いつもと、違うことをしよう

三谷玲

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早川静玖は焦れていた

絶望

「そうだ、そろそろ目目隠し、取ってあげようか? 僕もっ、君の、目を見てっ、したいなっ」

 激しく穿つ佑が切れ切れに言葉を発した。
 あまりにも気持ちがいいから記憶の片隅に追いやられていたが静玖は目隠しをされていたことを思い出した。
 佑の手が頭の後ろに伸びてしゅるりと音がした。
 ずっと暗闇にいたから慣れない目をゆっくりと開いた静玖は朝の薄日がこぼれるアパートの一室にいる、見知らぬ男の顔を見つけて身体を硬直させた。
 人は驚きすぎると声すら上げられないのだと、このときはじめて知った。

「驚いたか? 声、似てんだろ?」

 さっきまでの柔らかな口調とは違う、粗野で荒々しい話し方。金髪の男は額に汗をかきながら、にやりと笑った。

「双子なんだよ、俺たち。二卵性だからっ、顔は、似てねぇけどなっ! はじめましてっ、兄貴の彼氏さんっ」

 硬直した身体のまま激しく打ち貫かれる静玖は頭が回っていなかった。
 今自分は何をしている?
 両腕を椅子に縛り付けられ、足を開き、その間には知らない日に焼けた男の身体があった。
 さらにその中央では淫らな水音がして自分を追い立てる。

「あっ♡ えっ? いやっ! やぁっ! あっ♡」

 やっと出た声は拒絶と嬌声の交じるものになった。

「ほら、欲しいって、俺のちんちん欲しいって、言えよっ!」
「ちが、っ、うっ、いや、やっ、ああっダメ、そこっ♡」

 身体を捩って逃げようにも縛られた両腕がそれをさせない。
 少しでも逃げようと腰を退こうとすると、金髪の男はその腰を掴んで引き寄せた。

「ダメだろ、逃げちゃ。だってもうここは俺専用なんだからなっ、さっき宣言しただろ? 録画しといてあるからな」

 男は首を横にするとその先には下駄箱の上にスマートフォンが置いてあった。
 狭いアパートだ。
 そこからでも十分この光景は撮れているだろう。
 それも鮮明に。

「あとで、兄貴にも見てもらう? ああ、見られると思ったら感じちゃった? 淫乱だなっ」

 男はより激しさを増した。
 静玖の身体は生理的な反射で締め付けてしまったが、それがまた静玖の快楽を増長させた。男はそれに喜びまた腰を打ち付けてきた。

「ああ、もう、やめ、てっ……、いやっ、ああだめ、イっちゃう、またイッちゃうからっ♡」
「知らない男に、イかされるんだ、シズクは。そんなに俺のが気に入った? この動画見たら、兄貴、どう思うかな? 楽しみだなっ」
「やぁぁぁっ♡ ダメっ♡ みちゃ、やっ♡ だめなのっ、僕、僕っ♡ イくっ♡」

 静玖の虚しい抵抗などものともせずに男が奥を突くと静玖はまた絶頂に達していた。
 男もそれに引きずられるように静玖の中に白濁を吐き出した。
 その熱を直接感じて静玖の身体は震え、仰け反り、ぱたりと落ちた。
 上下する胸元に静玖自身の白濁が散りばめられ朝の光できらめいていた。
 静玖の意識はもう、ここにはなかった。

「兄貴より先に、お前のこと知ってたんだぜ。シズク……」

 コンビニの制服を着た男の言葉は気を失ってくたりとした静玖には届かなかった。
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