狐の声劇台本置場

小狐門(ごんぎつねもん)

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楽しい楽しい地獄旅【ダークファンタジー】

プロローグ【二人用台本(不問=2)・10分程度】

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楽しい楽しい地獄旅【プロローグ】


セラフィー 性別不問
 純粋無垢であり、地獄と天国の対応の差に意義を唱える。愛の天使。

ルシファー 性別不問
 地獄の王。基本的に無表情ながら、セラフィーを歓迎することになる。














ルシファー : こんにちは。君が神の言っていた天使だね。私はルシファー。気軽にルーシーとでも呼んでくれ。

セラフィー : こんにちは!私はセラフィーと申します!ルシファー様には無理を言ってしまって……。

ルシファー : こらこら。立派な熾天使セラフィムである君が、私のような堕天使を様付けで呼んではいけないよ。

セラフィー : も、申し訳ありません!ですが、やっぱり私よりも年上の貴方様を敬称なしで呼ぶのは、少々、申し訳ない、というか……。

ルシファー : そうか。分からなくは無いけれど、そんな遠慮は要らないよ。私は天使どころか、天国のたみにすら遠く及ばない。

セラフィー : そんな……!こんなに美しい羽と容姿を持つ貴方様が、ただの元人間にすら及ばないと!?

ルシファー : ……君、本当に……ああ、いや、何でもない。それよりも、君は不思議な子だね。

セラフィー : え、私ですか?何故?

ルシファー : だって君、こんな羽を美しいと言っただろう?

セラフィー : 美しいじゃありませんか。こんな羽、なんて言ったら可哀想です!

ルシファー : ……こんな、炎に焼き尽くされた黒い羽根だと言うのに。

セラフィー : それでも、美しいではありませんか。漆黒の羽根は光沢を放っているし、白く無垢な顔をしていらっしゃる……綺麗な切れ長の目尻も、アメジストのように輝く瞳も、なんと美しいことか……!

ルシファー : ……ふ、ふふ。全く本当に、不思議な子だよ、君は。愛の天使の名に相応しいふさわしい性格の持ち主だね。

セラフィー : そ、そんなに言われると照れますよ。でも私は、思ったことをそのまま口に出しただけなんです……!

ルシファー : 分かっているよ。どうか、君にはそのままいて欲しいところだ。

セラフィー : え、えへへ。

ルシファー : とりあえず、今の状況を整理しつつ、今回の君と共に行うおこなうことの説明をすることにするよ。

セラフィー : はい!よろしくお願いします!

ルシファー : まず、君が地獄に来た理由だけど、地獄と天国との人々の対応の差に異議を唱えたからだと聞いたよ。

セラフィー : そうなんです……私は時節ときせつ、地獄という場所を見ていました……ですが、天国に来たかれらとは違い、血と悪意に塗れ、恐怖に振るえている姿を見ました。あまりに酷くはありませんか!?

ルシファー : ……そうは言うけれど、地獄にはどんな人が来るかは分かっているのかな?

セラフィー : 知っています。生前に悪いことをした人間たちが行く場所であると……それでも、一度の過ちあやまちに対する罰にしては過剰だと思うのです!私は、人間たちを愛している、だから、あんなに可哀想な姿は見ていられないのです!

ルシファー : 人間とはそういうものだよ。悪意と欲にまみれ、善意は全て、悪意に覆いこまれる。だからこその罰なんだ。

セラフィー : それでも……反省した者ですら、地獄からでることが出来ないではありませんか!救済措置があってもいいと思うのです!

ルシファー : 人間はそんなに簡単に更生なんて出来ないのさ。

セラフィー : それでも……!本当に、可哀想で……。

ルシファー : まあ、君は地獄を常に見ている訳では無い。だからこその、可哀想という言葉なんだろう。話していて分かった……他のセラフィムから、地獄を見せてやってくれと言われたのも納得だね。

セラフィー : やっぱり、迷惑ですよね……ごめんなさい。

ルシファー : いいや、いいよ。する事の話はまだだったね。

セラフィー : そうですね、でも本当にいいんですか?私、ここにいても……。

ルシファー : まあ構わないけど、あまり長時間ここにいるのはオススメしないよ。少しずつ、少しずつだけど君の体が穢れけがれで燃えていくからね。

セラフィー : 燃えて?

ルシファー : そう、その羽根の先を見てご覧。

セラフィー : 羽の先……あ、ちょっと黒くなってる!

