兄ちゃん、今度は何?

智春

文字の大きさ
10 / 29

見ないで!

「ちょっと頼みたいことがあるんだが」

「いいよ。何?」

レジ袋を抱えた兄ちゃんは、いつものように部屋に入ってきて、ベッドに寝転がる俺の側に立った。

「今回は、雑誌の綴じ込み付録の『必ずヌケる!セクシー動画10選』という宣伝文句は真実かどうかを検証したいんだ」

「はい?」

兄ちゃんは「これだ」と言って差し出したのはDVD付きのアダルト雑誌だった。確かに表紙にはそういうチャッチコピーが毒々しい文字で踊っている。

「そんなの自分が試せばいいじゃん。兄ちゃんも男なら自分で確かめられるでしょ?」

「いや、一般的な読者の意見を聞きたいんだ。俺では客観的に判断することができない。だからお前に協力してほしいんだ」

「えー」

そりゃ、どんな内容なのかは興味はあるよ。マッサージ系のシチュエーションって興味あるし、タダでエロ本が手に入って嬉しいし。

「・・・分かった。じゃ、試してみてもいいよ」

「そうか!」

俺の返事に顔を輝かせた兄ちゃんは、床にドカッと座りこんだ。

「ありがたい。じゃ、さっそく始めてくれ」

「は?」

「だから、今からこの場で試してくれと言ってるんだ。俺が立ち会って検証するんだよ」

「え、やだよ。人に見られるのは」

「なぜだ?男同士だし、恥ずかしいとでも言うのか?兄弟だし、遠慮することないぞ」

うわ、本気で言ってるの?冗談キツいよ!
いくら兄ちゃんの頼みでも、人前でひとりエッチしろって、やり過ぎでしょ!もはや拷問だよ!

「兄ちゃん、デリカシーなさ過ぎ!変態!」

「ど、どうした急に」

俺の態度に戸惑う兄ちゃんは、なぜ怒っているのか理解できないという感じで眉をひそめた。他所の兄弟だって、お互いの目の前でそんなことしないでしょ、たぶん。

「出てって!馬鹿!」

「なぜだ?協力すると言っただろう?」

「うるさい!!」

力いっぱいドアを叩きつけて閉めた。探究の熱もここまできたら病気だよ。

ふと床に目を落とすと、新品のアダルト雑誌が置かれたままになっている。返し忘れた。

「仕方ない。検証だけはしてあげるか」

僕は雑誌の綴じ込みDVDの封を切り、起動させたパソコンに挿入した。
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております