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58.難関の3次試験に向けて
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無事に2次試験を通過した102名は、マッチョマの前に集まった。
「さて諸君、2次試験通過おめでとう……次はいよいよ、我がインディゴメイルズでも、受かれば一目置かれる3次試験の開催場所についてだ」
全員が頷くと、マッチョマは不敵に笑ってから言った。
「次の開催場所は……」
「…………」
「…………」
「ここ、インディゴメイルズの建物だ!」
全員が拍子抜けして、しばらく黙っていたが、その沈黙を破ったのはリック隊長だった。
「あの……マッチョマ中隊長。まさか、この人数でそのまま行うのではありませんよね?」
「もちろんそんなことはないぞ! 次の試験では、他の会場で2次試験を通過した面々も来ることになっている。ここを通過出来たら、名実ともに有力冒険者だろう」
マッチョマは言った。
「3次試験の開催日は、ちょうど1週間後だ。それまでは各自……精進するように!」
間もなく2次試験は終了し、僕たちはリック隊長と会った。
「お久しぶりです、リック隊長!」
「カイト隊長ではありませんか……お互いに多くの隊員を合格させることができましたね」
リック隊の様子を見ると、アリーシャ、ゴワス、エドワードに加え、他にも強そうな有翼人がいた。
「初めて見る人もいますね……」
「彼はカール。1か月前に我が隊に入ってきた有翼人です」
「トリトンズのカイト隊長ですね。お噂は聞いています」
「よろしくお願いします」
お互いに握手を交わすと、リックも上機嫌な様子で言った。
その様子を眺めていたスティレットもまた、笑いながら言った。
『次もこの調子で、合格していきたいね』
「そうですね。それにしても343という測定結果には驚きました」
リックに言われると、スティレットは恥ずかしそうに笑っていた。
『小生は体重が人間の7倍くらいはあるからね。むしろ少ない方かもしれない』
「僕もリックさんも、体重は70キログラムもないぞ?」
そう冗談を言うと、みんなで笑った。
間もなく僕らは、フロンティアトリトンズへと帰還した。
ギルド長のフェリシティーは、10人中5人が次の予選に進出という答えを聞き、とても機嫌がよさそうだった。
「そうでしたか、それほど通過するなんて!」
「姉さんは、何人通過すると考えていたのですか?」
「皆さんには失礼ですが、2~3人合格すればよしとするつもりでした」
冒険者世界の内情に詳しいフェリシティーがそう言うのなら、普通ならそれくらいしか通過者が出ないと言うことなのだろう。
いかに、勇者になるのかが大変なのかがわかる気がする。
「さて……問題は、次の3次試験だね。どんな無理難題が出てくるのか……」
そう話を元に戻すと、オリヴィアやスティレットも真剣な顔でこちらを見た。
「過去の傾向を見ると……屋外で活動するモノが多い感じがします」
『小生もそう思う。だけど……マッチョマ隊長は、会場はインディゴメイルズの建物って言ってたよね』
そこが僕にとっても気になるところだ。
普通に考えれば、その建物から外に案内して、そのまま樹海の中へというのが一番あり得そうな話だ。
だけど、それなら地元で戦える僕たち冒険者たちが圧倒的に有利になるし、シャドーアローズ辺りなら、会場に選ばれそうな森にあらかじめ罠を仕掛けて、合格率を操作するような不正まがいのこともできてしまう。
全員で難しい顔をしていると、フェリシティーは言った。
「答えが出ないことを考えていても仕方ありません。皆さんは来週のこの日に体調がベストになるように、トレーニングと休息をバランスよく行うことだけを考えてください」
『確かに……それが一番だよね』
結局この日は、これでお開きということとなった。
果たして1週間後の今日、僕や仲間たちの何人が、ここで笑っていられるのだろうか……?
【有翼人のカール】
「さて諸君、2次試験通過おめでとう……次はいよいよ、我がインディゴメイルズでも、受かれば一目置かれる3次試験の開催場所についてだ」
全員が頷くと、マッチョマは不敵に笑ってから言った。
「次の開催場所は……」
「…………」
「…………」
「ここ、インディゴメイルズの建物だ!」
全員が拍子抜けして、しばらく黙っていたが、その沈黙を破ったのはリック隊長だった。
「あの……マッチョマ中隊長。まさか、この人数でそのまま行うのではありませんよね?」
「もちろんそんなことはないぞ! 次の試験では、他の会場で2次試験を通過した面々も来ることになっている。ここを通過出来たら、名実ともに有力冒険者だろう」
マッチョマは言った。
「3次試験の開催日は、ちょうど1週間後だ。それまでは各自……精進するように!」
間もなく2次試験は終了し、僕たちはリック隊長と会った。
「お久しぶりです、リック隊長!」
「カイト隊長ではありませんか……お互いに多くの隊員を合格させることができましたね」
リック隊の様子を見ると、アリーシャ、ゴワス、エドワードに加え、他にも強そうな有翼人がいた。
「初めて見る人もいますね……」
「彼はカール。1か月前に我が隊に入ってきた有翼人です」
「トリトンズのカイト隊長ですね。お噂は聞いています」
「よろしくお願いします」
お互いに握手を交わすと、リックも上機嫌な様子で言った。
その様子を眺めていたスティレットもまた、笑いながら言った。
『次もこの調子で、合格していきたいね』
「そうですね。それにしても343という測定結果には驚きました」
リックに言われると、スティレットは恥ずかしそうに笑っていた。
『小生は体重が人間の7倍くらいはあるからね。むしろ少ない方かもしれない』
「僕もリックさんも、体重は70キログラムもないぞ?」
そう冗談を言うと、みんなで笑った。
間もなく僕らは、フロンティアトリトンズへと帰還した。
ギルド長のフェリシティーは、10人中5人が次の予選に進出という答えを聞き、とても機嫌がよさそうだった。
「そうでしたか、それほど通過するなんて!」
「姉さんは、何人通過すると考えていたのですか?」
「皆さんには失礼ですが、2~3人合格すればよしとするつもりでした」
冒険者世界の内情に詳しいフェリシティーがそう言うのなら、普通ならそれくらいしか通過者が出ないと言うことなのだろう。
いかに、勇者になるのかが大変なのかがわかる気がする。
「さて……問題は、次の3次試験だね。どんな無理難題が出てくるのか……」
そう話を元に戻すと、オリヴィアやスティレットも真剣な顔でこちらを見た。
「過去の傾向を見ると……屋外で活動するモノが多い感じがします」
『小生もそう思う。だけど……マッチョマ隊長は、会場はインディゴメイルズの建物って言ってたよね』
そこが僕にとっても気になるところだ。
普通に考えれば、その建物から外に案内して、そのまま樹海の中へというのが一番あり得そうな話だ。
だけど、それなら地元で戦える僕たち冒険者たちが圧倒的に有利になるし、シャドーアローズ辺りなら、会場に選ばれそうな森にあらかじめ罠を仕掛けて、合格率を操作するような不正まがいのこともできてしまう。
全員で難しい顔をしていると、フェリシティーは言った。
「答えが出ないことを考えていても仕方ありません。皆さんは来週のこの日に体調がベストになるように、トレーニングと休息をバランスよく行うことだけを考えてください」
『確かに……それが一番だよね』
結局この日は、これでお開きということとなった。
果たして1週間後の今日、僕や仲間たちの何人が、ここで笑っていられるのだろうか……?
【有翼人のカール】
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