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第二巻『[人間]の業は 人の傲慢で 贖われる。』(RoGD Ch.3)
Verse 2-10
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天気はよく晴れた。ジャンはジークフリート達が荷物を車から出している間、良さそうな場所を見つける為に、先に不揃いな芝生の上を歩いていた。
「んー、ここがいいかな?」
オーストリアに近い南ドイツの一地方である。その古風で伝統的な建物やのどかな牛の鳴き声は、仕事の忙しさを忘れて休むのに持ってこいの土地であった。ジークフリートの祖先も、元はこの近くに住んでいたらしいが、現在はベルリンにその住処を移したという。
「ハンスー! どこだ!」
「ここだよここ!」
ヨハンと二人きりになる案を練ろうとしていたが、男二人では荷物を運ぶのにそうかからなかった。ジークフリートは広いレジャーシートとそれを止める為の重し、ヨハンはランチが詰まったバスケットと話のネタが入ったバッグを持ってやってきた。
「おぉ、見晴らしがいいな。ジャン、レジャーシート敷くのを手伝ってくれ。ヨハンは重しを置いてくれるか?」
高原のお陰で、風が多少強いが、過ごす分には特に問題はない。レジャーシートにだけは気を配る必要はあったが。
「それにしても、どうしてピクニックを?」
あの時ジャンとヨハンを誘ったからには、ジークフリートは一人で行くつもりだったのだろうか、と首を傾げた。
「いや、二人が南仏だのイタリアだのにバカンス行ってるのが羨ましかっただけだ。僕が長期休暇取ると総統閣下がへそを曲げるし。折角二人も会った事だし、まあ交友を深めるにも僕が休むにもピクニックが一番だろうと思ってな。」
ジャンとジークフリートは、ヨハンが重しを置くとレジャーシートから手を離した。
「まさかジークフリートがそんなに気が効く奴だとは思わなかったよ。」
「軽く馬鹿にしてきたな。……よし、今日のサンドウィッチは腕によりをかけて作ったんだぞ。残ったら僕が家で全部食べちゃうからな。」
バスケットの蓋を開けると、そこには種類ごとにはみ出しもなく分けられたサンドイッチが、三人で時間をかけて漸く食べきれる量があった。
「この量は一体……。」
「ランチだけじゃないぞ。喋ってたらお腹が空くに決まってる。ベルリンには明るいうちに着くつもりだが、帰りの車の中でも食べていいからな。」
ドイツ人らしく全部肉、と思いきや、中には色とりどりの野菜のみのサンドイッチやフルーツのサンドイッチもあったり、二段目のバスケットには冷えていなくても大丈夫な大きめのプディングが三つ仕舞ってあったりと、かなり用意周到であった。
「ジークフリートさん、お料理上手ですね……。」
「今回ばかりは少し張り切りすぎたけどな。毎日一人で食べる食事はこんなに作り込んでないぞ。だから今日は特別だ。」
朝食はしっかり食べてきたつもりであったが、ジャンはサンドイッチやその下に別の容器で詰めてあったハーブ焼きチキンの香りですっかり腹が空いてしまった。
「い、今食べてもいい?」
「勿論。ヨハンもお腹が減ったらつまんでいいからな。」
などと言いながら、一番最初にツナのサンドイッチを手に取ったのはジークフリートであった。
三人が話したのは、まずお互いの身の上話。ジャンには心の痛い事に正直な事は話せず、半ば嘘をついた。実は百年戦争の頃の祖先はブルゴーニュ地方に住んでいたらしい、だとか、だから生まれもアルザス・ロレーヌ地方の国境付近、だとか、この間の友人フィリップもそこら辺に生まれた、だとか、そんなところである。
