1分で読めるBL小説③

金色葵

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1分で読めるBL小説③

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「ハァ......」
直は緊張で鼓動が早くなる胸を押えた。
今日は高校の同窓会。この同窓会に直は並々ならぬ気合で参加していた。
高校時代持って生まれた可愛さから男女問わずアイドル的な人気があった直。先輩、後輩、同級生、果ては教育実習生に至るまで告白された回数は数え知れない。
だけど直は高校3年間ずっと片想いしていた相手がいるのだ。
東部優斗、3年間クラスが一緒だった彼。
直とは正反対の地味で目立たない分厚いレンズの眼鏡が野暮ったい優斗だったが、直の見た目や人気に惑わされず、直自身を見てくれる人だった。
卒業式告白すると決めていたが、周りの目を気にして直は結局告白できずにいた。あれから2年経っても直は優斗のことが忘れられない。
今日優斗がこの同窓会に来るのはリサーチ済みだ。
「よし!今日こそ......絶対に!」
今度こそ絶対告白してみせる、そう直は強く心に誓っていた。
その時周りがザワついた。
「あの人誰!?」
「あんな奴うちのクラスにいたか......」
聞こえた声に直は振り向く。するとそこには恐ろしいぐらいのイケメンが立っていた。
「東部......」
直の言葉に周りが更にザワつく。
「西河くん、久しぶり」
直を見た優斗が照れるように微笑んだ。その瞳が直を見つめて愛しそうに細められる。
「西河くんに見合う男になれるようにこの2年間必死で頑張ったんだ。こんな俺だけど......俺と結婚前提に付き合ってもらえますか?」
結婚前提!?俺達まだ二十歳になったばっかりなのにと周りが騒然とする。
「前のままで良かったのに......」
「...........やっぱりこのぐらいじゃ俺はまだまだ西河くんに見合わな......っ!」
直の言葉に肩を落としかけた優斗は最後まで喋ることができなかった。
だって直が思いっきり優斗に抱きついたから。
「そんなわけないだろ!も~~お前最高すぎ!!」
「西河くん」
「俺もずっと東部のことが好き。こちらこそよろしくお願いします」
あまりの嬉しさに泣き出す直を優斗はとても幸せそうな顔で強く抱きしめた。
「......なんかよく分かんないけど」
「めでたいな!!」
おめでとう~とクラスメイトが囃し立て同窓会は大いに盛り上がった。

その後二人は同窓会が開かれる度に、今日のことをイジられ続けるのだった。
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