1 / 3
前編
しおりを挟む
「笑ってください」
笑えるわけがない。
目の前に並ぶ生徒会の面々が困惑した表情で僕を見ていた。
これでも僕は学園では「微笑みの貴公子」などと気持ちの悪いあだ名を付けられていて、学園内で地位があった。
地位と言っても学園内の生徒会の副会長だが。
僕が好きでもないのに笑っていたのは、いつかあいつの隣に立つためだ。
小学生のころから王者の品格を持ち、僕たちの一歩も二歩も先を行き、それでも弱いものを見捨てない。
高等部に入れば、一年で生徒会長になったあいつの。
遅れること一年で僕もようやく副会長になれた。
あいつは「お前が来てくれて嬉しい。女房役頼んだぞ」と両手を広げて迎えてくれた。
「僕の手を煩わせないでくださいね」と嘯いて顔を背けたが、本当は女房と言われて想像して、恥ずかしくて顔が見られなかった。
ふたりで切磋琢磨して学園をより良くしようと努力した。
退屈な寮生活を飽きさせないために、イベントを企画したり、今後、上流階級で生き抜くために必要な講座を開いた。
そんな中、転校生がやってきた。ほとんどが幼稚園からの繰り上がりの学園で、珍しいこともあるものだと、そのときは思った。
彼の叔父だという理事長に頼まれ、生徒会で面倒を見ることになった。
天真爛漫で、物怖じしない転校生にあいつが惹かれていくのがわかった。
転校生によって変わっていくあいつを見るのは、辛かった。
転校生は悪い人間ではないのだろう。しかし、これまで生きてきた土台が違った。
マナーや教養といったものを蹴り飛ばし、自由で闊達な様は、ときに眩しく、ときに疎ましく思った。
生徒会の他のメンバーはその眩しさに惹かれたのだろう。
僕たちが……いや僕が勝手に作り上げてきたと思っていたものはホロホロと崩れていった。
それでも僕はあいつのために、笑顔を作り、その砂上の楼閣を修復しようとしていた。
そんなときだ。
「副会長はなんで楽しくもないのに笑ってるの?」
当然のようにあいつの隣に座り、他の皆からちやほやされている転校生にそう言われて、何かが切れた。
僕の中にあったどす黒い感情が渦を巻き、「微笑みの貴公子」の仮面が破れた、その時だった。
ぐらりと揺れて、僕はめまいを起こしたのだと思った。
見渡せば、生徒会の面々も皆一様に驚いた顔をしている。
考える間もなく床が光だし、なにか文様のようなものが現れ、聞いたこともない言葉が聞こえた。
室内を覆い尽くす光。
響き渡る呪いにも似た言葉。
身体がなにかに引っ張られるようにして、意識が薄れかけていく中、あいつが見えた。
手を伸ばそうとしてあいつの視線の先を見ると、転校生の姿が見えた。
あいつは転校生を捕まえて、抱きしめて、守るように……。
それから僕は闇に包まれた。
あれだけ眩しかったのに、心の中まで真っ黒で染まってしまった気がした。
今、あいつと同じ顔をした男の隣で、僕は黒いレースのドレスを着せられている。
ドレスと言っても隠せるのは大事な部分だけで、胸元は大きく開き、貧相な身体を顕にしている。
僕の目の前には勇者と呼ばれる男とその仲間、そして彼らに守られるようにして後ろに立つのは神子、らしい。
どうして? と皆が声を揃えて言っている。
どうして? それは僕が聞きたい。
闇に包まれた僕が目をさましたのはこの城の中だった。
助けてくれた男はあいつに似ていて、僕は嬉しかった。
あいつが僕を見捨てたわけじゃないんだと、そう思った。
怖かったと、つぶやくと、彼は僕を抱きしめた。
はじめて触れる温もりが、これまでの恐怖が、僕を大胆にし、彼にすがりつかせた。
彼は背を撫でて僕が泣き止むのを促して、大丈夫と何度も言った。
落ち着いた僕の顔を彼が両手で掬い上げた。
目の色はこんなに淡かっただろうか?