「ブルゴーニュか、いつかそっちも行ってみたいな。ワインとかチーズとか美味しいんだろ?」
「美味しいよ。南仏に行く前にちょっと寄ってきたんだけど、絶品だった。」
現在リーズが居を構えているのはブルゴーニュ地方の一地区である。時のフランス大統領には、お暇を頂きます、と言って無理矢理、無制限の休暇をもぎ取ってきたという。
「僕もいつか、ブルゴーニュに行って羊を見てみたいです。」
「そうか、あっちは羊毛が沢山とれるからな。羊の毛刈りって見た事あるか? 剃られた後にはかなり間抜けな姿になるらしい。」
飲み物は、ジークフリートの家で毎年作っている自家製の、蜂蜜を混ぜたりんごジュースである。琥珀色とは行かずともその澄み切った金色は、実に美しかった。
「あぁ滅茶苦茶間抜けだよ。なんたってあの分厚い毛皮がなくなったらもう山羊と見分けがつかない。丸裸なんだから。」
ジャンの言い分に、二人は吹き出した。
「そういえば、ヨハンが持ってきたそれは……?」
先程話のネタの道具を置いた場所を指すと、ヨハンは振り返ってそれを取った。ヴァイオリンケースである。
「これはヴァイオリンです。兄さんはピアノを弾くので、僕はジークフリートさんに教わってヴァイオリンを練習してます。」
「うぇ?ジークフリート、ヴァイオリン弾けるの?」
ジュースに濡れた口をナフキンで拭って、ジークフリートは頷いた。
「あぁ。総統閣下にも聞かせた事があるぞ。」
ヨハンがケースを開くと、そこにはニス塗りたての輝くヴァイオリンがあった。
「すっげぇ。俺オーケストラとかで遠目で見た事はあるけど、こうやって楽器を間近に見た事はないなぁ。」
「良かったら一曲弾きましょうか?」
弦のチューニングをしながら、ヨハンはそう聞いた。
「あぁそうだ。僕の耳が間違ってなければヨハンはいい音を出すぞ。まだまだ荒削りだけどな。」
チューニングを終えて弓を張り、ヨハンは手慣らしにきらきら星を弾く。弾き終えると、ジャンは軽い拍手を送った。
「僕のも持ってくれば良かったな。どうだヨハン、折角だし得意なカノンなんか。」
「カノンですか?確かにお気に入りですけど……。」
ちらりとジャンの方を見れば、彼も興味津々とばかりに目を輝かせている。
「じゃ、じゃあセカンドのだけ。弾きます。」
ヴァイオリンを構えて、ヨハンはハッヘルベルの作曲したカノンを息を吸うとともに演奏し始めた。セカンドだけでは非常に素朴であったが、鳥のさえずりと草木のざわめきしか聞こえない野原で、彼の奏でる音は高く響いた。ヨハンの奏でるヴァイオリンには、どんなコンサートホールよりも自然の中が最も似合うのかもしれないと、ジャンは目を瞑って音色を聞きながら思う。最後の音がゆっくりと青空と緑の向こうに消えていくと、ジークフリートとジャンは一呼吸置いて拍手をした。
「いい演奏だった。」
「すごい……。」
照れながらヨハンは俯いて、ゆっくりとヴァイオリンをケースの中に仕舞った。
「あ、ありがとうございます。」
りんごジュースを受け取ると、ヨハンは一気に飲み干す。
「緊張すると、よく喉が乾くんですよね……。」
「あぁ、僕もそれで水を飲みすぎてトイレが近くなって失敗した事がある。」
突然のジークフリートの失敗談に、ジャンが吹き出した。
「え、それどうしたの?」
「あぁ、少し時間を遅らせてもらって行ったさ。トイレに。」
とぼけた表情でそう言ったジークフリートに、三人は一拍子置いて高原の上で笑い転げた。
結局終始ヨハンと二人きりにはなれなかったが、ジャンは言葉を交わせたのを良しとして意気揚々とジークフリートの車で帰宅した。
「お帰り、収穫はどうだ?」
