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第一部
【45】吸血鬼ばぶちゃんとままんとこっちのじーじ。
しおりを挟むさて、翌日もリクリばぶちゃんはばぶ期まっさかり。
ばぶ期2日目である。
昨日はリアルばぶちゃんのリクハと仲良く俺の雄っぱいをちゅーちゅしてくれたので、何より。しかしリアルばぶちゃんといっても、吸血欲が生まれるのはもっと先のこと。先祖返りだと子どもの頃から……の、ようだが。
それでもまだまだ先のこと。吸血はあくまでも大人の吸血鬼の嗜み……とのことだ。
なので俺のぢゅーぢゅは未だリクリばぶちゃん専用。リクハが大きくなっても、それはそれでその時、リクハが選んだままんと、と言うことになる。それまでは狩人協会が血を安全な方法で提供してくれるらしい。
狩人協会も、吸血鬼の王家を通し、王族の血から作られる特別な血清を仕入れているそうだ。
これは吸血鬼100%ではない、混血の人々に必要なものだそうだ。
人間の中に吸血鬼の血があると、どうしても暴走してしまうのだって。
詳しいメカニズムは不明だが、それがあれば吸血鬼の血の暴走を抑えられるそうだ。
平和ボケで仲良し、この国の吸血鬼と狩人協会の取り組みだそうだ。
そして狩人協会の脳内解説をしつつ、リクリばぶちゃんとリクハをかわいがっていれば。
「あい、りーちゃ!」
吸血鬼のコってすごいよね!もうりーちゃ!って言えるようになってる!あ、リクリたんのことじゃないよ?りーちゃ=リクハ。
リクハのことを呼んだのは、俺の弟のナナハ。
父さんに抱っこされながら、ナナハも来てくれたのだ。
えへへー。ナナハもまだまだリアルばぶちゃんだけれど、ちょっとしゃべれるようになりましたー!
そしてナナハを抱っこした父さんのとなりには、ナナヤさん。
ナナハがしゃべるようになってから、何となくふたりの喧嘩の頻度は減ったかも。ナナハ効果かなー。
「リクハ、ナナハが来てくれたよ」
ナナハにとっては甥にあたるリクハだが、年齢の近いふたりはまるで兄弟のよう。
ナナハをリクハのとなりに寝かせてあげれば……。
「りーちゃ!」
ナナハがリクハをぎゅーするんだよ!ほんとかわいい!
まぁ、ナナハにとっては俺もお兄ちゃんなわけで。大きくなったらどういう位置付けになるのか……。どちらにせよ、ナナハとリクハが仲良しなら、俺としては安心かなー。
「あ、そーえば」
リクハは俺の息子なわけだから。
「父さんもじーじかぁ」
そう呟いたところ、父さんがびっくりしたように硬直した。え、まさか気が付いてなかったの!?
「そ、そうか」
短く答えながらもちょっと嬉しそうな父さんだった。
そしてその隙にナナヤさんが……。
「よーし、リクハちゃん抱っこしよっかな~~」
ナナヤさんがリクハに手を伸ばす。
――――――その時だった。
ぺしっ。
あ、ナナヤさんが父さんに手を叩かれた!?
「仲良くじゃれあってるのに邪魔すんじゃねぇ」
「……ごめんなさい」
この夫夫は夫夫で、息が合っていたりして、見てるとほほえましくなっちゃうのだ。
「ばーぶ」
「そうだねぇ、ばぶちゃん」
ばぶちゃんも同意なようであった。
今日も幸せの中、微笑みあったことは言うまでもない。
【第1部・完】
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