髪はこんなに長かっただろうか?
疑問は口付けられて霧散した。
常日頃、引き結ばれた大きな唇が僕を喰む。
夢見た感触とはまったく違う。
甘酸っぱさの欠片もない、熱を孕んだ官能的な口づけだった。
はじめての口づけに翻弄されて、僕はいつの間にか制服を脱がされ、ベッドへ押し倒されていた。
貧相な身体をさらけ出すのを恥ずかしがる暇もなく、彼は僕の身体にあますことなく触れた。
名を呼ぶとその手が一瞬止まり、どうしたのかと顔を上げればまた口付けられた。
こんなふうに抱かれたい、とは思っていなかったがいざその時になって、僕ははじめてあいつに抱かれることを望んでいたのだと思い知らされた。
恐怖からの解放は、僕の心を壊したのだと思う。
これまで口にしたことのない言葉がいくつも溢れてくる。
もっと、好き、触って、愛して。
彼は僕の言葉に従って、僕を愛してくれた。
大きな手のひらが僕の肌を這い、指が恥部をなぞる。
はじめて他人に触れられた陰茎は、とっくに熱を持ち、先端は蜜を零していた。
それを潤滑剤にして、彼は僕の陰茎を上下に扱いて、首筋にいくつも紅い痕を残していった。
僕が吐き出す白濁さえも愛おしいというように、それを指にまとい、舌を這わせる。
羞恥が官能となり、僕の身体はまた熱を持った。
開かされた身体の深部に、その指が一本挿れられると、一瞬身体がこわばったが、彼が何事かつぶやくと、途端に緩んだ。
ぐっと差し挿れられた指は、僕のこれまで体験したことのない快楽を与え、身体が彼を欲するように開いていく。
僕の喘ぎ声と卑猥な水音。彼は何も言わずにただただ、僕が知らなかった僕の欲望を満たしていく。
もっと、触って、中に、来て。
これまで口にしたことも、思ってもいなかった言葉が溢れた。
「私のものになってくれますか?」
はじめて聞く彼の敬語に、心臓が跳ねた。
真剣に僕を見つめる目は淡く、戸惑う僕を覆う長い黒髪。
目の前にいるのは誰だ?
あいつに似ている、けれど、あいつではない。
そのときになってはじめて僕を抱いているのがあいつじゃないことに気付いたのに、僕は首を縦に振った。
振ってしまった。
あいつでは決して愛してくれないことを、あの光の中で思い知らされた。
それならあいつに似たこの男でもかまわない。
楔が穿たれ、僕の心は完全に壊れた。
あいつの名前を呼ぼうとして、口を塞がれ、名を告げられる。
聞いたこともない音の名前は、僕に言葉を詰まらせたが、彼はそれを気にすることなく、今度は僕の名を呼んだ。
なぜ知っているのかは分からないが、彼が呼ぶ僕の名前は、貴いもののように聞こえた。
何度も精を吐き、僕の中を塗りつぶしていった。
あいつじゃないとわかっていても縋らずにはいられないほど、僕は闇に捕らえられていた。
勇者がここにいるということは、もう城の守りは破られて後は僕たちだけなのだろう。
この数ヶ月で僕は変わった。
ここがどこかを教えられ、彼が誰かということを。
それを聞いても僕は彼に縋るしかなかった。
今朝になり、これまで一度も着たこともないような豪華な衣装を手渡され、困惑のまま身につけた。
これはドレスではないのかと問えば、正装なのでと返された。何のための正装なのか、答えは目の前の彼らを迎えるためのものだと、理解した。
魔王は彼らに笑いかけ、僕に笑えという。
この結末を知っていたのだろうか?
