異世界もふもふ保育園へようこそ!

織原深雪

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草食な彼の本気

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 帰ってきて一週間。
 保育園にも復帰して、子ども達と楽しく日々を過ごしていたし村での生活も王都に行く前と同じとはいかなくなっていることが一つ。

 それは、カーライドさんとの関係。
 私が自覚した気持ちは本人にはまだ何も言っていないが、帰宅してからどうもカーライドさんの態度が変わった。

 私の仕事帰りは迎えに来るし、陛下や王妃様からもらった服を見ると服は難しいからと言いつつ、髪飾りや綺麗なリボンなんかをプレゼントしてくれた。
 休みの日は、村の中で一緒に買い物に行ったりもするし過ごす時間が増えている。

 そして、今日とうとう一言が告げられた。

 「ハルナ、俺と結婚してほしい。ハルナとずっと一緒に居たい」

 綺麗な花と共に告げられた言葉や表情は真剣そのもので……。
 花も一緒に出掛けたりしたときに私が好きだと言ったものだ。

 「私、落ち人だよ? 羊族ではないのに良いの?」

 私が引っ掛かっていたのはそこだ。
 素直に気持ちを伝えたくてもためらった種族の違い。
 しかし、カーライドさんは微笑んで言う。

 「この二ヵ月、離れて思ったよ。ずっと一緒に居たいし離れたくないなって。それを確かにするのは結婚なんだ。ハルナには結構いきなりかもしれないけれど、俺はずっとハルナが好きだった」

 真っすぐな言葉と態度は気持ちをストレートに届けてくれる。
 
 「ハルナの気持ちが知りたい」

 私の言葉を待つカーライドさんは、すこし緊張の面持ちだ。
 あぁ、私は彼のこういう真っすぐで優しい人柄に惹かれたんだなと改めて思う。

 「私もカーライドさんが好き。王都で王子様と接して気づいた。王子様はお兄さんみたいだけれど、カーライドさんは違うってことに」

 私の言葉にカーライドさんは、緊張が抜けた穏やかな笑みを浮かべて言う。

 「それじゃあ、ハルナ。俺のお嫁さんになってくれますか?」

 私の顔を覗き込んでの問いに、私は微笑んで答えた。

 「はい。カーライドさんのお嫁さんにしてください」

 こうして異世界に来て、一年と少し。
 子ども達を育てる手助けをしつつ過ごす中で見つけた大切な人。
 彼も同じ思いを抱いてくれた、それってすごいことだと思う。
 まず、この世界に来なかったら出会わなかったし、自分に出来ることを頑張ってる間に支えてくれた、そんな人でもある。

 「あぁ、しあわせだな」

 そういって抱きしめてくれるカーライドさんの腕の中で、私は思う。

 それは、私こそだよって。

 

 結婚しても、お母さんになっても私はここで保育園を営みこの国の子育て事情の発展に寄与した。
 その隣にはいつまでも優しい笑みをたたえた夫といつでも子ども達に囲まれた私が居た。


 獣人の国アルアローザは、その後嵐にも負けないほどに発展し豊かになったという。
 その陰には落ち人ハルナの存在があったが、彼女は穏やかな暮らしを愛し、表舞台にはあまり立つことはなかったが、その知識と力と子ども達を愛する姿勢は国民みんなから愛されたという。



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