夢氷

エンドクルス

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夢氷

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アパートに着きガタンとドアを閉めて、俺は男泣きした。こんなに泣いたのはCL○○NADを見て以来なんじゃないかと思う。何ならリトバスでも可。涙の量は同じくらい、込み上がるものは違うけど。
「BBAァ、マジ怖ぇ」
取り敢えずスッキリしたので食材を冷蔵庫に詰めることにした。
一人暮らしなんだからと母親が舐めてかかった末路がこの2段式の冷蔵庫である。自炊をするのにもかかわらず、小さくて2段とか全然ため買いすることができない。そのくせ月3くらいのペースで何かを送って来るのだから何とかしてほしい。 
 
冷凍庫に当たる下段に買った冷食を押し込んで、例の氷を空いているスペースに瓶ごとひっくり返すと氷は気のせいか7色に見えた。表現は悪いがタマムシ的な、緑と赤が主体のあの感じである。しかし氷は氷でも家庭の製氷器で作るものとは違うのだから、透明感が作用してそう見えたのかもしれない。
こうしてしばらく冷蔵庫に食料入れたり、電子レンジの汚れが気にってきて掃除したり、シンクの汚れが気になって…なんてしているうちに喉が渇いたので緑茶を飲むことにした。
先ほどのスーパーで買った2リットル100円の緑茶、国産なのが売りらしい、あまり気にしたことはないが国産でもピンキリあると思うだが、世の中やったもん勝ちというところはある。
買って来たばかりだったので冷えていないこともあり、というかそれは言い訳で本当は氷を使ってみたかったので使ってみることにした。
大福くらいの氷を3個ほど、入れて茶を注いでみる。特に変化はない、カランカランと氷の涼しげな音がしたくらいで何の変哲もなかった。
「ぼったくり…なのだろうか。」
思わず口に出してしまうほど、しっくりきてしまう。
くそ、主婦っぽい見た目だったから思わずクリーンなイメージによって疑うことなく買ってしまうとは、恥ずかしい。
チクショウと○イヤ人の王子にならって言い放つと俺はお茶飲んだ。冷たい美味しい緑茶だった。味も変化なし、おしまいだよ!おしまいぃ!
こんな氷100円か200円で買えてしまうじゃないか、400円もマイナスだと、プッカ4箱買えるやん。

「何怒ってるの、おにぃちゃん。」
「え?」
バタバタと俺は部屋の隅に転がり逃げた。
この部屋、訳あり物件だったのか?それともアニメの見過ぎでとうとう頭がいかれたのか。おそるおそる床から視点を上げてみる。つうーっと徐々に慎重に上げると…そこには見慣れない、おなごの御御足がありますた。
「何見てんの?」
急に覗き込んでくる顔が視界に入って俺はピィッと情けない声を上げてしまった。
この部屋に幼女の幽霊がいたなんて、どうしよう、俺、霊感に目覚めてしまったのか、霊能力使ってバトルアクションしなきゃいけないのかなぁ。
とりあえず今は未知との遭遇を果たしてしまったので意思の疎通が出来るかやってみる。
「はじめまして、きみどこからきたの?」
「何言ってるの?お兄ちゃん。おままごとはいまやってないよ。」
見た目5歳の黒髪ツインテ(フリフリフリルのついた、大きなお友だちがよだれを垂らして崇めそうなコス)は俺をふざけるなと返してきた。
「きみ、名前は?」
「ねぇもうさぁー、そのよそよそしい奴やめてよお兄ちゃん、私![千秋]、ちあき、チーパンジーのちに、秋冬のあきだぉ。」めんどくさがりながらも幼女は俺に自己紹介をしてくれた。最後に至っては投げやりになりつつあったが、千秋という女の子らしい。
「お父さんとお母さんはどうしたのかな?」
このセリフを幽霊の幼女に言う日が来るなんて、世界は何があるかわからないよ、お母さん。
「ねぇ、私さ、夢の住人なんだからいるわけないじゃん」
「夢の住人て何?マンションの名前はまだ聞いてないよ?」
「夢氷、使ったでしょ」
幼女の顔は陰りを帯び、おちらの行動を楽しんでいるかのように見えた。俺は得体の知れないものに本当に出会ってしまったんだ。
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