「まあまあってところかな。ヨハンとは沢山話せたけど、二人きりにはなれなかったし。」
ツイードジャケットを脱いで、ジャンはキッチンに立つフィリップ二世を覗いた。
「今日は鮭のムニエルだ。さっさとシャワー行くなり服着替えるなりしてこい。」
フライパンの上で鮭を転がしながら、フィリップ二世はジャンを見もせずに言った。ジャンが階段を駆け上がっていくと、フィリップ二世はスイッチを入れる。
「そんで? そのうんたらいう男子がなんだって?」
『とぼけても無駄だよフィリップ。島田君が言うに君もそのイフの帝國にいたらしいじゃないか。見たんでしょ。日焼け肌の男の子。』
無線機の向こう側にいるのはアルフレッドである。どこから聞きつけたのか、とフィリップ二世はため息をついた。あの青年に会うまでだれにも話すつもりではなかったのだが、こうなっては作戦変更である。
「あぁ、見たぜ。双刃の刀ってなぁ珍しかったな。」
『それはいいんだよ、名前は? 何て呼ばれてたか聞いた?』
気が逸ってるな、と内心悪態をつきながら、フィリップ二世はブロッコリーを盛りつける。
「あぁ。なんでも、れい、って呼ばれてた。」
『本当かい!? 聞き間違いじゃなく!?』
フライパンとフライ返しをシンクに放り出すと、フィリップ二世はジャンが降りてくる音を聞きつけて無線機に指を翳す。
「はいはい聞き間違いじゃねぇよ。じゃあな、そっちも頑張れや。」
アルフレッドの静止の声も聞かずに、フィリップ二世は思い切り回線を切った。
「おら飯だ。」
野菜一杯のコンソメスープとタルタルソースのかかった鮭のムニエルを見て、ジャンは目を輝かせる。
「フィリップって将来喜ばれそうだよね。」
「喜ばす女もいねぇわ。」
席について、ジャンは向かい側の席を見る。いつもなら理恵の食事も置かれているはずだが、今回はない。
「あれ、理恵ちゃんは?」
「暫く本格的な仕事だそうだ。今夜はいないらしい。」
ふーん、とジャンは呟いて、スプーンを手に取った。
* * *
「んー、ここがいいかな?」
オーストリアに近い南ドイツの一地方である。その古風で伝統的な建物やのどかな牛の鳴き声は、仕事の忙しさを忘れて休むのに持ってこいの土地であった。ジークフリートの祖先も、元はこの近くに住んでいたらしいが、現在はベルリンにその住処を移したという。
「ハンスー! どこだ!」
「ここだよここ!」
ヨハンと二人きりになる案を練ろうとしていたが、男二人では荷物を運ぶのにそうかからなかった。ジークフリートは広いレジャーシートとそれを止める為の重し、ヨハンはランチが詰まったバスケットと話のネタが入ったバッグを持ってやってきた。
「おぉ、見晴らしがいいな。ジャン、レジャーシート敷くのを手伝ってくれ。ヨハンは重しを置いてくれるか?」
高原のお陰で、風が多少強いが、過ごす分には特に問題はない。レジャーシートにだけは気を配る必要はあったが。
「それにしても、どうしてピクニックを?」
あの時ジャンとヨハンを誘ったからには、ジークフリートは一人で行くつもりだったのだろうか、と首を傾げた。
「いや、二人が南仏だのイタリアだのにバカンス行ってるのが羨ましかっただけだ。僕が長期休暇取ると総統閣下がへそを曲げるし。折角二人も会った事だし、まあ交友を深めるにも僕が休むにもピクニックが一番だろうと思ってな。」
ジャンとジークフリートは、ヨハンが重しを置くとレジャーシートから手を離した。
「まさかジークフリートがそんなに気が効く奴だとは思わなかったよ。」
「軽く馬鹿にしてきたな。……よし、今日のサンドウィッチは腕によりをかけて作ったんだぞ。残ったら僕が家で全部食べちゃうからな。」
