【運命】と言われて困っています

桜 花音

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3.瀬戸くんの秘密と”守護石のカケラ”

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「だよね。わたしも瀬戸くんとはつり合いが取れないと思うよ」
「……なんで?」
 そう聞いてきた瀬戸くんは、少し切なそうな表情をしていた。
 少しうるんだように見える瞳は、捨てられた子犬みたい。
 ……って、そんな瞳に騙されちゃダメ。

「だって、瀬戸くんみたいにキレイでカッコいい人。絶対ほかにお似合いの人、いるもん。」
 目の前の人をほめるのって恥ずかしい。
 でも本当にそう思うんだもん。
 日の光を受けてキラキラ輝く茶色の髪も、男の子なのに透き通りそうなきれいな肌も。
 そんな人がわたしを<運命の人>なんて、ありえない。

「それって、僕の見た目だけだよね? 本当の僕を知らないのに、そんなこと言うの?」
「え?」
 言われてみれば、確かにそう……かな。
「じゃあ。まずは僕のことを知ってよ。僕がどんな人間か、ちゃんと知ってほしい」
『アタシは知ってる! ソーゴのいいところ、たくさん!』
「ありがとう、サラ」
 瀬戸くんにお礼を言われて、サラちゃんは嬉しそうに瀬戸くんの周りを飛んでいる。
 あぁ……この子、瀬戸くんのことが大好きなんだな。
 だから瀬戸くんが<運命>なんてわたしのこと言うのが嫌なんだ。

「ね。まずは友達として、距離を縮めよう。そうして僕を知ってくれないかな」
 握手を求めるように手を出された。
 友達として、かぁ。
 正直、<運命の人>なんていきなり言われて、信じられないし、受け入れられるわけがない。
 知らない間に守護石のカケラとかわけわからないものを渡されたらしいし、見た目に反して強引なところありそう。
 でも多分、わたしに信じてもらうために精霊とか守護石の話もしてくれたんだよね。
 サラちゃんの様子からしても、悪い人じゃないんだ、きっと。

「友達として、なら」
 瀬戸くんの手に、そっと自分の手を重ねる。
 友達になるのに握手するなんてはじめてで、なんだかドキドキする。
「ありがとう」
 嬉しそうな瀬戸くんの笑顔がまぶしいっ。

『いつまで手にぎってんのよっ!』
 握手していたわたしたちの手を、サラちゃんが一生懸命引きはがそうとする。
 当然、小さな彼女が頑張っても、まったくビクともしない。
 そんな姿がとってもかわいい。

「サラちゃんも、よろしくね」
『イヤよ! だれがあんたなんかと』
 こっちを見ることなく、サラちゃんは瀬戸くんの傍へと飛んで行ってしまった。
「サラ。僕も二人には仲良くなって欲しいよ」
『イーヤッ』
「なんでそんなこと言うの?」
『なんでって……ソーゴが』
「僕?」
『……バカッ! ソーゴのバカ―ッ!』
 思いっきり叫んだかと思ったら、ポンッとサラちゃんが姿を消した。
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