「今なら彼らに助けてもらうことも可能ですよ」
僕を抱き寄せて耳元で囁く。
会長は剣を構え、書紀が槍を突き出す。会計は杖を掲げ、双子が精霊を呼び出す。転校生はただ必死に祈りを捧げていた。
「僕を変えたのはあなたなのに今更放り出すんですか?」
見上げた魔王の顔は、あいつと同じはずなのに、あいつが見せたことのない表情で僕を見つめていた。
「いいんですか? 彼が好きだったんでしょう?」
「二度とそんなことは言わないでください。と言っても、もうすぐ僕たちは勇者に倒されるんでしょうが」
僕が微笑むと魔王は僕の額にキスをした。
途端、僕の身体は宙に浮いた。
魔王が唱えているのは、生徒会室で聞いた転移の呪文だ。
「やめて! やめてください! 僕は、あなたとっ!」
光りに包まれ、身体がなにかに吸い寄せられる中、最後に聞いた愛する人の声が僕の耳から離れない。
「どうか許さないでください」
笑えるわけがない。
目の前に並ぶ生徒会の面々が困惑した表情で僕を見ていた。
これでも僕は学園では「微笑みの貴公子」などと気持ちの悪いあだ名を付けられていて、学園内で地位があった。
地位と言っても学園内の生徒会の副会長だが。
僕が好きでもないのに笑っていたのは、いつかあいつの隣に立つためだ。
小学生のころから王者の品格を持ち、僕たちの一歩も二歩も先を行き、それでも弱いものを見捨てない。
高等部に入れば、一年で生徒会長になったあいつの。
遅れること一年で僕もようやく副会長になれた。
あいつは「お前が来てくれて嬉しい。女房役頼んだぞ」と両手を広げて迎えてくれた。
「僕の手を煩わせないでくださいね」と嘯いて顔を背けたが、本当は女房と言われて想像して、恥ずかしくて顔が見られなかった。
ふたりで切磋琢磨して学園をより良くしようと努力した。
退屈な寮生活を飽きさせないために、イベントを企画したり、今後、上流階級で生き抜くために必要な講座を開いた。
そんな中、転校生がやってきた。ほとんどが幼稚園からの繰り上がりの学園で、珍しいこともあるものだと、そのときは思った。
彼の叔父だという理事長に頼まれ、生徒会で面倒を見ることになった。
天真爛漫で、物怖じしない転校生にあいつが惹かれていくのがわかった。
転校生によって変わっていくあいつを見るのは、辛かった。
転校生は悪い人間ではないのだろう。しかし、これまで生きてきた土台が違った。
マナーや教養といったものを蹴り飛ばし、自由で闊達な様は、ときに眩しく、ときに疎ましく思った。
生徒会の他のメンバーはその眩しさに惹かれたのだろう。
僕たちが……いや僕が勝手に作り上げてきたと思っていたものはホロホロと崩れていった。
それでも僕はあいつのために、笑顔を作り、その砂上の楼閣を修復しようとしていた。
そんなときだ。
「副会長はなんで楽しくもないのに笑ってるの?」
当然のようにあいつの隣に座り、他の皆からちやほやされている転校生にそう言われて、何かが切れた。
僕の中にあったどす黒い感情が渦を巻き、「微笑みの貴公子」の仮面が破れた、その時だった。
ぐらりと揺れて、僕はめまいを起こしたのだと思った。
見渡せば、生徒会の面々も皆一様に驚いた顔をしている。
考える間もなく床が光だし、なにか文様のようなものが現れ、聞いたこともない言葉が聞こえた。
室内を覆い尽くす光。
響き渡る呪いにも似た言葉。
身体がなにかに引っ張られるようにして、意識が薄れかけていく中、あいつが見えた。
手を伸ばそうとしてあいつの視線の先を見ると、転校生の姿が見えた。
あいつは転校生を捕まえて、抱きしめて、守るように……。
それから僕は闇に包まれた。
あれだけ眩しかったのに、心の中まで真っ黒で染まってしまった気がした。
今、あいつと同じ顔をした男の隣で、僕は黒いレースのドレスを着せられている。
ドレスと言っても隠せるのは大事な部分だけで、胸元は大きく開き、貧相な身体を顕にしている。
僕の目の前には勇者と呼ばれる男とその仲間、そして彼らに守られるようにして後ろに立つのは神子、らしい。
どうして? と皆が声を揃えて言っている。
どうして? それは僕が聞きたい。
闇に包まれた僕が目をさましたのはこの城の中だった。
助けてくれた男はあいつに似ていて、僕は嬉しかった。
あいつが僕を見捨てたわけじゃないんだと、そう思った。
怖かったと、つぶやくと、彼は僕を抱きしめた。
はじめて触れる温もりが、これまでの恐怖が、僕を大胆にし、彼にすがりつかせた。
彼は背を撫でて僕が泣き止むのを促して、大丈夫と何度も言った。
落ち着いた僕の顔を彼が両手で掬い上げた。
目の色はこんなに淡かっただろうか?
