スピードマニア

深月 翠

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Vous êtes ...? あなたは、誰?  19話

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マンションのエントランスから細い道を抜け、片側四車線の大きな通りに出た。


すると、昨日よりは少し早い時間帯という以外にも、何か違う雰囲気を感じて私は辺りを見回す。


── 何?


私は思わず自転車を止める。交通量は昨日より少ないくらいだし、点滅する信号も、まだ光ったままの街灯も昨日と変わらない。


だけど、歩道や、縁石ブロック、それから車道端の白線辺りには、たくさんのゴミ。


中には割れた瓶まで転がってる。


それは結構長い距離続いていて、まるでお祭りの後みたいだった。


「タイヤ、パンクするかも」


1番明るいコンビニの前で一度自転車を降りて、どうしようかと考えていると、ほうきを持った店員さんが声を掛けてきた。


「昨日は走りだけじゃなくて、野次馬たちのケンカも多かったみたいだから結構色々落ちてますよ」


「…走り?」


「B.G.の暴走。今の総長になってから、見物客半端ないからなあ」


売り上げは伸びるんだけど、掃除が大変なんですよ。と彼は困ったように笑う。


そうですか、と相づちをうって、私は今日のライドを諦めて、来た道を戻った。



そこから進んだのはたった200メートルくらい。


そこで、


「あ…空気抜けてる」


前輪が、駄目になっていた。スロウパンクじゃないから、明らかに異物が刺さってるんだろう。


ついてないなぁ。


私は歩道と車道の間に植えられた街路樹に自転車を持たせ掛けて、自分もその横に座った。
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