを付けたのも、元は誰かのアビリティだったというワケかい?」
オリヴィアは頷いた。
「そうなりますね。ただ、オリジナルの固有特殊能力に比べて……簡略化した魔法はいわばレプリカに過ぎません」
「つまり本家本元の特殊能力には及ばない……と考えていいのかな?」
「状況や術者の体調、使い手の熟練度にもよりますが……普通の状態ならレプリカはオリジナルに勝つのは難しいです」
「ということは、僕の固有特殊能力も、汎用化されるかもしれないということかい?」
そう質問すると、オリヴィアは難しい顔をした。
「センス系の特技は、汎用化が進んでいない分野です。特にあなたのアビリティは初めて聞いたモノなので、まず汎用は出来ないと思います」
「ちなみに……オリヴィアはどんなアビリティを持っているんだい?」
そう質問すると、オリヴィアは心配そうな顔をした。
「あなたなら喜んで答えますが、他の方……特に異性には、このような質問はしないでくださいね」
どうやら、この世界の人間にアビリティを聞くというのは、日本で言えばスリーサイズや年収を聞くようなもののようだ。
オリヴィアは耳を少し動かした。恐らく周囲に聞き耳を立てている敵はいないかを警戒したのだろう。
「……ヒーリングです」
「それって……ケガとか病気を治す魔法のことかい?」
オリヴィアは真顔で頷いた。
「その通りです。この能力は奴隷商人から逃げた後、毒草を食べてしまったことで発現しました」
僕は驚きながら話を聞いていた。
固有特殊能力……つまりアビリティは、生まれながらに備わっている力とばかり思っていたが、生死の境を彷徨うことによっても目覚めることがあるようだ。
「……ん、そういえば」
「いかがなさいましたか?」
「僕って、剣を出す能力もあるけど、これもアビリティなのかな?」
オリヴィアの前でナイフを出してみると、彼女はじっと僕を眺めながら答えた。
「間違いなくアビリティですね。武器を出す魔法も確かに存在しますが……もっと時間がかかりますし、威力のわりに消費メンタルポイントも多いです」
「そうなのか……」
「ちなみに、伝説の勇者も……剣を出す能力だったそうです」
伝説の勇者と同じ能力か。だけど、僕と伝説となる勇者じゃ、性能は天と地ほどの差があるのだろうな。
「どんなモノも切り裂く剣……とかかな?」
「詳しいことはわたしもわかりませんが、上位魔法でも歯が立たない魔族を一刀両断するほどのアビリティだったと言われています」
「な、なるほど……」
間もなく僕たちは移動を再開し、2時間後には街道の側までついていた。
「そろそろ街道です」
「ここから先はどっちに行けばいいんだい?」
オリヴィアは街道を眺めると言った。
「こちら……西側ですね。これから目指す場所はフロンティア冒険者街です。あそこには金鉱山や遺跡……人を寄せ付けない魔境などが多くあります」
なるほど。頷くとオリヴィアは更に言った。
「到着までには、まだ数日かかりますので宿屋に泊まりながら行きましょう」
「そうだね」
すでに太陽も西に傾きかけていたので、3キロメートルほど進んでから宿屋で休むことにした。
そこは、1階部分が酒場になっている宿屋だったが、少し変わった店らしく婚活業務もしていた。
「いらっしゃい。ご用件は……宿のほうですか?」
カウンターにいた女性が声をかけてくると、オリヴィアは頷いて答えた。
「そうです。1部屋お願いします」
「ツインルームだね。小銀貨3枚になるよ」
支払いを終えると、すぐにマスターはカギを差し出してきた。
「チェックアウトは10時だよ」
「わかりました」
こうして僕は初日から、屋根の下で寝泊まりできる生活ができたわけだが、本当に運が良かったと思う。
もしオリヴィアと出逢えていなかったり、好みのタイプではないとフラれていたら、魔女の洞窟の中か、樹海の中をさ迷い歩くことになっていただろう。
指定された部屋に入ってみると、部屋自体は小さかったが大きめのベッドに枕が2つ並んでいた。
そうか。僕には妻ができたわけだから、今日から一緒に寝るんだよな。
何だかまだ実感がわかない僕とは違い、オリヴィアは荷物を置いたり、持ち込んだ食事を机に置いたりと慣れた様子で宿泊する準備を進めていた。
いけない。僕もボーっとしてないで何かしないと。
横で食事の準備を手伝おうとしたら、オリヴィアは申し訳なさそうな顔をした。
「こういう雑事は妻の仕事です。あなたは亭主としてくつろいでください……すぐに足も洗って差し上げますので」
「いや、僕の国では男女平等……」
「ここはツーノッパ地域ですよ」
そう言いながら、彼女は僕を椅子に座らせたので、何だか……申し訳ない気持ちになってきた……
【この世界のアビリティ】
ヒーリング
レア度 A ★★★★
需要 S ★★★★★
習得難易度 A ★★★★
攻撃力 D ★
防御力 C ★★
ケガ、病気、精神病などを治療する能力。
使い手によって、怪我の治療が得意だったり、病の治療が得意だったりと個人差はあるが、優秀な人材になると複数の分野に精通していることも多い。
ちなみに、200人以上が在籍する冒険者ギルドでも、1~2人のヒーラーが常駐していれば幸せと言われるくらい人数は少ない(ただし、魔法使いや教会関係のギルドだと、もう少し多いこともある)。
エンチャントメント
レア度 A ★★★★
需要 A ★★★★
習得難易度 S ★★★★★
攻撃力 B ★★★
防御力 B ★★★
武器や防具に魔法コーティングを施す技術。
熟練者になると、普通の鉄製のナイフでも、ゴーストや魔族と言った相手にもダメージを与えられる武器を作り出すことができる。
ちなみに、未熟な人間がエンチャントを施すと、かえって武器の性能が劣化したり、相手を斬りつけるたびに、エンチャントコーティングが剥がれる駄作となってしまう。
リード
レア度 S ★★★★★
需要 B ★★★
習得難易度 A ★★★★
攻撃力 D ★
防御力 B ★★★(※回避率を考慮)
相手の心を読むのが一般的だが、場合によっては未来さえも見通す能力。
軍師になったり、占い師になったり、宗教団体の教祖となったり、裏社会の大物となったりと、どの世界に潜んでいるかわからない存在でもある。
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