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.風呂に入れないなんて無理っ!絶対無理っ! 6
「いやさね、女物がぴったりお似合いでさぁ」
俺の抵抗なんてほんと無意味。朝起きたらやたら嬉しそうな顔したジジが、俺の新しい服を持ってやってきた。
レンが闘技場で勝利したことやら、孫が持てる幸せを語っているのはふつうの親みたいでほっこりした。
ついつい「よかったな」なんて言ってしまった。
着せられた服は、ゴワゴワした麻みたいな生地のロングシャツだった。よかった、黒革のドレスじゃなくて。
チュニックとかワンピースっぽい感じだけど、ストンとしているからどっちかといえばアラブの人が着てるトーブみたいだ。
ボタンはないみたいで、開いた襟ぐりは紐で結んでいる。
パンツもズボンもないのが、不安だけど……。
ジジに連れられて久しぶりに魔王の間に行くと、そこにはあの獣の頭蓋骨マントを羽織るハオともうひとり。頭からボロ布をまとった背の高い男がいた。
「マナ、こいつはサイだ。俺がいないときはサイを頼れ」
「はじめまして、ではありませんが、サイと申します。このチーダ城でのことならわたくしにお任せください」
はじめましてじゃない?
「あ! 最初のときハオの隣りにいた人だ。あんたのせいで俺の貞操がっ!」
あの日、ハオに儀式をすれば本物かわかるなんて言ったやつだった。結局本物かどうかはわからなかったじゃないか!
俺が指さすとサイはボロ布の隙間からでている右側の目を細めた。
「途中からいい声をあげておられたではないですか。クククッ」
「い、いい声……? ひぁぁぁぁっ!」
俺はその場でうずくまって叫び声を上げた。
なんてこった! 聞かれてたなんて、あんな、あんな恥ずかしい声をっ……。
もしかして、ほかのやつらもまだあそこにいたのか? お披露目会にもいるんじゃないだろうな?
「やだやだ。行きたくない! 無理っ! 絶対無理っ!」
子どもみたいなだだをこねた。こんなことでこいつらが諦めるとは思わないけど、イヤだという意志だけは見せたかった。
案の定、ハオに首根っこをつかまれて持ち上げられる。
くそっ! 俺は猫じゃないぞ。
睨んだけど、まったく効き目はなかった。
ただ、ハオは怒るわけでもなくじっと俺の目を見て言った。
「なら、褒美をやろう。披露目の儀式が無事に済んだらお前がいま一番欲しいものを用意する」
俺が一番欲しいもの……?
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