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「……え?」
突然投下された爆弾発言にミシェラは唖然とするが、ロベルグはそんなミシェラの様子に気付かず、ギュッと布団を握り締めると、胸の中に溜まった蟠りを吐露する様に言った。
「……最初は大丈夫でした。それこそ腰を抜かした男爵令息の姿には胸がスカッとしましたし、慌てふためく貴族子女達の姿は痛快でした。しかし、いくら貴族子女達に好かれようと、あの男爵令息に懐かれようと、私の心は満たされませんでした。……そう、何故ならばミシェラ王女殿下……この世で誰よりも愛している貴女が『生まれ変わったロベルグ』を受け入れてくれなかったからです。……それが、なによりも辛かった……」
目を伏せて悲しげな声で吐露したロベルグの言葉にミシェラはキョトンと目を丸くすると、不可解そうな顔をして首を傾げた。
「ん?んん?えーと……ちょっと待って。聞き間違いじゃなければロベルグは今、ワタクシの事を愛しているって言ったかしら……?」
「……はい。十年前のあの日からミシェラ王女殿下をお慕い申し上げてます。」
「ああ、十年前のあの日から……って、ええ!?つまり出会った当時からワタクシの事が好きだったってこと!?ええ!?う、嘘でしょ!?」
まるで驚愕の事実を知ったと言わんばかりに驚くミシェラの反応にロベルグは珍しく怪訝そうに眉を顰める。
「……もしかして、ミシェラ王女殿下には私の気持ちが伝わっていませんでしたか?」
「伝わってないも何も……いつも無愛想だったし、口数も少ないし、一定の距離以上近付いて来ないから……てっきり私の事が嫌いで王配の地位だけが欲しいのかと思っていたわ。」
「……、……そうですか」
ミシェラの正直過ぎる告白にどうやら自分の十年にも及ぶ想いが全く伝わってないばかりか『王配の地位にだけしか興味がない男』だとミシェラに思われていた事実を突き付けられたロベルグはやや覇気が無い声で相槌を打つとギシッとベッドを軋ませて起き上がる。そして、紫の瞳を真っ直ぐミシェラに向けながら真剣な顔で口を開いた。
「……ミシェラ王女殿下。私は貴女に近付く全ての男を殺したいほど貴女を愛しています。しかし……きっと私のこの想いは次期王配として相応しくないものでしょう。だから、だからこそ、ミシェラ王女殿下に選んで頂きたい。このロベルグ・ハーヴァを夫にするか……あの男爵令息を夫にするか、を。」
いつになく真剣な表情でミシェラに究極の選択を突き付けるロベルグ。突然、今後の人生を左右しかねない選択を突き付けられたミシェラは内心「いや、ユーリをそんな目で見てないんだけど…」と思ったが、次期女王として培った忍耐力でロベルグに色々と突っ込みたい気持ちを押さえて「コホン」と一つ咳払いをすると、無言で医務室に備え置かれた椅子から立ち上がった。
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