クールなサイボーグ部長の素顔

織原深雪

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サイボーグ部長が溺愛!?~肉食男子の本領発揮~

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「ゴッホゴホ…。山野辺さん、どうして木島さんがずっと私を好きだと思うんです?」

疑問を聞くと

「あら、愚問ね。サイボーグと呼ばれようが彼も普通の男よ?好きな子には自然と目線で追うものよ。目線の先の人物を見つければ自ずと答えは分かるものよ」

山野辺さんの観察眼恐るべし。

「長いこと見てるだけで居たから、どうなのかしらと思っていたの。そしたら彼氏と別れたって聞いたら動き出したでしょ?あぁ、チャンスを待つタイプの男だったのねと思ったわ」

そうクスクスと笑っていう山野辺さんに

「そういうタイプって逃げ出したらどうなります?」

思わず、聞いてみると

「んー、待てるタイプの男って動き出す時は既に用意周到だから逃がさないと思うわ。それこそ千波ちゃんは既に木島くんの囲いの中だと思うけどね?あの木島くんだし?」

さらっと言われた。

そんな、そんなのってない。
逃げられないって、そんな予測嫌だけど。
仕事でも先読みの得意な山野辺さんが言うのだ。
これは9割そうだと思わないとならない。
残りの1割?
私の希望的観測です!
多分そこは本来もっと割合少ないとは思うけど、譲りません!

「山野辺さん、用意周到な男から逃げる方法ありません?」

ダメ元で聞いてみたら

「捕まる方が楽だと思うけど。嫌なら他の男を捕まえるしかないんじゃない?」
「それ、妨害されません?」
「全力ですると思うわ。だって逃がす気無さそうだもの」


その発言をしながら、山野辺さんの目線は私の後ろに向いている。
振り返りたくない、非常に振り返りたくない。

「山野辺さん、捕獲してくれてありがとうございます」
「可愛い後輩のお願いだからねぇ、頑張んなさい」

そう言うと、山野辺さんはサラっと手を振って戻って行った。
置いてかないでください!!
そして私も可愛い後輩ですよねぇ?
そうだと言って!

「千波、流石に置き手紙だけで帰られるのは傷つくんだが?」

さっきまで山野辺さんが座ってたところに座るのは木島部長。

「部長、お忙しいですよね?私もまだまだ自分の仕事がありますので、戻ります」
「まぁ、待て。今日は何が食べたい?」

はい?あぁ、食べに行こうって話の事か。

「今日は和食がいいです」

ブスっと答える私は確実に可愛くない。
だと言うのに、木島さんはそんな私を前にしても変わらずに居て

「そうか、和食だな。仕事十八時までには終わらせられるか?」
「今日は急ぎも無いので終わります」

「しっかりした話はその時にな。無理するなよ?」

そう言うと先に戻っていく木島さん。
私の前だと無表情は無くなるのか。
仕事の話じゃないから?
どっちにしても私に見せるのは優しくて甘い彼だ。

ギャップがあり過ぎて慣れない。
だから、ドキドキするんだと、自分の早まる鼓動にそう言い訳のように、思うことにした。

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