いつもと、違うことをしよう

三谷玲

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早川静玖は色を失っていた

接受

 金曜日の夜、静玖は自分のアパートにいた。

 先週までなら佑のマンションで二人の時を過ごしていた時間だ。
 遥の条件のうちの一つに、一ヶ月間佑とのセックスを禁じられていた。

 静玖は佑に嘘をついた。居酒屋のバイトで欠員が出たためしばらくは金曜日のデートができないと。
 佑はそれを聞いて仕方がないねと許してくれた。
 少しは寂しがってくれるのではないか、静玖の態度に異変を感じ取ってくれるのではないかと期待したが、それはなかった。
 帰宅すればアパートの前に遥が立っていた。眉をしかめる静玖に遥は嬉しそうな声色で話しかけた。

「おかえり、シズク。兄貴、なんだって?」
「……別にどうだっていいだろ」

 あの日着ていた通り、遥は佑が送ってくれるコンビニの店員だった。
 愛想のない金髪の男だ。
 静玖からすればコンビニの店員の容姿など記憶にはなかったので知らない男だとばかり思っていたが、それこそ週に何度かは顔を合わせていたことになる。

 その遥がなぜ静玖を犯したのかはわからない。
 あの日、疲れ切っていた静玖は鍵を締め忘れていたようで帰りしなにちゃんと鍵を掛けるようにと忠告された。 
 お前が言うなと静玖は思ったがそれは口に出さなかった。 

 遥を部屋に招き入れ、暖房を入れる。夕飯にはまだ早い時間ですることもない。遥と話すことはもっとない。

 静玖がコートを脱ぐとそれを待っていたかのように遥に抱きつかれた。
 佑よりほんの少し低いだろう身長の遥に抱きつかれるといつもなら胸に当たる顔が肩口に触れた。
 しかし、外で待っていたからか冷えた身体は静玖に佑を思い出させた。

 無理矢理顔を持ち上げられて唇を重ねられる。せめてもの抵抗で口を閉じていた静玖の顎を遥の手が押し下げた。

 隙間の開いた口に熱い舌が侵入する。

「噛むなよ」

 それだけを言うと遥の舌が静玖の中を蹂躙した。
 好きでしてるわけではない、それなのにその舌が静玖の口内を暴れ、舌を絡められると自然と息があがった。
 性欲を呼び起こすためだけにされているキスで静玖の身体はいとも簡単に綻んだ。

 支えられていなければ立っていられないほどに。
 佑とだって何度もしていたキスなのに遥のキスはまるで嵐のようだった。
 ふわふわとした心地よさを味あわせてくれる佑と違い、一気に加速させられていき静玖の声が漏れ始めた。

「あっ、ふぁっ……んっ♡」
「は、もう感じてんの? 淫乱」
「ち、が……あっ♡」

 遥の熱い掌が静玖の背を通り、尻を掴んだ。
 左右に揉み込んでは開いたり閉じたりとそこを意識させられて静玖の身体が震えた。
 キスをしながら押し付けられる遥のペニスは熱く、硬くなっていた。それを敏感に感じとってしまう静玖のペニスもまた熱を帯び始めていた。
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