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22.異変
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僕が大きな管狐を3匹出すトレーニングをしていたとき、フォセット隊はコニール村へと入った。目的はもちろん、ギルドから依頼されたクエストをこなすためである。
コニール村の話は、僕ことソラ視点で進むと話が分かりづらくなるので、後でフォセット隊から聞いた話を、僕が見聞きしているようにすすめようと思う。
今回のクエストの依頼主は、コニール村の村長だ。サファイアランスのギルドメンバーが到着したと聞くと、待ちきれない様子で家から出てきた。
「ようこそ、お越しになられました……皆さん!」
「お久しぶりです村長。今日は我々4名で依頼を引き受けさせて頂きます」
村長は、エルフのフォセット、ウェアウルフのジルー、ワーキャットのマーチル、ワーラクーンのラックドナを見ると頼もしそうに頷いた。
「では、詳しいお話をさせて頂きます」
「はい。よろしくお願いします」
村長の話によると、村娘たちが行方不明となったのは3日前の出来事だったようだ。
いつも通りに川で洗濯をしていた若い娘たちが、いつの間にかいなくなってしまったという。村にいるウェアウルフに話を聞いても、洗濯少女たちのにおいは川原で消えており、それ以上の追跡ができなかったそうだ。
話を聞いていたフォセットは、やがて頷いた。
「お話はわかりました。では、現場に案内して頂けますでしょうか?」
「はい。こちらです」
案内された川原は、どこにでも見かける特徴のない川原だった。
強いてあげるとすれば、少し奥に入ると水深が一気に深くなるので、村の人間もあまり奥には踏み入らないという。
ウェアウルフのジルーは、スンスンと鼻を動かしたが、すぐに難しい顔をした。
「やっぱり、ジルーの鼻ではダメだね……フォセットはどう?」
「……やはり水深が深くなると、マナの流れが速いですね」
低い声でフォセットが呟くと、傍にいた若者が険しい表情で聞いてきた。
「やっぱり、女たちを連れ去ったのは人魚なのか?」
「それはわかりません。3日も経ってしまうと残存オーラもほとんど残っていませんから」
彼女は村長たちを見た。
「わかりました。我々は調査を続けますので、もし村の中で何か目撃した方がいたら情報提供をお願いします」
「もちろんです。では、よろしくお願いします」
村長たちが立ち去ると、ジルーはフォセットを見た。
「ねえ、本当にお手上げの状態なの?」
「……実は、水辺のマナが不自然にかき乱されたようなのです」
その言葉を聞いたマーチルは、目を細めた。
「それって、誰かがこの水辺を歩いたってこと?」
「はい。それも複数人で移動しているように思えます」
話を聞いたジルーは、納得した様子で何度も頷く。
「ああ~、オオカミ族を警戒した歩き方だね。水辺を歩かれると、臭いの痕跡が減るから追跡が難しくなるんだよ」
「とりあえず、調査してみましょう」
間もなく、フォセット隊は川原を進みはじめた。
川原には大小さまざまな岩石が転がっているから歩きにくいが、森の中を進むよりは遥かに早い。彼らは水場に出てくる野生動物を警戒しながら、1時間ほど進んだ。
「……! 雲行きが怪しくなってきましたね」
「うん、いったん引き返した方がいいかも」
ジルーはそう言いながら視線を後方に向けると、ハッとした様子で短剣の鞘に手をかけた。
「どうしたのですか!?」
「風向きの影響で気づかなかった……敵だよ! 相手はコボルド!!」
「コボルド……数も多い!」
コボルドというのは、二足歩行タイプのオオカミ型モンスターだ。
ジルーたちウェアウルフほど頭は良くないが、機動力と腕力が高い危険なモンスターで、メイスや槍などのシンプルな武器なら扱うこともできる。
フォセットは即座に叫んだ。
「マーチル! すぐに村の人たちに知らせて!」
「ええ!」
フォセット、ジルー、ラックドナの3人は、マーチルを逃がすために正面からコボルド隊に挑みかかった。
フォセットはロングボウを構えると、一番近くにいるコボルドを射抜いたが、まだ連中は11体いる。ジルーとラックドナも、武器を構えて近くのコボルドと一戦を交えた。
マーチルもまた、岩からジャンプして木の枝に飛び移ると、回転蹴りをコボルドに見舞い、そのまま走り去っていく。
フォセットも次の矢を番え、2体目のコボルドを射抜いた。
「マーチルは無事に脱出しました。各自、自分の身を……」
そう叫びながらフォセットはロングボウを捨て、レイピアを抜いた。
彼女はコボルドの突き出してきた槍を避けると、レイピアでコボルドを突き倒したが、刃先を抜くよりも前に別のコボルドにレイピアを斬り払われてしまった。
「……! しまった!!」
コボルドたちは、フォセットに槍の穂先を向けると得意げに笑っていたが、リーダー格と思われるコボルドが言った。
「ユダン、スルナ。ソイツ、えるふ、フク、トッテ……シバレ!」
「オウ!」
フォセットが両手を挙げて降参のポーズをしたとき、ジルーもまた別のコボルドたちに組み伏せられていた。