ルシファー : ここは穢れの溜まり場だからね。たとえセラフィムの浄化の力があろうが、浄化速度よりも穢れる速さの方が早いんだよ。

セラフィー : そうなんですね……もし、羽根が全て黒くなっちゃったら、私は天界には帰れない、のでしょうか。

ルシファー : そうだね。天界に足を踏み入れたら、全身が焼ける。人間の産んだ穢れとは、そういうものさ。

セラフィー : ……穢れって、怖いんですね。

ルシファー : そうだね。私だって、君に触れたら指の先が消えてしまうかもしれない。きっと君も火傷を負うだろうし。

セラフィー : ちなみになんですけど、その穢れって、表情にも現れるんですか?

ルシファー : なんでだい?

セラフィー : さっきから、ルシファー様……いえ、ルーシー様はずっと無表情であらせられます。

ルシファー : ルーシー様って……いや、そうなんだね……もう久しく自分の顔なんて見ていないから、分からなかったよ。だけど、穢れはあまり関係がないよ。恐らく、表情を作る必要が無さすぎて、表情を作ることを忘れてしまったんだと思う。

セラフィー : そう、なんですね。そんなことが有り得るんですか……。

ルシファー : そういうものだと思うよ。ああ、すまない、話がズレてしまったね。

セラフィー : え、いえいえ!私から話し始めたことですし!

ルシファー : それはありがたい。話しづらいとは思うけど、これに慣れてくれると嬉しいよ。

セラフィー : そこは全然!気にしないでください!ルシ……ルーシー様が優しいお方なのは話していてわかるので!

ルシファー : 優しい、か。優しい者であれていたのなら、良かったんだけどね。

セラフィー : あ、その、少しお聞きしたいんですけど……。

ルシファー : 何かな?

セラフィー : なんで、ルーシー様は堕天したのかなって……。

ルシファー : ……堕天の理由は、まだ話せない。もう少し待ってくれないかな。

セラフィー : あ、はい!分かりました!すみません……。

ルシファー : 気にしなくていいよ。とりあえず説明に入ろう。きちんと説明に入らないと、君も困るだろうから。

セラフィー : いえ!私は、貴方様とお話出来ているだけでもう十分です!

ルシファー : そっか。あんまりそういうことを悪魔に言うのは、良くないよ。どんな悪用をされるか分からないからね。気をつけて。

セラフィー : はい!気をつけます!

ルシファー : うん、いい返事だ。それじゃあ、改めて説明をするよ。まず、君がここに来るのは私が呼んでからだ。理由はわかるね?

セラフィー : 身体が、地獄の穢れで焼けるから、ですよね?

ルシファー : 分かっているならいい。今は体に影響が無いだろうけど、いつ悪化するかなんてわからないからね。羽根がまた少し、燃えたあとが拡がっているし。

セラフィー : 本当に、私のことを沢山考えていただいていますね……ありがとうございます!けど、自分のことは自分が一番分かってます!まだ大丈夫です!

ルシファー : そうか、ならいいけど。でも、油断しちゃいけないよ。

セラフィー : はい!胸に刻みますね!

ルシファー : うん。それじゃあ話を続けるね。君が地獄に来てすることは、私の仕事の手伝いだよ。

セラフィー : お手伝い、ですか?

ルシファー : そう。最近は地獄も少しずつ荒れてきているんだ。それを正していかなくちゃいけないからね。

セラフィー : なるほど。お仕事をしながら、地獄の現状を見るって考えると、凄く効率がいいですね、それ!分かりました!

ルシファー : 物分りが良くて助かるよ。ありがとう。質問とか疑問はあったかな?

セラフィー : 特にはありません!次に地獄に来るのも、ルーシー様のお手伝いをするのも楽しみです!よろしくお願いします!

ルシファー : こちらこそよろしくね。じゃあ、これ以上穢れが移る前に帰った方がいい。

セラフィー : そうですね……今のところは何もありませんけど、安全が優先ですからね!ルーシー様、本日はありがとうございました!それでは!

ルシファー : うん。またいつかね。………………どうか、君は、君だけは……私のように堕ちない事を祈っているよ。私が祈ろうが祈らなかろうが、君にはなんの影響もないんだろうけれど。


   天界にて。


セラフィー : うっ、羽根がちょっとだけ痺れる……!でも少しずつ白くなってきてるし、きっと大丈夫だね!地獄のお仕事楽しみだなぁ……頑張らなきゃ!ふんふふーん!
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