クールなサイボーグ部長の素顔

織原深雪

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サイボーグ部長が溺愛!?~肉食男子の本領発揮~

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苦笑しながら言う部長に

「いいえ、ちゃんと和臣が説明してれば、驚かずに会話出来たでしょうに。こういうのは心構えが大事なのに!全く、男ってのは分かってないわね!」

その声は、遠慮なしにいっている。
気持ちいいほどにだ。

「和臣がごめんなさいね?お名前はなんておっしゃるのかしら?」

そう聞かれたので、

「伊月千波です。和臣さんと同じ会社の営業部で仕事をしています。よろしくお願いします」

そう頭を下げれば、

「まぁ、ご丁寧にありがとうございます。私は和臣の叔母の倉本八重子と言います。今日はゆっくりくつろいでいらしてね?旦那がいいもの出してくれるはずだから」

ニコニコと答えてくれた八重子さんはとっても可愛らしかった。
視線の先の厨房には八重子さんの旦那さんだろう板前さんが居た。

「一雄叔父さん、美味しそうなの適当に出してやってくれる?」

そう声をかけつつ、厨房前のカウンターに座る部長。
私も隣に座る。

「適当なんて言うんじゃないよ!まだまだだな、和臣」

部長もここでは子ども扱いみたい。
言われた言葉に少し不機嫌そう。

「伊月さんだったね?食べられないものや苦手なものはあるかい?」

そう優しく聞いてくれる叔父様に

「好き嫌いは無いので大丈夫です。アレルギーも無いですし」

ニコッと答えると

「じゃあ、取っておきの出してやるからな」

そう言って、調理に取り掛かる叔父様を見つつ、隣を窺うと

「とりあえず、食べてからな?」

そう言ってポンポンする。
好きなの?
ポンポン好きなの?
私も嫌なわけじゃないからいいけどね…

そうして出されたのは、伊勢海老にふろふき大根、つみれのお吸い物にナスの煮浸し、茶碗蒸し等の優しい味付けの和食。
どれもしっかり出汁をとってるから美味しい。
伊勢海老は豪華に茹でたあとに味噌塗って炙られていて本当に美味しかった。

「本当に美味しいです!」

その言葉に偽りはなくて、私は箸を止めることなく黙々と出された料理を食べた。
隣で部長もしっかり食べていた。

食べ終わって、一息ついた頃

「これはサービスだよ」

そう言って出してくれたのは、白玉団子のぜんざい。
抹茶のアイスも乗せられていた。

「わぁ!ありがとうございます」

ニコニコとそのお皿を受け取り、食べ始めた。
抹茶アイスは抹茶の味がしっかりしてて、甘さが控えられてるからあずきとの相性がいいし、白玉はモチモチで良い食感。
食べるそばからニコニコしてしまう。
そんな美味しいデザートだった。

「満足そうだな」

食べ終わった私を見て、ほっとしたような顔をする部長。

「それで、和食が食べたいとは言いました。すっごく美味しかったですが、身内の方のお店に行くならその事は言っといてくださいよ!」

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