彼女たちは、自ら服を脱いで下着姿になると、コボルドたちは縄を出して、フォセットとジルーを後手に縛りはじめた。
【両手を上げるフォセット】
コニール村の話は、僕ことソラ視点で進むと話が分かりづらくなるので、後でフォセット隊から聞いた話を、僕が見聞きしているようにすすめようと思う。
今回のクエストの依頼主は、コニール村の村長だ。サファイアランスのギルドメンバーが到着したと聞くと、待ちきれない様子で家から出てきた。
「ようこそ、お越しになられました……皆さん!」
「お久しぶりです村長。今日は我々4名で依頼を引き受けさせて頂きます」
村長は、エルフのフォセット、ウェアウルフのジルー、ワーキャットのマーチル、ワーラクーンのラックドナを見ると頼もしそうに頷いた。
「では、詳しいお話をさせて頂きます」
「はい。よろしくお願いします」
村長の話によると、村娘たちが行方不明となったのは3日前の出来事だったようだ。
いつも通りに川で洗濯をしていた若い娘たちが、いつの間にかいなくなってしまったという。村にいるウェアウルフに話を聞いても、洗濯少女たちのにおいは川原で消えており、それ以上の追跡ができなかったそうだ。
話を聞いていたフォセットは、やがて頷いた。
「お話はわかりました。では、現場に案内して頂けますでしょうか?」
「はい。こちらです」
案内された川原は、どこにでも見かける特徴のない川原だった。
強いてあげるとすれば、少し奥に入ると水深が一気に深くなるので、村の人間もあまり奥には踏み入らないという。
ウェアウルフのジルーは、スンスンと鼻を動かしたが、すぐに難しい顔をした。
「やっぱり、ジルーの鼻ではダメだね……フォセットはどう?」
「……やはり水深が深くなると、マナの流れが速いですね」
低い声でフォセットが呟くと、傍にいた若者が険しい表情で聞いてきた。
「やっぱり、女たちを連れ去ったのは人魚なのか?」
「それはわかりません。3日も経ってしまうと残存オーラもほとんど残っていませんから」
彼女は村長たちを見た。
「わかりました。我々は調査を続けますので、もし村の中で何か目撃した方がいたら情報提供をお願いします」
「もちろんです。では、よろしくお願いします」
村長たちが立ち去ると、ジルーはフォセットを見た。
「ねえ、本当にお手上げの状態なの?」
「……実は、水辺のマナが不自然にかき乱されたようなのです」
その言葉を聞いたマーチルは、目を細めた。
「それって、誰かがこの水辺を歩いたってこと?」
「はい。それも複数人で移動しているように思えます」
話を聞いたジルーは、納得した様子で何度も頷く。
「ああ~、オオカミ族を警戒した歩き方だね。水辺を歩かれると、臭いの痕跡が減るから追跡が難しくなるんだよ」
「とりあえず、調査してみましょう」
間もなく、フォセット隊は川原を進みはじめた。
川原には大小さまざまな岩石が転がっているから歩きにくいが、森の中を進むよりは遥かに早い。彼らは水場に出てくる野生動物を警戒しながら、1時間ほど進んだ。
「……! 雲行きが怪しくなってきましたね」
「うん、いったん引き返した方がいいかも」
ジルーはそう言いながら視線を後方に向けると、ハッとした様子で短剣の鞘に手をかけた。
「どうしたのですか!?」
「風向きの影響で気づかなかった……敵だよ! 相手はコボルド!!」
「コボルド……数も多い!」
コボルドというのは、二足歩行タイプのオオカミ型モンスターだ。
ジルーたちウェアウルフほど頭は良くないが、機動力と腕力が高い危険なモンスターで、メイスや槍などのシンプルな武器なら扱うこともできる。
フォセットは即座に叫んだ。
「マーチル! すぐに村の人たちに知らせて!」
「ええ!」
フォセット、ジルー、ラックドナの3人は、マーチルを逃がすために正面からコボルド隊に挑みかかった。
フォセットはロングボウを構えると、一番近くにいるコボルドを射抜いたが、まだ連中は11体いる。ジルーとラックドナも、武器を構えて近くのコボルドと一戦を交えた。
マーチルもまた、岩からジャンプして木の枝に飛び移ると、回転蹴りをコボルドに見舞い、そのまま走り去っていく。
フォセットも次の矢を番え、2体目のコボルドを射抜いた。
「マーチルは無事に脱出しました。各自、自分の身を……」
そう叫びながらフォセットはロングボウを捨て、レイピアを抜いた。
彼女はコボルドの突き出してきた槍を避けると、レイピアでコボルドを突き倒したが、刃先を抜くよりも前に別のコボルドにレイピアを斬り払われてしまった。
「……! しまった!!」
コボルドたちは、フォセットに槍の穂先を向けると得意げに笑っていたが、リーダー格と思われるコボルドが言った。
「ユダン、スルナ。ソイツ、えるふ、フク、トッテ……シバレ!」
「オウ!」
フォセットが両手を挙げて降参のポーズをしたとき、ジルーもまた別のコボルドたちに組み伏せられていた。
彼女たちは、自ら服を脱いで下着姿になると、コボルドたちは縄を出して、フォセットとジルーを後手に縛りはじめた。
【両手を上げるフォセット】
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