バスケットの蓋を開けると、そこには種類ごとにはみ出しもなく分けられたサンドイッチが、三人で時間をかけて漸く食べきれる量があった。
「この量は一体……。」
「ランチだけじゃないぞ。喋ってたらお腹が空くに決まってる。ベルリンには明るいうちに着くつもりだが、帰りの車の中でも食べていいからな。」
ドイツ人らしく全部肉、と思いきや、中には色とりどりの野菜のみのサンドイッチやフルーツのサンドイッチもあったり、二段目のバスケットには冷えていなくても大丈夫な大きめのプディングが三つ仕舞ってあったりと、かなり用意周到であった。
「ジークフリートさん、お料理上手ですね……。」
「今回ばかりは少し張り切りすぎたけどな。毎日一人で食べる食事はこんなに作り込んでないぞ。だから今日は特別だ。」
朝食はしっかり食べてきたつもりであったが、ジャンはサンドイッチやその下に別の容器で詰めてあったハーブ焼きチキンの香りですっかり腹が空いてしまった。
「い、今食べてもいい?」
「勿論。ヨハンもお腹が減ったらつまんでいいからな。」
などと言いながら、一番最初にツナのサンドイッチを手に取ったのはジークフリートであった。
三人が話したのは、まずお互いの身の上話。ジャンには心の痛い事に正直な事は話せず、半ば嘘をついた。実は百年戦争の頃の祖先はブルゴーニュ地方に住んでいたらしい、だとか、だから生まれもアルザス・ロレーヌ地方の国境付近、だとか、この間の友人フィリップもそこら辺に生まれた、だとか、そんなところである。
「ブルゴーニュか、いつかそっちも行ってみたいな。ワインとかチーズとか美味しいんだろ?」
「美味しいよ。南仏に行く前にちょっと寄ってきたんだけど、絶品だった。」
現在リーズが居を構えているのはブルゴーニュ地方の一地区である。時のフランス大統領には、お暇を頂きます、と言って無理矢理、無制限の休暇をもぎ取ってきたという。
「僕もいつか、ブルゴーニュに行って羊を見てみたいです。」
「そうか、あっちは羊毛が沢山とれるからな。羊の毛刈りって見た事あるか? 剃られた後にはかなり間抜けな姿になるらしい。」
飲み物は、ジークフリートの家で毎年作っている自家製の、蜂蜜を混ぜたりんごジュースである。琥珀色とは行かずともその澄み切った金色は、実に美しかった。
「あぁ滅茶苦茶間抜けだよ。なんたってあの分厚い毛皮がなくなったらもう山羊と見分けがつかない。丸裸なんだから。」
ジャンの言い分に、二人は吹き出した。
「そういえば、ヨハンが持ってきたそれは……?」
先程話のネタの道具を置いた場所を指すと、ヨハンは振り返ってそれを取った。ヴァイオリンケースである。
「これはヴァイオリンです。兄さんはピアノを弾くので、僕はジークフリートさんに教わってヴァイオリンを練習してます。」
「うぇ?ジークフリート、ヴァイオリン弾けるの?」
ジュースに濡れた口をナフキンで拭って、ジークフリートは頷いた。
「あぁ。総統閣下にも聞かせた事があるぞ。」
ヨハンがケースを開くと、そこにはニス塗りたての輝くヴァイオリンがあった。
「すっげぇ。俺オーケストラとかで遠目で見た事はあるけど、こうやって楽器を間近に見た事はないなぁ。」
「良かったら一曲弾きましょうか?」
弦のチューニングをしながら、ヨハンはそう聞いた。
「あぁそうだ。僕の耳が間違ってなければヨハンはいい音を出すぞ。まだまだ荒削りだけどな。」
チューニングを終えて弓を張り、ヨハンは手慣らしにきらきら星を弾く。弾き終えると、ジャンは軽い拍手を送った。
「僕のも持ってくれば良かったな。どうだヨハン、折角だし得意なカノンなんか。」
「カノンですか?確かにお気に入りですけど……。」