髪はこんなに長かっただろうか?
疑問は口付けられて霧散した。
常日頃、引き結ばれた大きな唇が僕を喰む。
夢見た感触とはまったく違う。
甘酸っぱさの欠片もない、熱を孕んだ官能的な口づけだった。
はじめての口づけに翻弄されて、僕はいつの間にか制服を脱がされ、ベッドへ押し倒されていた。
貧相な身体をさらけ出すのを恥ずかしがる暇もなく、彼は僕の身体にあますことなく触れた。
名を呼ぶとその手が一瞬止まり、どうしたのかと顔を上げればまた口付けられた。
こんなふうに抱かれたい、とは思っていなかったがいざその時になって、僕ははじめてあいつに抱かれることを望んでいたのだと思い知らされた。
恐怖からの解放は、僕の心を壊したのだと思う。
これまで口にしたことのない言葉がいくつも溢れてくる。
もっと、好き、触って、愛して。
彼は僕の言葉に従って、僕を愛してくれた。
大きな手のひらが僕の肌を這い、指が恥部をなぞる。
はじめて他人に触れられた陰茎は、とっくに熱を持ち、先端は蜜を零していた。
それを潤滑剤にして、彼は僕の陰茎を上下に扱いて、首筋にいくつも紅い痕を残していった。
僕が吐き出す白濁さえも愛おしいというように、それを指にまとい、舌を這わせる。
羞恥が官能となり、僕の身体はまた熱を持った。
開かされた身体の深部に、その指が一本挿れられると、一瞬身体がこわばったが、彼が何事かつぶやくと、途端に緩んだ。
ぐっと差し挿れられた指は、僕のこれまで体験したことのない快楽を与え、身体が彼を欲するように開いていく。
僕の喘ぎ声と卑猥な水音。彼は何も言わずにただただ、僕が知らなかった僕の欲望を満たしていく。
もっと、触って、中に、来て。
これまで口にしたことも、思ってもいなかった言葉が溢れた。
「私のものになってくれますか?」
はじめて聞く彼の敬語に、心臓が跳ねた。
真剣に僕を見つめる目は淡く、戸惑う僕を覆う長い黒髪。
目の前にいるのは誰だ?
あいつに似ている、けれど、あいつではない。
そのときになってはじめて僕を抱いているのがあいつじゃないことに気付いたのに、僕は首を縦に振った。
振ってしまった。
あいつでは決して愛してくれないことを、あの光の中で思い知らされた。
それならあいつに似たこの男でもかまわない。
楔が穿たれ、僕の心は完全に壊れた。
あいつの名前を呼ぼうとして、口を塞がれ、名を告げられる。
聞いたこともない音の名前は、僕に言葉を詰まらせたが、彼はそれを気にすることなく、今度は僕の名を呼んだ。
なぜ知っているのかは分からないが、彼が呼ぶ僕の名前は、貴いもののように聞こえた。
何度も精を吐き、僕の中を塗りつぶしていった。
あいつじゃないとわかっていても縋らずにはいられないほど、僕は闇に捕らえられていた。
勇者がここにいるということは、もう城の守りは破られて後は僕たちだけなのだろう。
この数ヶ月で僕は変わった。
ここがどこかを教えられ、彼が誰かということを。
それを聞いても僕は彼に縋るしかなかった。
今朝になり、これまで一度も着たこともないような豪華な衣装を手渡され、困惑のまま身につけた。
これはドレスではないのかと問えば、正装なのでと返された。何のための正装なのか、答えは目の前の彼らを迎えるためのものだと、理解した。
魔王は彼らに笑いかけ、僕に笑えという。
この結末を知っていたのだろうか?
