スピードマニア

深月 翠

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Vous êtes ...? あなたは、誰?  6話 

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そんな私に男の子は、


「悪ぃ。待ってろ、水持ってくるな」


申し訳なさそうに手を離してから、そう言った。


「おいおい、何の騒ぎだ?」


二階から降りてくる誰かが呆れた声で尋ねてきたのは、グラスの水を飲み干した後だ。


その頃には自分のいる場所を見回すゆとりも出てきた。


バーカウンター、ボックス席。奥にVIPと書かれたワインレッドの布張りのドア。カウンターには色んな形をしたグラス。色んな色をしたお酒。それからカウンターのもっと奥に見える、螺旋階段。


男の子はその階段を見上げて、軽く頭を下げた。


「ああ、仁人(じんと)さん、お邪魔してます」


私は助けてくれた男の子より先に、この場所の主である20代後半くらいの男の人の名前を知った。


少しキツいけど、話せるくらいには呼吸も落ち着いてきた。


私は立ち上がって、2人に向かって頭を下げる。


「あの、助けてくれて、ありがとうございます。それから、これも」


コップを持ち上げると、それを受け取ろうとした男の子より先に、仁人さんと呼ばれた男性がそれを受け取った。


「助けてくれてって、何だ、一成(いっせい)のオンナじゃないのか?」


私が慌てて首と胸の前で広げた両手を振ると、目を見開いた仁人さんは、私と男の子を見比べて曖昧に頷いた。


「まぁ、いい。取り敢えず一成、説明しろよ」


今度は男の子が、これまでの経緯を話す番だった。
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