ちらりとジャンの方を見れば、彼も興味津々とばかりに目を輝かせている。
「じゃ、じゃあセカンドのだけ。弾きます。」
ヴァイオリンを構えて、ヨハンはハッヘルベルの作曲したカノンを息を吸うとともに演奏し始めた。セカンドだけでは非常に素朴であったが、鳥のさえずりと草木のざわめきしか聞こえない野原で、彼の奏でる音は高く響いた。ヨハンの奏でるヴァイオリンには、どんなコンサートホールよりも自然の中が最も似合うのかもしれないと、ジャンは目を瞑って音色を聞きながら思う。最後の音がゆっくりと青空と緑の向こうに消えていくと、ジークフリートとジャンは一呼吸置いて拍手をした。
「いい演奏だった。」
「すごい……。」
照れながらヨハンは俯いて、ゆっくりとヴァイオリンをケースの中に仕舞った。
「あ、ありがとうございます。」
りんごジュースを受け取ると、ヨハンは一気に飲み干す。
「緊張すると、よく喉が乾くんですよね……。」
「あぁ、僕もそれで水を飲みすぎてトイレが近くなって失敗した事がある。」
突然のジークフリートの失敗談に、ジャンが吹き出した。
「え、それどうしたの?」
「あぁ、少し時間を遅らせてもらって行ったさ。トイレに。」
とぼけた表情でそう言ったジークフリートに、三人は一拍子置いて高原の上で笑い転げた。
結局終始ヨハンと二人きりにはなれなかったが、ジャンは言葉を交わせたのを良しとして意気揚々とジークフリートの車で帰宅した。
「お帰り、収穫はどうだ?」
「まあまあってところかな。ヨハンとは沢山話せたけど、二人きりにはなれなかったし。」
ツイードジャケットを脱いで、ジャンはキッチンに立つフィリップ二世を覗いた。
「今日は鮭のムニエルだ。さっさとシャワー行くなり服着替えるなりしてこい。」
フライパンの上で鮭を転がしながら、フィリップ二世はジャンを見もせずに言った。ジャンが階段を駆け上がっていくと、フィリップ二世はスイッチを入れる。
「そんで? そのうんたらいう男子がなんだって?」
『とぼけても無駄だよフィリップ。島田君が言うに君もそのイフの帝國にいたらしいじゃないか。見たんでしょ。日焼け肌の男の子。』
無線機の向こう側にいるのはアルフレッドである。どこから聞きつけたのか、とフィリップ二世はため息をついた。あの青年に会うまでだれにも話すつもりではなかったのだが、こうなっては作戦変更である。
「あぁ、見たぜ。双刃の刀ってなぁ珍しかったな。」
『それはいいんだよ、名前は? 何て呼ばれてたか聞いた?』
気が逸ってるな、と内心悪態をつきながら、フィリップ二世はブロッコリーを盛りつける。
「あぁ。なんでも、れい、って呼ばれてた。」
『本当かい!? 聞き間違いじゃなく!?』
フライパンとフライ返しをシンクに放り出すと、フィリップ二世はジャンが降りてくる音を聞きつけて無線機に指を翳す。
「はいはい聞き間違いじゃねぇよ。じゃあな、そっちも頑張れや。」
アルフレッドの静止の声も聞かずに、フィリップ二世は思い切り回線を切った。
「おら飯だ。」
野菜一杯のコンソメスープとタルタルソースのかかった鮭のムニエルを見て、ジャンは目を輝かせる。
「フィリップって将来喜ばれそうだよね。」
「喜ばす女もいねぇわ。」
席について、ジャンは向かい側の席を見る。いつもなら理恵の食事も置かれているはずだが、今回はない。
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ふーん、とジャンは呟いて、スプーンを手に取った。
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