「今なら彼らに助けてもらうことも可能ですよ」
僕を抱き寄せて耳元で囁く。
会長は剣を構え、書紀が槍を突き出す。会計は杖を掲げ、双子が精霊を呼び出す。転校生はただ必死に祈りを捧げていた。
「僕を変えたのはあなたなのに今更放り出すんですか?」
見上げた魔王の顔は、あいつと同じはずなのに、あいつが見せたことのない表情で僕を見つめていた。
「いいんですか? 彼が好きだったんでしょう?」
「二度とそんなことは言わないでください。と言っても、もうすぐ僕たちは勇者に倒されるんでしょうが」
僕が微笑むと魔王は僕の額にキスをした。
途端、僕の身体は宙に浮いた。
魔王が唱えているのは、生徒会室で聞いた転移の呪文だ。
「やめて! やめてください! 僕は、あなたとっ!」
光りに包まれ、身体がなにかに吸い寄せられる中、最後に聞いた愛する人の声が僕の耳から離れない。
「どうか許さないでください」
3
あなたにおすすめの小説
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
オメガのブルーノは第一王子様に愛されたくない
あさざきゆずき
BL
悪事を働く侯爵家に生まれてしまった。両親からスパイ活動を行うよう命じられてしまい、逆らうこともできない。僕は第一王子に接近したものの、騙している罪悪感でいっぱいだった。
【連載版あり】「頭をなでてほしい」と、部下に要求された騎士団長の苦悩
ゆらり
BL
「頭をなでてほしい」と、人外レベルに強い無表情な新人騎士に要求されて、断り切れずに頭を撫で回したあげくに、深淵にはまり込んでしまう騎士団長のお話。リハビリ自家発電小説。一話完結です。
※加筆修正が加えられています。投稿初日とは誤差があります。ご了承ください。
聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています
八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。
そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
弟勇者と保護した魔王に狙われているので家出します。
あじ/Jio
BL
父親に殴られた時、俺は前世を思い出した。
だが、前世を思い出したところで、俺が腹違いの弟を嫌うことに変わりはない。
よくある漫画や小説のように、断罪されるのを回避するために、弟と仲良くする気は毛頭なかった。
弟は600年の眠りから醒めた魔王を退治する英雄だ。
そして俺は、そんな弟に嫉妬して何かと邪魔をしようとするモブ悪役。
どうせ互いに相容れない存在だと、大嫌いな弟から離れて辺境の地で過ごしていた幼少期。
俺は眠りから醒めたばかりの魔王を見つけた。
そして時が過ぎた今、なぜか弟と魔王に執着されてケツ穴を狙われている。
◎1話完結型になります
記憶を失くしたはずの元夫が、どうか自分と結婚してくれと求婚してくるのですが。
鷲井戸リミカ
BL
メルヴィンは夫レスターと結婚し幸せの絶頂にいた。しかしレスターが勇者に選ばれ、魔王討伐の旅に出る。やがて勇者レスターが魔王を討ち取ったものの、メルヴィンは夫が自分と離婚し、聖女との再婚を望んでいると知らされる。
死を望まれたメルヴィンだったが、不思議な魔石の力により脱出に成功する。国境を越え、小さな町で暮らし始めたメルヴィン。ある日、ならず者に絡まれたメルヴィンを助けてくれたのは、元夫だった。なんと彼は記憶を失くしているらしい。
君を幸せにしたいと求婚され、メルヴィンの心は揺れる。しかし、メルヴィンは元夫がとある目的のために自分に近づいたのだと知り、慌てて逃げ出そうとするが……。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる