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.風呂に入れないなんて無理っ!絶対無理っ! 13
「せっかく風呂でキレイになったのに」
俺は胸にぶっかけられたハオの精子を、湯船のお湯で洗い流した。
うーん。
このままこのお湯に浸かりたくない。
「新しいお湯ないの?」
「サイに聞いてみる。おい、サイ! 新しい湯はあるか?」
「すぐには無理ですが、ご要望とあらば取りに行かせますが」
「へ? サイ、お前どこにいたのっ?」
「ずっとこちらにいましたが? 沐浴の儀式というのは、湯に浸かりながら子種を吐き出すことだったのですね」
……ずっと?
「いやはや、相変わらずよい声をあげられるので、ハオ様がマナ様を手に入れるのも時間の問題かと思いましたよ、クククッ」
「んがぁぁぁっ!」
全部見られてたっ! 聞かれてたっ!
無理っ! もう無理っ!
なんでなにも言わないんだよっ! 出ていったかと思うだろ!
「儀式についてはわからないことも多いですからね。楽しまれたようで、なによりです」
「違うからっ! これは、儀式でもなんでもないからっ!」
「なら単に楽しまれただけと、なるほどなるほど。クククッ」
サイのやつ、わかってて言ってやがる! クソムカつくやつだ!
「で、湯はどうなんだ」
俺が羞恥と腹立たしさでもがいてるのにハオは気にせず再度尋ねた。
「そうですねぇ。これだけの量ですからね。今回は急がせましたから、五日で汲めましたが、本来なら七日……いえ十日はかかりますね」
「……川の水なんじゃないの?」
「川の水ですよ? 川に下りるだけでも半日はかかりますからね」
川に、下りる?
もしかして俺の知ってる川とは違うのか?
「あの、川ってどんなとこなの?」
「一言で言えば、崖に囲まれた水の流れる場所ですね。アンダーウォーカーの地では違うのですか?」
「崖のところも、あるとは思うけど……。半日もかかるところなんて俺は知らない。もしかして、川の水って、貴重、だったりするのか?」
「それはもう。ミハラの水は作物を育てるのに一番適していますからね。地下水では育たない麦も、ミハラの水でなら実を付けます。だからミハラの民は危険を冒してでも、崖を下るんです」
半日かかる崖なんて、ロッククライミングするようなとこじゃないのか? 断崖絶壁、みたいな。そこから水を汲んで、また登って……。
この透明でキレイな水が、そんなに貴重なものだったなんて。
暴れて溢れて床に染み込んだ水が目に入る。
俺、なんてことしちゃったんだろう。
「ミハラの民には褒美を増やして、新たな水を手に入れろ。アンダーウォーカーさえ手に入れば、彼らは労を苦にはしな――」
「無理っ! 絶対無理っ! そんなだいじな水、もう風呂になんて使えないからっ! だから、やめて! 風呂なんてがまんするからっ! お願いっ、ハオ……」
無理だよ。俺なんかのために、使ったらいけないんだ。
俺はアンダーウォーカーなんかじゃないんだから……。
俺は胸にぶっかけられたハオの精子を、湯船のお湯で洗い流した。
うーん。
このままこのお湯に浸かりたくない。
「新しいお湯ないの?」
「サイに聞いてみる。おい、サイ! 新しい湯はあるか?」
「すぐには無理ですが、ご要望とあらば取りに行かせますが」
「へ? サイ、お前どこにいたのっ?」
「ずっとこちらにいましたが? 沐浴の儀式というのは、湯に浸かりながら子種を吐き出すことだったのですね」
……ずっと?
「いやはや、相変わらずよい声をあげられるので、ハオ様がマナ様を手に入れるのも時間の問題かと思いましたよ、クククッ」
「んがぁぁぁっ!」
全部見られてたっ! 聞かれてたっ!
無理っ! もう無理っ!
なんでなにも言わないんだよっ! 出ていったかと思うだろ!
「儀式についてはわからないことも多いですからね。楽しまれたようで、なによりです」
「違うからっ! これは、儀式でもなんでもないからっ!」
「なら単に楽しまれただけと、なるほどなるほど。クククッ」
サイのやつ、わかってて言ってやがる! クソムカつくやつだ!
「で、湯はどうなんだ」
俺が羞恥と腹立たしさでもがいてるのにハオは気にせず再度尋ねた。
「そうですねぇ。これだけの量ですからね。今回は急がせましたから、五日で汲めましたが、本来なら七日……いえ十日はかかりますね」
「……川の水なんじゃないの?」
「川の水ですよ? 川に下りるだけでも半日はかかりますからね」
川に、下りる?
もしかして俺の知ってる川とは違うのか?
「あの、川ってどんなとこなの?」
「一言で言えば、崖に囲まれた水の流れる場所ですね。アンダーウォーカーの地では違うのですか?」
「崖のところも、あるとは思うけど……。半日もかかるところなんて俺は知らない。もしかして、川の水って、貴重、だったりするのか?」
「それはもう。ミハラの水は作物を育てるのに一番適していますからね。地下水では育たない麦も、ミハラの水でなら実を付けます。だからミハラの民は危険を冒してでも、崖を下るんです」
半日かかる崖なんて、ロッククライミングするようなとこじゃないのか? 断崖絶壁、みたいな。そこから水を汲んで、また登って……。
この透明でキレイな水が、そんなに貴重なものだったなんて。
暴れて溢れて床に染み込んだ水が目に入る。
俺、なんてことしちゃったんだろう。
「ミハラの民には褒美を増やして、新たな水を手に入れろ。アンダーウォーカーさえ手に入れば、彼らは労を苦にはしな――」
「無理っ! 絶対無理っ! そんなだいじな水、もう風呂になんて使えないからっ! だから、やめて! 風呂なんてがまんするからっ! お願いっ、ハオ……」
無理だよ。俺なんかのために、使ったらいけないんだ。
俺はアンダーウォーカーなんかじゃないんだから……。
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