SWORD MEN~ソードマン~

Erito

文字の大きさ
1 / 1
アークハザーズ

1HIT ソードマン

しおりを挟む
   鼻をつく、生臭い鉄の匂い。
両手に備えた、刀には誰のとも知れない赤黒い鮮血。
戦場で、人は幾分か残酷になれる。
襲い来る敵を無情にも切り裂き、次々と薙ぎ倒せるのは、そのせいだろうか。
いや、違う。
全身に鎧をまとい、顔を覆い隠すマスクのような兜の額からは、30cm程の反り返った刀が見た者に恐怖と共に、私の名を印象付ける。
私は「ソードマン」。
誰が最初に言い始めたのかなんて知らないが、大方、私を見た者が勝手に付けたんだろう。

私が「ソードマン」として、
鎧をまとい動く時、変わるのは、一人称だけじゃない。
その時こそ、私は残酷になれる。
私は、ソードマン。
物語で悪役とヒーローがあるとしたら、私は…………どちらでもない。
ただ、闇の世界の住人である事は確かだ。

  「剣鬼」、「鬼神」、「死神」だとか、僕の世間からの呼ばれ方は色々ある。
けど、今は「ソードマン」。
この名前が一番気に入っている。
なんでって、なんかこう……カタカナで安直なネーミングに、やわらかく、少しは優しい印象を受けるだろ。

僕が物騒な名前で呼ばれるのには、僕の体質というか、能力というか、職柄というのか、そういうのが関係してくる。
僕は「アークハザーズ」という、
一般的に悪の組織とされる場所に勤めている。
つまり、僕は世間では悪とされる存在だ。まあ、僕はそれで良いと思ってるけどね。
僕の能力の話をしよう。

   この世界では、一人につき、一つずつ基本となるスキルが備わっている。
それは「ベーススキル」などと呼ばれているのだが、
そこから、自身のレベルによって、スキルが枝分かれしていく。なので、この世界では、子供であっても、低レベルスキルやベーススキルなどが使えるし、たまに中級スキルを使える子供だっている。
しかし、その中でも僕の存在は異質なものだった。
僕のベーススキルは、
「ソード」
身体のどんなところからも、刃物が出せるし、身体自体も刃物にできる。
それに加え、サブスキル。
サブスキルっていうのは、希少なもので、簡単に言うと、
第二のベーススキルみたいなもの。
僕のサブスキルは、
「イメージモデリング」
普通のモデリングと同じように、質量が同等かそれ以下ならイメージ通りに変化させられる。
それに加え、それをイメージ通りに操作できる。
操作って言っても、物を動かすとか、操るとかそういうのじゃなくて、
例えば、硬いダイヤモンドがあるとする。
一般的なモデリングなら、ダイヤモンドの形を変えてそれで終わりだ。
しかし、僕の「イメージモデリング」ならダイヤモンドの硬度はそのままで、クネクネとイメージ通りに動かせる。
イメージできなきゃ意味無いけどね。
そんなわけで、その二つのスキルのせいで、僕は昔から周囲から化け物扱いされながら育った。
だから、あまり昔のことは思い出したく無い。
これから聴いてもらうのは、僕が最高のーーーーになるまでの話だ。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

無能と追放された俺、死にかけて覚醒した古代秘術を極めて最強になる

仲山悠仁
ファンタジー
魔力がすべての世界で、“無能”と烙印を押された少年アレックスは、 成人儀式の日に家族と村から追放されてしまう。 守る者も帰る場所もなく、魔物が徘徊する森へ一人放り出された彼は、 そこで――同じように孤独を抱えた少女と出会う。 フレア。 彼女もまた、居場所を失い、ひとりで生きてきた者だった。 二人の出会いは偶然か、それとも運命か。 無能と呼ばれた少年が秘めていた“本当の力”、 そして世界を蝕む“黒い霧”の謎が、静かに動き始める。 孤独だった二人が、共に歩き出す始まりの物語。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

令嬢失格な私なので

あんど もあ
ファンタジー
貴族の令息令嬢が学ぶ王都学園。 そこのカースト最下位と思われている寮生の中でも、最も令嬢らしからぬディアナ。 しかしその正体は……。

処理中です...