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カリカリ音がする
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6月末日丑三つ時
この家は、何かが住んでいる。
まぁ、祖父ちゃんの家だし、留守番を頼まれている僕も住んでいるから空き家ってわけじゃない。それ以外の何かが住みついているらしい、て意味だよ。
夜中になるとね、家の奥にある和室の納戸辺りから、何かがカリカリ音を立てるんだ。
田舎の古い家だから、屋根裏や床下の隙間から野生動物が侵入して寝床にしているかもしれないけど、毎晩毎晩、カリカリカリカリって引っかいて、うるさくてたまらない。
ここで寝泊まりするようになって6日目、もう我慢の限界だね。
「今夜こそ正体を確かめて追い出してやる」
しばらくこの家に住まなければいけないんだ、誰が主人なのか分からせてやらなきゃね。このまま野放しにして、エスカレートしたら厄介だし。
すべては、僕の安眠のために・・・
父さんの実家であるこの山の中の田舎は、野生動物が頻繁に山里に下りてくるのだそうだ。そして、アグレッシブに農作物を荒らしたり、民家で悪さをするという。
祖父ちゃんが怪我をして入院する前、大事に育てた南瓜を猿が根こそぎかっぱらって行ったことがあったそうだ。
猿だよ、猿。しかも軍団でね。
その話を聞いて「猿って、ちゃんと熟れる時期を見計らって盗んで行くなんて賢いね」と感心したら、祖父ちゃんブチ切れて、「お前は奴らの味方か!」と猿害対策のエアガンを僕にぶっ放しかけたよ。祖父ちゃんに猿ネタは禁句みたい。
だから、きっとこの音の主も山の動物に違いない。
イタチか狸か野ウサギか・・・フクロウならちょっと嬉しいけど。
「よし、次に音がした瞬間に木戸を開こう」
すぐ横の壁に捕獲用の虫網を立てかけた。この網より大きな獲物だったらどうしようか。そんなことを考えながら、納戸の引手に指をかけ、息を殺してその時を待った。
・・・カリカリ
「今だ!」
勢いよく木戸を開け放った。
非常時用の懐中電灯に照らされて、納戸に積み込まれた荷物が暗闇に浮かび上がった。少しホコリ臭い空気がふわっとただよう。さて、真夜中の騒音の犯人はどこだ・・・?
ゴロン
「!」
中腰になって納戸の中をのぞき込む僕の足元に、何かが転がってきた。
慌ててその物体に灯りを向ける。
「貴様、何者じゃ!この私を足蹴にしおって、無礼者!」
「!?」
え!何これ?
懐中電灯の黄色っぽい光の差す中に、和服姿の幼女がいる。その子は眩しそうに手で光を遮り、ちっちゃい口をツンと尖らせむくれている。
いや、ちっちゃいのは口だけじゃなくて、体そのもののサイズ自体がちっちゃい気がするんだけど!
「何者かと問うておるのが聞こえぬか!昭夫はどこじゃ!文代はおらぬか!」
「え、え?何コレ、どういうこと?」
幼女はふんぞり返ったまま、昭夫、文代と呼び続け、家中を探し回った。
猿が南瓜を盗って逃げる田舎の日本家屋で、丑三つ時、僕は奇妙な女の子と出会った。
この家は、何かが住んでいる。
まぁ、祖父ちゃんの家だし、留守番を頼まれている僕も住んでいるから空き家ってわけじゃない。それ以外の何かが住みついているらしい、て意味だよ。
夜中になるとね、家の奥にある和室の納戸辺りから、何かがカリカリ音を立てるんだ。
田舎の古い家だから、屋根裏や床下の隙間から野生動物が侵入して寝床にしているかもしれないけど、毎晩毎晩、カリカリカリカリって引っかいて、うるさくてたまらない。
ここで寝泊まりするようになって6日目、もう我慢の限界だね。
「今夜こそ正体を確かめて追い出してやる」
しばらくこの家に住まなければいけないんだ、誰が主人なのか分からせてやらなきゃね。このまま野放しにして、エスカレートしたら厄介だし。
すべては、僕の安眠のために・・・
父さんの実家であるこの山の中の田舎は、野生動物が頻繁に山里に下りてくるのだそうだ。そして、アグレッシブに農作物を荒らしたり、民家で悪さをするという。
祖父ちゃんが怪我をして入院する前、大事に育てた南瓜を猿が根こそぎかっぱらって行ったことがあったそうだ。
猿だよ、猿。しかも軍団でね。
その話を聞いて「猿って、ちゃんと熟れる時期を見計らって盗んで行くなんて賢いね」と感心したら、祖父ちゃんブチ切れて、「お前は奴らの味方か!」と猿害対策のエアガンを僕にぶっ放しかけたよ。祖父ちゃんに猿ネタは禁句みたい。
だから、きっとこの音の主も山の動物に違いない。
イタチか狸か野ウサギか・・・フクロウならちょっと嬉しいけど。
「よし、次に音がした瞬間に木戸を開こう」
すぐ横の壁に捕獲用の虫網を立てかけた。この網より大きな獲物だったらどうしようか。そんなことを考えながら、納戸の引手に指をかけ、息を殺してその時を待った。
・・・カリカリ
「今だ!」
勢いよく木戸を開け放った。
非常時用の懐中電灯に照らされて、納戸に積み込まれた荷物が暗闇に浮かび上がった。少しホコリ臭い空気がふわっとただよう。さて、真夜中の騒音の犯人はどこだ・・・?
ゴロン
「!」
中腰になって納戸の中をのぞき込む僕の足元に、何かが転がってきた。
慌ててその物体に灯りを向ける。
「貴様、何者じゃ!この私を足蹴にしおって、無礼者!」
「!?」
え!何これ?
懐中電灯の黄色っぽい光の差す中に、和服姿の幼女がいる。その子は眩しそうに手で光を遮り、ちっちゃい口をツンと尖らせむくれている。
いや、ちっちゃいのは口だけじゃなくて、体そのもののサイズ自体がちっちゃい気がするんだけど!
「何者かと問うておるのが聞こえぬか!昭夫はどこじゃ!文代はおらぬか!」
「え、え?何コレ、どういうこと?」
幼女はふんぞり返ったまま、昭夫、文代と呼び続け、家中を探し回った。
猿が南瓜を盗って逃げる田舎の日本家屋で、丑三つ時、僕は奇妙な女の子と出会った。
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