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.風呂に入れないなんて無理っ!絶対無理っ! 8
何階建てかわからない塔。行きは朦朧としてる中レンに担がれて登ったから、どれくらい階段降りなきゃいけないのかと思ったら、なんと! エレベーターがあった!
広いわりには三人乗りで、俺とハオとサイが乗った。
ジジは階段を使うそう。
「電気どうしてんの?」
「デンキ?」
「いや、どうやって動かしてんのかな? と思って」
「上に滑車を回すレバーがあって、民が回しているんですよ」
まさかの人力だった。
闘技場は塔の地下にあった。
ローマのコロッセオみたいなところを想像していたけど、どちらかといえばプロレスの会場みたい。
すり鉢状の広間の真ん中に一段高くなったところが、戦うところっぽい。
そのまわりをぐるっと一周するように観覧席が作られていて、大勢の人が集まっていた。蒸し風呂みたいに暑い……。
観覧席の一部、バルコニーみたいに突き出したところに俺たちはいた。
おそらくハオ用の席なんだろう。
「とうとう我らがハオ様が覇者となる日が来た」
よく通る声で演説をはじめたサイに、ざわついていた観衆が静まり返る。
「この百年、東西に分かれたチーダとダワラをひとつにする、その鍵となるアンダーウォーカーを手に入れたのだ!」
うぉぉという雄叫びが聞こえて、地面が揺れた。
すごい迫力に、気圧される。
足がすくんで、後ろに倒れかけたとき。ハオの腕が俺を支えてくれた。
「これがその、アンダーウォーカーだ!」
支えられたまま、一歩前に出されると、何十、何百という目が一気に俺に向いた。
こぇぇよ!
ただのサラリーマンだぞ。こんなにたくさんの人の前に立つなんて、高校のときの全校集会で表彰されたとき以来だ。
それも電車で忘れ物した人を追いかけて、なんとか渡せたけど遅刻してめちゃくちゃ怒られた。ただその人が地元の議員の秘書で、しばらくしてからその議員から学校に感謝状が贈られてきたのをもらうという。怒られ損みたいなやつ。
みんな俺のことなんてどうでもいい感じの。
いまは違う。
みんながみんな、俺を見てる。
どよめきと、ざわざわとした声が聞こえてきた。
「あれがアンダーウォーカー」
「白っ!」
「女か?」
「これでハオ様が統一してくれる……っ」
そんな中、ひときわ大きな身体をしたおっさんが声を上げた。
「みな騙されるな! 本物のアンダーウォーカーかどうか、わかったもんじゃないっ! 昔にもいただろう、白塗りした男が自分はアンダーウォーカーだと言ってロウに取り入ったことを!」
それを聞くと、ざわめきは疑念の声に変わった。
ロウってことは前の首領。ハオの育ての親で、殺した相手か。
疑うのも仕方ない。というか俺は本物のアンダーウォーカーじゃないし。
これで逃げられるかも?
そう思ったらいきなりハオに抱き寄せられた。
なんかしかも、怒ってる?
つかまれた腕が、めちゃくちゃ痛い。
「なに? 痛いんだけど?」
するといきなりビリビリビリって音が聞こえて、闘技場が静まり返った。
熱気でむわっとしていたのに、急に涼しくなった。
「これでも、偽物だと思うか?」
小さいけれど闘技場全体に響く声がした。
なにが、起きたんだ?
みんな相変わらず俺を見てるけど、驚きで口を開いてるやつとか、ニヤけ顔で口笛吹いてるやつもいる。あ、あれモヒカン頭のレンだ。
「チンコも白いんだな~」
って……。
「って、ぎゃぁぁぁぁ! 俺の服っ! お前、なにしてんのっ! 無理っ! 無理っ! みんなに見られたっ…! 信じらんねぇ、ハオ、お前ふざけんなっ!」
慌ててハオのマントをひったく、ろうとしたけど重くて奪えなくて仕方なく抱きつくようにしてマントの中にはいった。
バカヤロー! チンコが白いのは使用頻度のせいだ!
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